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親近感を感じます。

『葬送のフリーレン』が人気です。
山田鐘人(原作)、アベツカサ(作画)による日本の漫画で、2020年に『週刊少年サンデー』で連載されると、2021年にはマンガ大賞を受賞、2023年からTVアニメで放送開始…などと、私からのウンチクは一切必要ないメジャー作品です。

そうは言いながらも、それほどメジャーな作品でありながら、私はアニメ化されるまでこと作品に触れることはなかったのです。
この作品に触れるキッカケになったのは、「長男のオススメ」があったから。
長男は、私ならきっとこの作品は好きだろう…と、おススメしてくれたのです。

案の定、動画配信サービス(動画サブスク)を介してアニメ版の『葬送のフリーレン』を見始めた私は、直ぐにこの作品にハマります。
それは何というか、作品の世界観がとか、ストーリーが…と言うのではなく、主人公「フリーレン」への親近感が大きかったように思うのです。
もちろん、ストーリーも世界観も、絶大な評価を得ているからこそのキャラでもあるのは分かっているのですが…。

そして私は、ちょっとした「フリーレン考」をしてみたくなるのです。
ここから不定期で、単行本マンガの『葬送のフリーレン」をベースに、私の思考を巡らせてみる記事を書いてみよう…と。
今回はその第1回目…ということです。

今回の「テキスト」は、単行本の第1巻…魔王を倒した「勇者パーティ」が凱旋して数十年、その内の人間である勇者ヒンメルと僧侶ハイターがこの世を去り、促されるようにハイターに育てられた少女フェルンと共に「勇者パーティ」の足跡を辿るように魔王城のある大陸北部の「エンデ」を目的地に据えるところまでです。

主人公である魔法使い「フリーレン」はエルフで、その寿命はほぼ無限に近い…と言う点は、単行本第1巻の背表紙にも記載されていています。

エルフ(英: elf、複数形: elfs、elves)は、ゲルマン神話に起源を持つ、北ヨーロッパの民間伝承に登場する種族である。
(中略)エルフはしばしば、とても美しく若々しい外見を持ち、森や泉、井戸や地下などに住むとされる。
また彼らは不死あるいは長命であり、魔法の力を持っている。

wikipedia 「エルフ」より

それ故に、フリーレンの時間感覚は人間のそれとは全く違うもの…という点がフリーレンの性格を作る大きな要素になっているのだと思います。
人間とは時間感覚が違うが故に、「知る」と言うことに対しての優先度が自己優先的になりがち…何しろ時間は無限にあるものですから、「何が優先か」もまた人間とは異なるのでしょう。
結果として、ヒンメルの死に至って…

「…人間の寿命は短いって分かっていたのに…なんでもっと知ろうと思わなかったんだろう…」

…と、後悔を口にするワケです。

おやおや、何処かで見覚えのある場面です。
私もそれと似たような「後悔」を経験したような気がするのですよ。

私は Autistic でエルフではありません…が、その「他者のかかわりの優先度の低さ」という点で、フリーレンと同じような「この人のことを何も知らない」を突きつけられ、ようやく人との関係性を考え始めるに至った…と感じでいるので。

単行本の第1巻は、旅の終わりから始まり、新たな旅の始まり迄にあった、「フリーレンの気付きの章」なのでしょう。
ファンタジーである物語で描かれる「その気付き」には、どこか「マイノリティの自覚」という、この世の中の出来事の匂いがするのです。

Autistic な私が抱く「フリーレンへの親近感」は、そのあたりから感じるものなのかも知れません。

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