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Episode 45 左利きがツラいのです。

私は左利きです。
このことは良いも悪いも自分自身の性格に大きな影響を及ぼしています。
悪いことは先にお話ししたハサミの件とかですかね。

良いことは文字を早く覚えられたことでしょうかね。
ちょうどひらがなを覚え始める幼稚園児のころに「鉛筆は右手に持つもの」と教えられたのです。
私には3つ上の姉がいて、姉のように文字が書きたかったんだと思います。
姉と一緒に書道教室に行くことをせがんだ私は、右手で書くという約束と引き換えに書道教室に行くことを許されます。
但し、ひらがなを覚えることと文章が読めることは全く別の問題で、この後に「逐次読み」の難関が待ち構えているんですけどね。

いずれにしても、幼稚園の年少組のころ(5歳児クラス)にはひらがなは全て書けるようになっていたはずです。
お受験なんて…あったかもしれませんが、少なくても身の回りにはなかった時代、小学1年生の最初はひらがなを読む練習だったと記憶していますから、文字を覚えるのが遅かったということはないと思います。
当然、両親も文字を覚えることを喜んでくれました。

その一方で私は、このころから左利きの劣等感を感じはじめたのだと思います。
鉛筆を右手に持たせることに成功した両親は「箸も右手に」を狙います。
同じように握るのだから、難しいことではないだろうと思ったんだと思いますが、文字を書くことと箸を使うことは決定的に違うのです。
左手でも箸を使うのが怪しい年ごろ、利き手ではない右手でなんて、無理。
後から聞いた話では、右手で箸を使うことを強要された私は、食事自体をボイコットする手段に出たようです…覚えてないんですけどね。

なるべく人前で左手を使うことを避けていたように思います。
文字を書くように右手で出来ることは「良いこと」として褒められる一方、左手で上手く使えないハサミは大嫌い。
発達障害の枠に関係ない利き手絡みの凸凹が劣等感を増幅させていたのでしょう、後ろを向いて泣きながらコソコソとハサミを使い、どうしたら褒めてもらえるか考えたんだと思います。

文字だけに右手が使えちゃった分だけ、左利きの劣等感が増す…って感じでしょうか。
左利きでもキチンとできるって、どこかで思ったのはこのころでしょうかね。
劣等感がある分だけ「〇」に餓えていたんだと思います。
この辺りに完璧主義に向かう芽があったんだと思うんです。

旧ブログ アーカイブ 2018/10/29

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