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Episode 751 「落ちた」に気付くは大事です。

今年の1月から、私は新たな会社に勤めることになった…ということは、年初にもチラッと話したのですが、あまり気に留めている方はいないでしょうね。
note記事の話題にはあまり関係ありませんし、そもそもにおいて「転職」ではなくて「転籍」なワケでして。

「新たな会社」…と言っても、以前から出向社員として「その会社」で仕事をしていたのですよね。
つまり、長く出向社員をしているのは良くないから、円満に出向元の会社を離れ、出向先の会社の社員になった…というハナシでして、そもそもにおいて出向元も出向先も同じ企業グループ内の会社なワケで、先日も元会社のISO内部監査に出向いたりしているくらいですから、変わったのは「給与支払者」の変更くらいなのですけど。

そんな現勤務先である会社の社屋に経年劣化が目立つようになり、補修を兼ねたリニューアル工事が始まったのは一昨年の秋からのこと。
第一期の、更衣室や休憩スペースが中心の管理棟2Fリニューアルが昨年の春に終わり、それから一年経った今年の春から、管理棟1Fという会社玄関周りと事務所のリニューアルを含むメイン工事である第二期が始まったのです。

今回のリニューアル工事は第一期とは異なり、普段から多くの人が事務作業をする場所の工事になる都合、どうしても工事期間の事務所の移転が必要になるワケで、昨年工事が終わった2Fの休憩スペースに事務所を仮設して数ヶ月やり過ごすことになっていたのですよ。

私がいま勤める会社は、業種と言うカテゴリで言えば「運輸・倉庫業」に括られます。
会社の成り立ちとしては、食品製造業である親会社の「原料受入れ」と「製品保管/出荷」部門を切り離して別会社として立ち上げたことがスタートです。
ザックリ言えば、企業規模が大きくなるほどに人手がかかり、各工程の分業が進むのは当然のことで、食品製造に集中したい会社としては、食品製造には欠かせないけれど、製造と直接関係しない部門を専業にする会社を作り、その部門を「プロ集団」に任せたワケですね。

みなさんもご存知の通り、日本の食品事情は輸入に頼っている部分が大きく、私が元いた会社も状況は同じでした。
海外から原料になる食材を買い付け、それを加工して売るワケなのですが、原材料の買い付けをすれば直ぐにモノが入って来るほど輸入は簡単ではないワケで、輸出元の国の港で「リーファー・コンテナ」と呼ばれる冷凍機を備えた船舶コンテナでコンテナ船に積み付けられ、ひと月からふた月掛けて日本の港に到着するのです。
そしてその船便の到着は、普通に一週間程度の誤差が発生するのですよ…海が時化れば港に錨を降ろして待機とかあるワケですから、倉庫業は商品製造工程のジャストインタイムを実現するための緩衝材の役割を担うことになるワケね。

ハナシが逸れてしまいました。
それで、リニューアル工事の方ですが…。

事務所が仮設であり、1Fは工事中の状態で、事務方と現場での入出庫処理の中継が上手くいきません。
原因は単純で、リニューアル工事により移動した事務所と現場を繋ぐ動線から外れた場所に伝票中継場所を設けたためです。
要するに、ワザワザ見に行かないと処理しなければならない伝票の有無が分からない状態…ということです。
作業は上手く噛み合わず、ジリジリと遅れが発生し始めたことに焦りを覚えた私は、伝票中継場所の変更を提案するのですが…。

私は…
「HOTASさんの言う意味はわかるけど、『今の場所は間違えている、変えなければならない』という意見の正しさばかりを強調されてもね…他の人の意見はどうなのか?」
…と、指摘されるのです。

そうなんですよね、そこなんですよね…。

「合意」はね、単純で簡単な作業であるほどに、非効率で首を傾げる作業であるほどに、念入りに確認しなければならないのだと思います。

note記事「『合意』はとても大切です。」より

このハナシは、前回のnote記事で書いた話題と対になるものです。
前回のnote記事で私は「明らかなものほど確認と合意が大事」と説いておきながら、その確認と合意を飛ばして、正しさを押してしまったワケです。
そしてその(Autism 的な…という部分はクローズ就労なので、指摘して下さった方には見えていないのですが)正しさを前面に押し出した自己中心的な意見を指摘され、わかっていても尚、何かの拍子にやってしまう自分にガッカリするのです。

単純で簡単なものほど、効率化への道筋は描きやすく、ここに Autistic なエゴ視点が「相乗効果」を加えると、意図しない「正義の暴走」が起こる可能性があるワケです。

私は今回の出来事で、注意してもハマりやすい「落とし穴」の存在を改めて感じたのです。
ただ、注意してもハマる「落とし穴」なのですから、落ちない努力だけではなく、落ちた時に気がつくこと、直ぐに脱出することも覚えないと…などと思ったのです。

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