独鈷杵とは。○○○菩薩や○○天が手に持っている法具
前回は、独鈷杵を含む金剛杵について解説しました。
今回は「独鈷杵」について解説します。
一般には「とっこ」と呼ばれます。
高野山などでは「とこ」と発音されることもあります。
別名で一鈷杵と呼ぶこともあります。
形から見ると、五鈷杵や三鈷杵よりも、より武器のような印象を受けますよね。
実際に、他の金剛杵よりも、攻撃的な意味合いを持ちます。
独鈷杵を持つ仏
・大精進菩薩(だいしょうじんぼさつ)
・帝釈天(たいしゃくてん)
代表的なものとして、金剛界曼荼羅の大精進菩薩・帝釈天等が三摩耶形(さんまやぎょう)として持っています。
大精進菩薩は、勢至菩薩(せいしぼさつ)とも呼ばれます。
こちらのほうが馴染み深い名前ですので、イメージしやすいのではないでしょうか。
三摩耶形(さんまやぎょう)とは、
密教に於いて、仏を表す象徴物の事。三形とも略称する。 ちなみに三昧耶とはサンスクリットで「約束」、「契約」などを意味するサマヤから転じた言葉で、どの仏をどの象徴物で表すかが経典によって予め「取り決められている」事に由来する。(引用:Wikipedia)
三摩耶形としてわかりやすい例として、不動明王であれば、手に持っている剣を指します。つまり、仏を象徴する物です。
では、独鈷杵は何を意味するのか。
独鈷は「独一法界」を象徴しているとされます。
独一法界とは、宇宙の真理。つまりは大日如来のことです。
勇猛精進を表し、また摧破を象徴しています。
また、独鈷杵を持つ帝釈天は仏法の守護神だとされます。
帝釈天は人間の世界と仏の世界の間にいて、人間の振る舞いを見ていて、悪行が蔓延したときには、忉利天で対策を考えていると言われています。
このことから、世の中を仏法(仏の教え)に準ずるように見届けており、宇宙の真理である「独一法界」の象徴 独鈷杵を手にして、人間界に近いところで世の中が悪くなるのを防いでいます。
MEMO: 忉利天というところに、帝釈天は住んでいると言われています。
まとめ
今回は、「独鈷杵」について解説しました。
大精進菩薩(勢至菩薩)と帝釈天が手にしていて、仏法を混沌とする世界から護るための法具です。
ー高野山法徳堂
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