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フランスものに馴染めなかったので、ドイツものをかじってみる

J「お久しぶりです。ジョンです」

H「ホームズさんだーよー。本当に久しぶりだね。見たら妹の話以来だよ。2022年だって」

J「昨年新刊を出していてそこでもこういう話をしていたので、まさかそんなに期間があいているとは思ってもみませんでした。最新刊『姉とSNSには気をつけろ』は絶賛BOOTHにて販売中です。9月開催の文学フリマ大阪にも持っていきますのでよろしくお願いします。あとがきで俺とホームズさんがいつものようにドラマについて話しています。作者自らのあとがきは存在しません」

H「ここで宣伝すな」

J「本の中ではミステリードラマの話はせずに、伝説のカルトドラマについて話しています。ご興味がある方はぜひ」

H「買ってくれるのは嬉しいけど、伝説のカルトドラマの話がメインじゃないから。この子、いつもそれがさもメインかのように言うけど違いますんで」

J「伝説のカルトドラマはデンマークだったわけですが」

H「うん? うん」

J「今回はそのすぐ近く! ドイツのドラマを見始めたという話です」

H「本題への入り方が無理やりだなぁ……」

J「これを書いてる時点でまだ2話なので、これからどうなるかわかりませんが」

H「2話まで見たらいけるんじゃないかな……」

J「そのドイツドラマというのは、『tatort』というシリーズのミュンスター編。ティール警視と法医学者のベルネ教授コンビがドイツのミュンスターで起きる事件を解決していきます。ミステリーチャンネルにおける邦題は『ティールとベルネ ミュンスターの事件簿』。邦題とかクソ喰らえ! みたいなことをたまに言っていますが、先日邦題の大切さを改めて知りました。反省しています」

H「ミステリーファンがこれはミステリー作品だと認識しやすいように工夫がされているんだと知ったんだよね。〇〇警部とか、刑事〇〇ってタイトルだったら、ミステリーだなってすぐわかるもんね」

J「翻訳されている方々には感謝しかありません」

H「今回のこの『tatort』も、日本語だと『犯罪現場』みたいな意味になるみたいなんだけど、そのままだとドイツ語なんてわからないからピンとこないだろうし、かと言って、直訳もなんだか味気ない。この邦題だと、ティールとベルネって人が事件を解決していくんだなっていうのが簡単に想像できるね」

J「バディもののミステリーだとすぐにわかります。この邦題はどうなんだっていうのはどうしてもありますが、あまりバカにしすぎないようにします」

H「そうだね。反省しよう」

J「で、この『tatort』シリーズなんですが、1970年から今なお継続的に制作されているご長寿ドラマなんだそうです」

H「いやぁ、どういうこと? ってなったよね。いくら何でも古すぎるだろ、と」

J 「日本に入ってきていないせいか、ネットを調べても英語版のWikipediaしかヒットしないので……仕方なく翻訳されたウィキで情報を得ました……」

H「筆者は翻訳されたよくわからない日本語を読むのが苦手です。みんなそうかな」

J 「多分なんですけど、ドイツの地方のテレビ局、オーストリアとスイスの国営放送局あわせて11社で共同で制作されているドラマなんだそうです」

H「ものすごい数だね」

J「その結果、色んな都市を舞台にしたそれぞれの警察チームの物語が出来上がったと」

H「それがご長寿の理由でもあるのかな」

J「ウィキのよくわからない翻訳日本語によると、警察の人たちが主人公ではなく、真の主人公はその都市であるみたいなことを書いてあるんですよ。あんまり意味がわからなかったんですけど、その後に『tatort』に影響を受けたのが、『CSI』『NCIS』だっていうのを見てやっと理解できました」

H「ネイビーは見たことないけど、CSI大好き人間だから『そういうことか!』って思わず叫んじゃったね。謎は全て解けた的な」

J「本当に。CSIもラスベガスにはじまり、マイアミ、ニューヨークとシリーズがあったじゃないかと。その方式なんですよ、『tatort』も」

H「『tatort』が先だけどね」

J「『tatort:ミュンスター』みたいに思っておけばいいんですよ。CSIにもっとシリーズがたくさんあって、各都市ごとに制作会社が違うという感じで」

H「今見てるミュンスター編は2002年からスタートして、シリーズの中でも高視聴を獲得したんだってね」

J「らしいです。オジサン二人の小競り合いが受けたのか……美形がいるわけでもないのに……あ。これは俺の感想じゃなくて、筆者の母が言っていましたんで」

H「君の感想でもあるだろ」

J「いやいや。美形だけを気にして見ているわけではありませんからね。俺だって内容を気にしていますよ」

H「本当かなぁ」

J「ティールとベルネだって話が面白いので見続けられるような気がしています。キャラは濃いですけど……」

H「ベルネ先生のキャラは確かに濃い」

J「こいつうるせーなと思わないかと言われると嘘になりますが、二人ともずば抜けた推理力を持つ名探偵という感じでもないし、小競り合いしながらも真実を追い求めて捜査していく姿は嫌いじゃないです」

