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Episode 346 コンプレックスがあるのです。

私の覚えている姉の姿は、既に小学生になってから後だけです。
私の記憶の一番古いあたりが4歳児くらい…姉は3つ年上ですから、7歳ということです。
赤いランドセルを背負って学校に行く姉が、すごく大きく見えたのは本当の話です。

幼稚園に上がる前の幼児からみた小学生は、ものすごく「大人」で、本も読めるし字も書けるし。
何をやっても姉には敵わない…それはそれは憧れの存在。

この年ごろの子の「学年」って単純な発達段階だけで考えても、それはそれは大きな「差」であって、余程の能力がない限り上の学年の子を超えることは不可能なのは普通のこと。
それが3つも離れていれば、届かないのは当たり前なのです。

何でも地道にコツコツとやるタイプの姉の性格は、親を安心させる感じだったのでしょうね。
放課後に遊びに行っても門限は必ず守り、宿題をやって本を読み、好き嫌いせずに何でも食べる姉は模範的な子どもだったように思います。
当然のように、姉が親に怒られているところは見たことがありませんでした。

今思えば…姉はおとなしい普通の女の子だったのだと思います。
どちらかと言うと外でカラダを動かすことより室内での遊びを好む感じというのは、当時の男女の遊び方の差では普通のことで、男の子は外でボール遊びをしていて、女の子は室内でお手玉や人形遊びというのが標準的だった気がします。
もちろんそれが全てではなくて、外でゴム跳びとかブランコや鉄棒なんかもしていたのですが、いつも暗くなるまで外で遊ぶ男の子たちとは違う遊び方をしていたように思います。

私は外に連れて行ってもらったことが殆どなくて、それ故に同じ年代の子と遊ぶことは殆どありませんでした。
あれほど同じ年代の子がたくさん住んでいた団地での話です。

私の知っている子どもは、姉だけ。
しかもどれだけ私が頑張っても、絶対に敵わない相手。

私は「シスコン」です。
姉に対しての異常な劣等感と畏敬の念を持っています。
これが自分の人生に大きな影を落としていることは、間違いないのです。

旧ブログ アーカイブ 2019/8/26

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