魔女の友達

バルセロナ在住の川口ほたるです!

今日は私のバルセロナにおける交友関係について考察してみたいと思います。

こちらに住み始めたのは去年の2月終わりごろなので、ちょうどもうすぐ一年がたつところです。来てすぐにコロナのロックダウンで完全に自宅生活になってしまったので、パーティーなど社交の場もほぼなく、あまり自由に交友の幅を広げられていないもどかしさはぬぐえません。

現地出身の私のパートナーはとても顔が広く、はじめのころはどこに行くにも私を連れていって、たくさんの友達に紹介してくれました。彼はスケートボーダーなので、友人の9割がストリートなスケーター男子たち。(残りの一割は彼らの彼女。)中高を雙葉学園というぬくぬくの花園で過ごした私は平気を装いつつも(雙葉生お得意の必殺技『猫かぶり』)、こわもてなスケーターたちとやけに美人ばっかりな彼女たちが集まる中、なんだかいつもひとりエイリアンのような気持ちで過ごしていました。

そんな中、一番最初に私が一緒にいて心からリラックスできて、深いつながりを感じることができた相手は、スウェーデン出身のビルマちゃん。バルセロナには多くのスウェーデン人が陽気(太陽のと人々の、どちらも)を求めて移住してきています。ビルマちゃんは私のパートナーのいとことデートしていて、そのつながりで家族の集まりなんかで何度か顔を合わせていました。次第に二人で遊びに行くようになったりして、とてもスピリチュアルなことに詳しいことを知ります。サイケデリックドラッグが好きで、人間の心理の仕組みにとても興味があり、自分の心といつもちゃんと意思疎通をしている老成した20歳です。彼女は今はスウェーデンにいったん戻って、仕事の傍ら絵を描いたりクリスタルのアクセサリーを作ったりしていて、その妖艶な美貌と精神世界とのつながりの深さから、もしや魔女ではないかしらと思っています。

次に出会ったのはトルコ出身のカウタルちゃん。彼女は私のパートナーの親友とデートしていて知り合いました。(このパターン多い、、)歌の上手な太陽のような美人で、ビルマと同じぐらい若い20歳前後なのに、とてもとても神秘的な奥深い目をした女の子でした。一緒に絵を描いたり公園で歌を歌ったりして彼女がパリに移住するまでのほんの数か月を楽しく過ごしました。誰もを引き付けるとても引力の強い、まさに魔性の女といったかんじ。彼女とは生理の周期までリンクするぐらいエナジーが共鳴した感じを強く覚えています。

そして最近出会ったフロレンシア、アリシャ、ミカの三人は正真正銘の魔女!それぞれ、アルゼンチン、ロシア、スウェーデン出身で、三人そろってパワフル、美人、スピリチュアル、フェミニズムやビーガニズムに対する強い主張と実践を併せ持つ生けるパワースポットのような女性たち。ちゃんとがっつり話ができたのは、フロレンシアの誕生日会とその翌週のブランチのまだ二回だけなので、本当につい最近始まったばかりの交友関係ではありながら、ブランチでアリシャの家に集まった日にはとても強いコネクションを感じました。お香とろうそくの光の中で、メディテーションの儀式をしたりといよいよ魔女っぽさ全開の女子会。彼氏の話、ビーガンの話、避妊の話、ヨニボールの話、意識に語り掛けるスピリチュアルメソッドの話。おもにフォーカスは、私たちの中に眠るフェミニンパワーをどうポジティブに生活の中で発揮できるのか。どうやって私たちのもつ潜在パワーを保ち、世話し、育てるのか。

そう、私の素敵な友達は、みんな魔女なのです!パワフルで美しい現代の魔女たちは私にたくさんのインスピレーションと実践的学びを与えてくれます。

そして最後に、実はもう一人、大魔女がなんと私と一緒に暮らしています。彼女の名前はロレ、私のパートナーのお母さんです。美人で強くて暖かい、大賢者です。あまりに強力なパワーの持ち主なので、私もパートナーも洗脳を食らうことがしばしばあり、自分の気を強く持つことを学んでいます。浮世の甘いも酸いもすべて味わい尽くした彼女は、今は週五日5時間ほどの勤務と、友達とのお茶、後の時間はネットフリックス制覇をもくろみながらただただ平和に生きることだけを願っているそうですが、彼女の強く輝く瞳はまだまだそんなところではおさまらない強いエネルギーを燦燦とたたえていて、訪問してくる友達はだれしも、「クリス(パートナー)のお母さんはとても賢くて美人だねえ!」と口をそろえて感嘆しています。パートナーがドイツに里帰り中(彼はドイツとスペインのハーフ)、クリスマスをロレと二人で過ごしたのですが、その時に秘密のタロットカードを見せてくれ、私の過去現在未来を占ってくれました。それが恐ろしいほど示唆的、、、なんちゃるこっちゃ!

というわけで、どういうわけか魔女とつながりがちな私ですが、私自身は特別美人でもスピリチュアルに精通しているわけでもない、ただただ彼らのパワーに惹かれている一画家にすぎません。気はとてつもなく強いけれども、エレガントな魔女たちのようにふふんとしていられず、毎日自分の感情の浮き沈みの赴くまま波乗りジョニーな旅人のような人間です。だいたい自分がまさかバルセロナに一年もいることになるとは夢にも思わなかったというあてずっぽう具合。家系を振り返っても、源氏の血を受け継ぎ、西郷隆盛と島流し先で出会い意気投合した飲んだくれ学者の川口先生の血を受け継ぎ、スケベで博学なおじいちゃんと気の合う私が生まれたというどう考えても魔女には結びつかないマグルっぷり。しいていうなら、学者の血脈を次いで勉強熱心なのと己の欲望に忠実なあたり、魔女の資質はあるかも。

私は、大好きな魔女たちの美を記録する画家兼通りすがりの旅人という役がなかなか気に入ってはいるのですが、倫理や心理、哲学や性、死、そうしたトピックについて会話を深めたり実際にいろいろな儀式の実践を一緒に体験する中で、私の中にある女性パワーが確実に影響を受けて、強く、より輝いてきているのがわかります。私の体感に基づく仮説としては、女性はだれしも魔性(魔女パワー*強く、美しく、あらゆる事象に生を与えたり破壊したりすることのできる能力)を備えていて、魔女というのはそれが解放されて目覚めている人たちのことなのかなと。

なんだか不思議ちゃんのたわごとのように聞こえてしまうよ、という方はぜひ、バルセロナに遊びに来てください。誰もが呼吸するように音楽やアートをたしなむ魔法の街で、ひと際異彩を放つ女性たちを見かけるはずです。

それではまた!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?