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少ないということ、時間をかけるということ

先日非常に濃い経験をしたので、皆様に共有したい。

それは、栃木のある場所に車で行ったときのことである。

わたしたちは蕎麦屋に向かった。

蕎麦屋の中に入ると、20席ほどある店内に、4人くらいしかいなかったので、

「お、これはすぐ入れそうだ、よかった。」

そう思ったが、意外にも

「ちょっとそこで待ってもらえる?おじさん一人でこの店やってて」

と言われた。なるほど。素敵な店内でしばらく待った。

店内には、店主の方が集めたであろうこだわりの品ばかりだった。

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店主の方が下駄で歩く、からんからんという音が鳴り響く。

15分ほど待ち、ようやくわたしたちの番になった。

蕎麦を2種類注文した。

「おじさんはね、粉から引いてるんよ。だからそんなにたくさん作れん。夜はもう17:00 には寝るよ。朝は4:00から作ってるからねえ。」


大切に大切に、練って、大切に大切に、切られたのであろう蕎麦が

少量、丁寧に盛り付けられてやってきた。

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とても少量、これを一本も逃さないように、すぐになくなってしまわないように少しずつ口に運んだ。

その美味しいこと。舌触り、味、コシをゆっくりゆっくり味わった。

ネギは、畑で取れたものを使っているよう。

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甘みのある美味しいねぎだった。

一口ずつ、大切に食べた。


何がそんなによかったのか?

丁寧に、時間をかけて作ったものを

丁寧に、大事に食べるその時間がこの上なく贅沢で豊かだったのだ。

少ないということが、

時間をかけて作ったものが

価値になる時代になると思う。

それを本当に実感した豊かな時間だった。

また行きたい。


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