見出し画像

記念の第60回イベントレポート『舞うように動く』

今回は参加者の方が、とっても素敵なレポートを書いて下さいましたので、全文ノーカットで載せさせていただきます。まるで、森の一日を疑似体験してるかのような、臨場感に溢れたイベントの様子を是非、お楽しみ下さい。

レポート (著:きょうちゃん)

2023年3月17日。曇天。

今週14日火曜日には東京の桜の開花宣言も出され、続く一昨日、昨日と、20℃を超える暖かい日が続いていた。夕方からの雨予報はちゃんとチエックしたつもりだったが、日中の気温まで気が回らなかった。私ったら、防寒対策に抜かりがあった。日中になっても日差しがなく、朝方よりなんだか冷え込んできた。加えて、花粉症のピークだったのか、乾燥している空気にさらされ、身体の水分まで奪い取られるような感覚になり、くしゃみばかりしていた。杉、ヒノキの真下にいるのだから、仕方がないことなのかもしれない。

さて、今日は新人の方がいない6名。するととたんに「精鋭メンバー」としてとらえられ、最も厳しいミッションを科せられる。この2,3回続けている、斜面のトラバースの小道作りだ。
主催者しげちゃんは「前回のレポートでお知らせしたように・・・」と繰り返すが、≪前回3月4日のレポートが上がったのって昨日の夜じゃん≫と心の中で突っ込みながら、まだ未開の斜面を目指す。
沢から右手の斜面には、上流に上がっていける道が繋がっていた。この2,3回で作ったとは思えないほど、長く続いているし、すでに山の斜面に馴染んでいる。
行き着いた場所が今日の小道となるところだった。
男性3人は古い倒木を小道に渡すべく、引っ張り上げ横に渡すよう頑張っているが、しげちゃんから「待った」がかかった。「このまま倒木を引っ張ると、キジョランをダメにしちゃう!」と。「ラン?」と聞いて色めき立ったが、そこにはつる性の緑の葉っぱがあるだけで、貴重な植物とは思えない。が、キジョランとはアサギマダラ(蝶)の食草で、高尾の花と呼ばれ、この草をめがけてアサギマダラは飛んでくるんだそう。だから、後にこの辺りを「アサギマダラの隠れ家」と命名。イヤ「アサギマダラの里」だったか。
倒木は長く重かったから、キジョランを傷つけないように切って横に渡した。それを足場に、小枝を入れ崩れないようにして、山側を切り溝に炭を入れ、落ち葉を敷き詰める。するとどうだろう。今までは滑り落ちても不思議ではない斜面に、横断する小道ができた。
午後の作業も終わりに近づいた頃、周りを探索に行ったYUKI君が朗報を持って来てくれた。キジョランが群生するこの辺は、もう少し先に以前作った階段があり、更に上の方に行くと、広場になっている。まだまだトラバース小道作りは続くと思っていたが、意外と早く終着点が見えていたのだ。

以前友人にこの森での活動を話したら、「えっ? 人の手で山の荒廃をどうにかできるの?」と聞かれたことがあった。私はムキになって、「出来るよ! 小さなスコップで土をほじくるだけで、水が沁みこみ、菌糸が広がって、栄養豊かな山に変わっていくんだよ」と言った覚えがある。
しかし、今日は寒さも相まって、作業中はともかく、現場への行き帰りは急いで歩いてしまった。「行き帰りの山道こそ、浅い足場をスコップで深く掘ったり、土がむき出しになっているところに枯葉を寄せてあげることで、良い土壌が出来るんだよ」とのしげちゃんの言葉が沁みる。「ああ、まだまだだな」と思う反面、「だから、またここに来よう」と強く思う。
高尾の桜はまだ蕾が硬かったから、次回の来訪を心待ちにしてくれているのだろう。
「お楽しみ様。また森で会いましょう!」

きょうちゃん、今回もステキなレポートをありがとうございました。

※編集部注
きょうちゃんがレポートを書いてくれたのは今回で3回目です。以前のレポートはコチラです↓
第56回イベントレポート
『土中環境改善のための炭造り特別講座』

第19回イベントレポート
『草刈り・しがらみ造作』

写真で振り返る1日

参加者の皆様からいただいた写真を含めて1日を振り返ります。
ご提供ありがとうございます。

朝の高尾駅北口のロータリー脇
満開のコブシが待っていてくれた
2週間前は蕾みが膨らみ始めたばかりだったが、、
三面護岸された真下の〝春の小川〟。
乾き切り、サラサラ流れゆく花弁の美しさは見られず。
岸にはスミレやレンゲの花もない。
朝のチェックインの様子
今日の作業場所、ビフォー。
奥の方ではもう既にYUKIくんがハンターの視線で最前のルートを探索してくれている
周辺の斜面の様子。
落ち葉は多いがパリパリで腐葉土の層は無く崩れ易い
足場を作りながら少しずつ進む
行く手を阻む大きな倒木にチェーンソーで挑む
倒木の根元に絡まるツタ、、、キジョランか?
やはりキジョラン、アサギマダラの食草。切るのは、、
ダメ。ゼッタイ。
なので、優しく救出する女子レンジャー♡
スリングを駆使して引き上げる
急斜面でもバランスが安定した体勢は、美しい(写真右)
渾身の力で押し上げる
足場を作り固めながら引き上げる
足場を作ろうとしたら顔を出した生きものをレスキュー
カエルさんの救出待ち
再び、引く
さらに、押し上げる
ビフォー
倒木の曲がりが、地形に合わせてピタリと収まった!
かなりの重労働の後で、ご飯が一際おいしく感じる
会員の静岡県での活動を聞く。
ランチタイムは情報交換の貴重なひと時でもある♫

