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同級生と偶然会った話

夜の12時ごろ、河川敷でランニングを終えた僕は、歩いて帰っていた。歩いている時は必ずスマホで授業動画を見ると決めている。
家がもうすぐとなったとき、片手に酒を持ったアフロボーイが、自転車で僕の横を通り過ぎた。やけに僕の顔を覗き込んできて、やや不快だったが、気にせず授業動画を見て歩いていると、そのアフロボーイが僕の方を見て止まっている。どうやら僕の知り合いらしい。僕の知り合いにアフロはいなかったので、それが誰なのかを特定するのに時間がかかった。近づいてみると、小中高の同級生だということがわかった。人に言えたことではないが、時が経つと人はかなり見た目が変わるんだなと思った。
その同級生は中学高校で同じ野球部に属しており、それなりに話してはいたが、同じクラスになったことは(僕の記憶の中では)ないし、プライベートで遊んだことも多くなかった。僕が高校をリタイアしたこともあってその後は特に連絡は取っていなかったし、インスタグラムで相互フォローの関係にあったが、特にあっちは投稿をしておらず、どういう状態にあるのかは全く知らなかった。最後に話したのは何年か前の成人式だと思う。
そんな彼と涼しい夜とともに話していた。電灯は僕らを照らすかのように明るかった。たわいもない話を終えると、仕事の話になった。もう僕もそんな歳かと思いながら話を聞いていると、どうやらある時期まで苦労していたらしい。話を聞くと、公認会計士を目指していたとのこと。僕と同じだ。僕は大学卒業後に専門学校に通い始めたが、彼は大学4年時に通信の専門学校に通い始めたとのこと。4年時からいくのは賢い選択だと思う。しかし途中でその夢は諦めて、普通の会社員になったとのことだった。公認会計士の勉強をしていた頃は、人と話せない状況がキツすぎるし、そもそもの勉強量が多すぎると言っていた。僕は首がもげるほど大きく頷いた。
そんな彼が就活をするときに性格診断というものをやったと教えてくれた。僕は就活をしていないので、イメージが湧かないが、その人がどういう特性を持っているのかを測ってもらえるらしい。その性格診断では、「協調性はないが、色々と思考を巡らせている」的なことが書かれてあったようだ。彼は「協調性がない」の部分をピックアップして話を進めた。
「確かに俺って中学でも高校でも協調性がないとか周りをもっとよく見ろって言われてたよな。この性格診断見るとそれを治すのって無理だったってことが分かったわ。」その場で共感するのはどうかと思ったが、確かに彼にはそういう特性があったと思う。僕も空気が読めないみたいなことで怒れることがあったが、練習をサボることでよく怒られていた。彼は空気が読めないみたいなことで怒られることが多かった気がする。
どうやらそれを直そうと思ったり、無理に周りに合わせようとして苦労したようだ。働く気が起きないこともあったらしい。今の職場はあまりそういうのを考えずにやっていけるので楽しいとのことだった。これも彼が話してくれたことだが、彼にとって優先されるべき事項は、お金でも福利厚生でもなく、職場の人間の人柄や雰囲気だった。今は親がめちゃくちゃ金持ちの同期を「覇王」と呼んでいじったり、色んな人と喋ったりと楽しい人生を過ごしてると笑顔で教えてくれた。
その後はもう夜も遅いからと話を終え、別れを告げた。
僕も4年間続いたアルバイトと1年しか続かなかったアルバイトがある。その違いは色々あるが、一番大きいのは職場の人間や雰囲気だと思う。今後僕も就活をするだろう。その時に職場の人間や、雰囲気などを大切にして会社を選んでいきたい。
また、人は知らないところで色々と苦労しているんだなと思った。保育園から中学まで同じだった女の子が子供を産んで、順風満帆な生活を送っていると思っていたが、インスタのストーリーにて何かしら辛いことがあったことを載せていた。詳しくは読んでいないし、なんともわからないが、きつかったのだろう。その女の子も、アフロボーイも知らないところで苦労していた。やはり人間って表面的なことだけでは何もわからないのだということが改めてわかった。色んな人と話して、どんな考え、感情を持っているか知りたいと思った。
何かこの会話で得られるものが大きかった気がしている。
楽しい人生にしていこうと思った。

おわり

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