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第19回イベントレポート『草刈り・しがらみ造作』

 7月5日(月)、ホタルの会の新年度最初の活動イベントを開催致しました。
 新入会員お二人をお迎えして、総勢5人で沢の手入れを進めました。

 今回は、恩方の森に来るのも初めてという参加者の方が、とっても嬉しいレポートを書いて下さったので、全文ノーカットで載せさせていただきます。
 まるで、初参加を疑似体験してるかのような、臨場感に溢れた当日の様子を是非お楽しみ下さい。

 ※言葉の世界を尊重して、敢えて写真は最後にまとめて載せてみました。

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2021年7月5日。

早朝はひどい雨だった。高尾に着く9時半くらいにはやんでいるという予報だけれど。

山歩きなど慣れていないし、行楽ではなくて「山の再生のお手伝い」に行くのに、こんな浮かれた心持でいいのかと思うほど、私ったら、天気も自分の体力も何もかも心配していなくて。雨がひどくなって、行くだけ行っても何もできなくても、森の中で深呼吸できればそれだけで儲けものだよね、などと思っていた。だって、生まれて初めて「山仕事」に挑むのだもの。そんなに役に立てないだろうし、気負いすぎず、お気楽な感じで行かなくちゃ、と、自分自身に言い聞かせていたのだ。

雨は、家を出る頃にはやんでいて、素人目には1日持ちそうな感じだった。
でも、山の入り口でレクチャーを受けている時、やっぱり山の天気は都会のそれとは違うらしい、と思い直した。
まずは、キャンプファイヤーが出来て、大きなテーブルがある休憩所のところの草刈り。思わずしゃがみ込んで、根こそぎ抜こうとしたのだけど、膝丈ぐらいのところで鎌を振ればいいのだそう。頭だけ切り落とせば、雑草たちは、伸びちゃいけないんだな、と気が付いてくれるから。
その後、今日作業するところまで山道を上がっていく。

「枯れ沢を復活させる」というこのプロジェクト。実は私ここへ着いて知ったのだけど、このところずっと雨だったから、普段は枯れ沢なところに水が流れていて、初めて見る私には、枯れてないじゃん、と突っ込みを入れたくなるところだった。でも、水の流れには生物が住んでる気配はなく、単なる水の流れ。おそらく梅雨が明ければ、また枯れてしまうらしい。それに、豊かな山林になるためには、流れてしまうのではなく、水には地中深くしみ込んで欲しい。まだ沢だったところを流れているから良いけど、流れる沢がなかったり、しみ込む土壌がなければ、大雨が降れば土石流のように流れてしまう。

だから、手を入れてあげるのだ。

山肌に足場を作って、一つ一つに炭を置き、枯れ枝や葉っぱを入れる。そしてしがらみを作る。つまり、水が表面を流れてしまう山肌に、土留めをして、炭をたっぷり入れて、さらに腐葉土になる枝葉を充分に置き固める。その場所が呼吸を始め、まわりの木々は根っこを伸ばし、菌糸のネットワークがつながり、水が少しずつしみ込む土壌が出来ていく。

そこへ行くまでの足場としがらみ1か所がその日の作業だったけど、その辺一帯の山肌に水がしみ込む土壌ができた。そうしないと土石が滑落しそうな山肌だったから、大きな仕事をし終えた達成感があった。

休憩所に戻りお抹茶を頂く。手にお灸もしてもらう。森林浴と共にすごいリラクゼーション。
途中小雨は降るし、沢には水が流れ、道はぬかるんで、山仕事をするにはかなりハードなコンディションだったことを、後から知る。足の裏に力が入り、普段使っていない筋肉を使った感覚があるので、明日の筋肉痛は必至かな、などと思うけど、それも心地よい疲労感。楽しかったの方が勝っていた。初めて会う方々ばかりなのに、旧知の友人のように思えたのも、森のなさるわざのような気がする。何もかも初めての私に、山はどこまでも温かかった。そんな山に、感謝の言葉しか浮かばない。本当にどうもありがとう。
また来ます! そう言って、私は山を後にした。

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○ 当日の写真 ○

朝の集合風景。
雨は止んだものの、雲に切れ間はない、梅雨らしい空。

紫陽花、真っ盛り。

すぐ脇の草むらの中、ひっそりと小さなツボミ。
次に来る時は咲いてるかな、、、?