H「さて、だらだらと書いているうちに5話まで見終わってしまったぞ。今見られる分は全部見ちゃったね」

J「また続きが見られるようになったら見たいです」

H「これから先どうなるかわからないけれど、今のところ登場人物たちの私生活がそこまで出てきてないから好感を持てる」

J「進んでいくうちにティールの離れて暮らしている息子とか登場しそうですけどね」

H「そんくらいなら許す。てかそうしないとこんなご長寿ドラマ、話が持たないだろ」

J「まぁ……そうですね」

H「何が言いたいかって、こっちはミステリーを見に来てるんだよ。事件が起きて、解決する人がいて、明かされていく謎があればそれでいいんだよ。比較対象としてフランスドラマを一応挙げているわけだけど、フランスものの何があわなかったって、探偵役となる登場人物たちの私生活がうるさすぎるんだよね。たまたま見たものがそうだっただけなのかもしれないけど」

J「フランスもので見たものと言えば、美術を題材とした一風変わったドラマ『アート・オブ・クライム』。高いIQを持つけど、社会に馴染めない主婦が警察のコンサルタントになる『IQ160清掃員モルガンは捜査コンサルタント』。今大人気の女性コンビが活躍する『アストリッドとラファエル』。人気作品にもかかわらず、『アストリッドとラファエル』は1話で離脱してしまいました」

H「これはもう完全に口に合わなかったね! 3作品とも、キャラの設定が妨げになって仕方がなかった。キャラの私生活を追ううちに、あれ? どんな事件だっけ? ってなるんだよ。特に前者2作品は登場人物たちの恋愛描写がうるさすぎて……事件と関係ありませんよね、それ。っていう」

J「どちらも相棒に恋愛感情を抱いてしまって、仕事どころじゃない状況に陥りましたもんね」

H「好みの問題でもあるけど、『ヴェラ』とか『ルイス』みたいなのがいいんだよ〜それがちょうどいいんだよ〜」

J「モースじゃなくて、ルイスなんですね」

H「モースも嫌いじゃないけど、またそれは別の話になってくる」

J「そしてフランスよりもドイツよりも結局イギリス作品なんですね」

H「そうなってしまうんだけど、イギリスだからって必ずしもいいというわけじゃない。私が求めているのは、事件を解決するまでの過程、明確な動機! トリックの出来栄えよりかもそちらを重視したいね」

J「確かにトリックのことに関しては興味なさそうにしていますもんね」

H「それでも好きなミステリー作品は? って言われると私は『オリエント急行』って答えるよ。あれはトリックにも驚いたけど、それ以上に動機が好きなんだよね。好きとか言っていいのかわかんないけど」

J「ホームズさんはミステリーで人間関係とか人の心理を見ているんですかね?」

H「そういうことになるのかなぁ。ただし、事件に関係のない人間関係に関しては興味ないので、そう言った描写はほどほどにしてほしいね」

J「動機がハッキリしておいてほしいということは、サイコパス的なのはなしですか?」

H「いや、それに関しては構わないと思っている。人を殺すことに快感を覚えるというのであれば、それはそれでいい。それも一つも動機だもの。共感はできないけどね。主役たちの恋愛事情で事件の内容を見失うよりいい」

J「なんだかトラウマみたいになってません?」

H「少なくとももうあの三作品については見ることはないだろうね。私だってフランスものばかり批判したくないんだ。たまたま口に合わないものが続いてしまっただけなんだ……。はい、てなわけで、フランスものに再チャレンジしました」

J「『パリ警視庁1900』ですね。これを他のと比べるのはどうかと思うんですけど。だってノンフィクションとフィクションが混じっていますし、登場人物も実際にいた人たちが出てくるんですよ?」

H「そう! そのせいもあってか、この作品に関しては最後まで見ることができました!」

J「結構えぐい描写もあるので、苦手な人は気をつけてくださいね」

H「執拗に豚を痛めつけるからね。可哀想に」

J「この作品を見て、筆者は反ユダヤ主義について知るべく、また仕方なく翻訳されたウィキペディアを読んで調べたりしています」

H「本当にあんな愚かな人間がいたのかと、知りたくなったらしい」

J「話が盛大に逸れましたが、ドイツものについて他に言うことは?」

H「ティールとベルネはいいけど、『ウーゼドム・ミステリー』は無理でした」

J「まさかのシーズン1にして主人公の娘が退場しましたもんね……」

H「それだけじゃないけど……なんかもう……いいかなって……。これも好みの問題かな……」

J「最終的にはそういうことになりますね。どれも好きっていうのは無理ですからね」

H「そうだね。いやー、『姉とSNSには~』では君に止められて言えなかった、ミステリー作品に求めているものは何なのかっていう話ができてよかったよ。今日はどうもありがとう。じゃ」

J「おい、こら。何勝手に終わらせてんだ。――自分だけ気持ちよくなってどこかへ行ってしまったので、今回はこの辺りで終了とします。それではまたお会いしましょう」


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