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Episode 69 試練の道を行くのです。

スポコンと称されるマンガやテレビアニメの分野があります。
巨人の星やドカベン、あしたのジョーなど名作も多数。
多くの少年がハマったスポコンものは、その設定のすっ飛び方があってこそなんですけどね、私は「明らかにフィクション」のこれらの作品が本当にあったことのように錯覚していたことがあります。
いや、もちろん大リーグボールや、ダブルクロスカウンターで破壊力4倍とかを信じていたわけではないですよ。
一流の選手は自分を限界まで追い込むものなのだと理解していたんです。

巨人の星で描かれたように、行き帰りのバス移動中はつま先立ちで筋力アップとか、力石徹がジョーと対戦するために食事も水も取らない究極の減量に立ち向かうとか…。
ひとつのことを成し遂げるために全てを捨てるみたいな、それこそ「本気か?」と思う究極の努力は出来るものなんだと思っていたのです。

例えばですよ、小学生時代にハマったプラモデル作成…。
とにかく全てをプラモデルに捧げたいんです。
お金も時間も…全てです。

ジョーや力石が全てをボクシングに捧げたように、星飛雄馬が全てを野球に捧げたように、私は全てをプラモデル制作に捧げる…みたいな勢いですよ。
少ない月の小遣いをプラモデル作りに全部使えば、ゲームセンターに行く余裕なんてないわけです。

思い込んだら試練の道を
行くが男のど根性

今になって思えば、これは典型的なASDの過集中だったって思います。
「プラモデル作成こそが自分の選んだ道であり、そこに命を掛けるのだ!」…みたいな。
野球なら野球、ゲームならゲーム、それぞれみんな得意に向かって日々努力しているんだと思い込んでいました。
それを肯定し自信を持たせたのがスポコンマンガであり、アニメだったというワケです。

…だから、あだち充さんのマンガは衝撃的でした。
ナインとかタッチとか…スポコン臭のしない野球漫画、何だこれは!
全てを捧げるわけでもない恋もする普通の日常って…。

旧ブログ アーカイブ 2018/11/22

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