テーブル周りの草刈りの様子。

沢の水流。
前回、大きな石を退けたおかげか、勢いよく流れてる。

イワナやヤマメが潜んでいそう。
だけど、生きものの姿はない、、、。

本日のお手入れ予定の場所。
上の方がわしゃわしゃしてる。

見た目よりずっと急な斜面。
段切り、炭入れ、枝葉詰め、、、、女子力キャピキャピ♡

一段上がって、また一段上の今日の造作箇所。
斜面を良〜〜く観てると、雨の時に地面に染み込まずに表面を水が流れる様子が見えてくる。
しがらみをつくる場所も全員同じ意見で決定。

と、ここまで来た所でランチタイム♪

朝イチ自分たちでスッキリ草を刈った場所だから、居心地の良さも格別!

ふたたび沢を登る。

午後からしがらみづくりスタート。

段切り。

炭入れ。

周囲の倒木や枝を手分けして片付けながら持ち寄ってしがらみづくり。

今日のアフター。

更に上の方は次回に。

森ウーマンズ四人衆、揃い踏みの記念写真。

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今日の一日を振り返り、お抹茶とお灸に癒されながら、感想を分かち合いました。

一年振りにカムバックしたあっちゃんの野点ならぬ〝森点〟。

コロナに配慮して人数分の茶碗を持って来てくれました。

〝森の鍼灸師〟みどりんに、お灸を据えていただきました。

今、ホタルの会には、鍼灸師の方々が何故か続々と集まって来ております。
森の見えない土の中と、人間の身体には、驚く程の共通点があるのだそうです。
そのことについては、いつか詳しくレポートしてみたいと思ってます。

今日の最後に、樹々の隙間から、陽が射して来ました!


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**◎ 参加された方々の声 **

♡ Y.Aさん(女性)

「雨の中の活動は初めてで、どうなるのかな?と心配でしたが雨ならではの森の姿が見られて面白かったです。

前回はほとんど水がなかった沢に、小さな滝ができていたり音をたてて水が流れていたのには驚きました。

滑りやすいため歩くのも作業するのも前回より気を使いましたが、体の疲れよりも雨に濡れた木々の感触や苔の色の鮮やかさが印象に残っています。

作業の合間にお灸でリラックスしたり、焚き火で沸かしたお湯でお薄を頂いたりと、ご一緒した皆さんと森のエナジーをたっぷりいただくことができて大満足の一日でした。

森が本来の在り方を取り戻すお手伝いをすることで、自分も元気になれる気がします」

◎ A.Hさん(女性)

「1年ぶりのホタルの会。
雨の森でしたが、とっても気持ち良かったです。
久しぶりで緊張がありましたが、森に着くと安心して、気持ちがほぐれて、
初めての方ともすぐに打ち解けて楽しい時間になりました。森におかえりーまってたよーって言ってもらっている感じがしました。
初めてのお灸もとってもリラックスしました。ありがとうございました」

◎ K.Nさん(女性)

「初めてきたけど、初めての気がしなかったです。

森とか山とか、全然行かないのでよく知らないのですが、森が歓迎してくれてるような気がして、楽しかったです」


◎ M.Hさん(女性)

「今日の森は、雨が降ったり晴れ間がのぞいたりのお天気。雨の森も、とっても気持ち良いんだよね。

そして、今日は森のお手入れのあと,お抹茶とお灸で、ほっこりタイム。

めっちゃ癒されました」

 参加していただいた皆さま、本当に一日お楽しみ様でした。

 ホタルさん、そして活動に興味を持たれた方、是非一度、森に来てくださいネ!!

◎ 7月~8月のイベントは7/18(日)、8/18(水)、8/29(日)の予定です。

 9月以降のイベントは日程が決まり次第、告知します。

 一人でも多くの方のご参加を心よりお待ちしております。

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 『枯れ沢復活&ホタルを飛ばす会』は、任意団体です。公益社団法人 国土緑化推進機構の支援を受け、緑の募金事業として活動して参ります。

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 さらに2021年4月からは、一般財団法人 セブンーイレブン記念財団様の〝2021年度環境市民活動助成〟の助成を受け、活動を推進していくことになりました。

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