『リベンジ・ホテル』江上剛
(ネタばれにご注意ください)
『ラストチャンス 参謀のホテル』を読んだ流れで、こちらも読んでみたわけです。そして、読んでみたら、読書感想文を書くという長期休暇らしい行動になるわけです。
結局のところ物語としてどうなのか
結論から言うと『ラストチャンス 参謀のホテル』よりも、こなれていて物語としては面白かった。あっちを読んでからこっちを読んだからかもしれないが、途中で著者の得意な金融系の話に持っていってドンパチするという『太陽にほえろ』的な展開を予感させる部分があるものの、物語はそちらに向かっては走らず、あくまでホテルらしい話に踏み留まっている。その点では、ホテルを舞台に描いた物語としてはこちらに軍配を上げたい。
ただそれはあくまで『ラストチャンス 参謀のホテル』との相対的な評価であって、この物語が本質的に面白いかと言うと、特にそんなことはないので過度な期待は禁物である。よって、本稿も読書感想文を装っているが、その実、物語の舞台となるホテル・ビクトリアパレスにまつわる「数字」をこねくり回して遊びたいだけのnoteである。
ホテル・ビクトリアパレスの定量分析
まずは、材料の整理から。
駅前なので、ミクロ立地は申し分ないが、そもそもこの駅周辺に宿泊需要があるのかどうか?という点だ。新宿から出ている私鉄と言えば、京王線か小田急線だ。新宿駅から東京駅までは20分ほどで着くので、乗り換え時間考えると、新宿駅からこの私鉄に乗っている時間は約1時間。所要時間に加えて、H市というイニシャルも踏まえると、京王線だとすると「橋本」が候補になるし、小田急線だと「本厚木」が候補になるが、あいにくどちらの駅も降りたことがないので、私にはイマイチ駅前の光景がイメージし難い。どちらもホテルマーケット的には需要も限定的だけど新規供給もない、凪のマーケット。
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サポート→ホテルで使う→note→サポートというサイクルが回ると素敵ですね。