一日のふりかえり

作業を終えて一日を振り返り、今日の感想を分かち合いました。

参加された方々の声

♡ あらちゃん
「雨が心配でしたが、思いきって参加して良かったです。今日も前回同様、急斜面での作業でした。「剣スコップの小型の方は、いつも持ってると、すぐに持ってた方が楽に感じるようになりますよ」と教わっていたので、今日はそれを実行、実感しました。杖がわりにも、足がかり作りにも重宝しました。今回を振り返ってのアドバイスは、空いている手で落ち葉を地面に広げながら歩くようにとのこと。次回、頑張ります!、有難うございました。」

♡ きょうちゃん
「最近の日常が、濃厚といえば聞こえがいいが、忙しく騒がしく、日常に疲弊していたので、今日は1日、森に癒やされ、心身の浄化をしてもらいました。 クシャミと鼻水を出し切り、デトックスにもなりました。 いつも本当にありがとうございます!!」

♡ こんちゃん
「本日はフルに参加できました。 急斜面の中を通れる場所を探しつつ進んでいくと、大規模な獣道。 鹿とは違った足跡。 イノシシが作った道でした。 その後3人で上流部へ探索に行くと、あるはあるはの痕跡が。 最上流部に着くと聞こえてきたイノシシの声。 危機感を感じると共に、今晩はトントロだなと心に誓いました。 」

♡ YUKIくん
「今日は超デカい木を3人がかりで動かした。大きな木を動かすと、作業するための足場をあちこち切ったりするんで、必然的に周辺も広い範囲で整うから良いなと思った」

♡ みどりん
「森で過ごす1日が、なんとも、心地よくて、美味しい空気もそうだし、普段使わない身体の使い方をして、マッサージや施術を受けるのとは、また違う形で身体が調整されるのが、なんとも、気持ちよいので、なるべく予定を合わせて参加している、このホタルの会なのですが、今日も、じつは、新しい身体の使い方を試していて、すごく手応えを感じられて、とても良い時間でした。

自分の身体も整い、森も元気になる!

そういう身体の使い方をこれからもいろいろと探究していきたいと思います!」

主催者ふりかえり

「第60回という節目に、ことし還暦を迎えた自分の年齢がリンクして、特に感慨深い、記念すべきイベントとなった。
ここ数回連続してトラバースの小道づくりを進めて来たが、ようやく目標のゴール(去年つくったトラバースの小道と繋げる)が見えて来た。斜面での、特に足場がボロボロと崩れやすい場所での造作は困難を極める感じではあるのだが、普段、都会のコンクリートの、水平器を当てて作られたような舗装や階段の上ばかりを歩いていては感じることが出来ない自分の身体、生の肉体というものを不自然なほど強く感じることが出来て楽しくさえなってくる。自身の身体の両手両足をフルに使ってバランスを取って、体勢を支えながら行う一つひとつの動きも、慣れて来ると、まるで踊っているような感覚になって来る。そんな時、自分が生きものであること、そして自然の一部に過ぎないことを実感する。
〝森を元気にするってことは、自分自身を元気にするってことなんですね〟と、以前に話してくれた参加者の方の言葉を思い出した。
急斜面だからこそ、より一層、山と一体になれるような、そんな気がしました。次回もゴールイン目指して続きをやるのが楽しみです」

この季節、来るたびに変わる春の花がいっぱい。
写真をクリックすると曲が流れます♪

参加していただいた皆さま、本当に一日お楽しみ様でした。
ホタルさん、そして活動に興味を持たれた方は、是非一度、森に来てくださいネ!!

今後の活動予定

今年の年間活動期間は2022年7月から2023年6月末です。年度内で最初に参加する際に、年会費(または単日参加日)をお納め下さいますよう、お願い致します。

◎4月以降の予定は決まり次第お伝えします。
ご希望する日時・曜日等ございましたら、どうぞ気軽にご連絡ください。
一人でも多くの方のご参加を心よりお待ちしております。

協力感謝

『枯れ沢復活&ホタルを飛ばす会』は、任意団体です。

公益社団法人 国土緑化推進機構様による緑の募金事業の支援を受けています。

一般財団法人セブンーイレブン記念財団様の〝環境市民活動助成〟を受けています。

支援ありがとうございます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?