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【2023年2月】今月の面白かったジャンプ+読み切り

はじめに

遅すぎる。普通に考えて遅すぎる。

前回の投稿から3ヵ月近く経っているのも流石にどうなんだということで、GW期間はできる限り毎日何かしらを投稿しようと思い立ち、ずっとやってなかった読み切りレビューをとりあえずやろうと思った次第です。個人の参考なのであくまで参考程度に読んで頂ければ幸いです。

1.送り雨:むぎすけ先生


「一文、ください」――。裕福な蔵元の放蕩息子・みのる。彼は遊郭で働くとき羽に惚れて、通い詰めていた。しかしある日、一文払えば渡し船に乗せてくれる不気味な女と出会い…。

あーそうそうそうこれこれこれ!!これ読みたかったんだよ!!!
「ハイスクールランウェイ(下記リンクより閲覧可能)」がTwitterで鬼バズりしたむぎすけ先生の新作。

「純愛かくあるべし」と言いたくなる読み切り。正直なところヒロインのとき羽に関する展開は結構早い段階で読めてしまうのだが、本作の肝はそこではない。物語のクライマックスで、みのる・とき羽のそれぞれの選択が美しいほど純粋な「相手への愛情」によるものだったからこそ、本作は最高の純愛物の読み切りとしておススメできる。

この爽やかな読後感は、2年前に掲載された「二番目の運命(下記リンクより閲覧可能)」に近いものを感じた。この作品も最高に純愛なのでぜひチェックしてみてほしい。「送り火」と共に、GWを明るい気持ちにしてくれる作品になるはずだ。



2.マカとルリ:丸梅千代子先生

霊に強いマカと、超霊媒体質のルリ。二人は仲良し。二人はいつも一緒にいる。そして二人には…秘密がある。日常と異常が交差する、新感覚で、ちょっと不思議な物語。二人がいれば、どんな日常も怖くない。

シナリオが秀逸な一本。短いページ数の中でシームレスに展開が切り替わるところが面白い。「霊媒体質の少女」というモチーフは結構見かけるが、その中でも見せ方が実にテクニカルだったと思う。サクッと読めて驚かされる良作。「このスタートでこの着地するの!?」と思わずにはいられない作品だ。


3.ユーアンロック:槻滋ヨウ先生

「お金が欲しい!とにかくお金が欲しい…!」 そんな物欲ゴリゴリの青年シャオはどんな鍵でも開けられる鍵師だった!しかしシャオが開けた金庫から出てきたのは…!?

鍵師のシャオがある日解錠した金庫をきっかけに大きな事件に巻き込まれていく中華風アクション作品。個人的に良かったのは主人公のシャオがこのまま連載にしても良さそうなくらいキャラが立っていたことである。守銭奴の天才鍵師と簡潔なキャラ付けながら、読み切りだけで十分にシャオのことが好きになれた。2月の読み切りの中で連載になるならどれがいい?と聞かれたら間違いなく本作を挙げるだろう。

4.BALACLOVER:ヤヅ先生

ハッピーは裏組織の下っ端。ある日、権力者のお嬢様誘拐に加担したら…お嬢様に追われる羽目に!?勝手にサッドって呼んで構ってたけど…ヤバい、もしかしてこのままじゃサッドに殺されちゃう!!アンダーグラウンドで巻き起こるダークラブアクション!!!

最早説明不要というべきか、ジャンプ+読み切り界のエース(そんな称号はない)であるヤヅ先生の新作。顔のいいアウトローがひたすらカッコイイ漫画。作中の「俺は殺られんならッ……美女がいい‼」がこの漫画のすべてをこれ以上なく端的に表してる。俺も殺されるなら美女がいい。
ヤヅ先生の連載、待ってます。


5.羊5050匹(仮)のかえし方:緑黄シヅク先生

羊を数えながら眠りにつき、朝起きたら外には羊が大量発生していて…!?

↑この説明文短すぎるだろと思わずにはいられないけど本当にこうだからしょうがない。という今月のアイディア賞的作品。
町中に溢れてしまった羊をかえす(漢字はぜひ読み切りで)ために主人公・芽里乃と友人・淡志が奔走する作品。会話や展開のテンポ感が独特でクセになった。正直好き嫌いは分かれるかもしれないが、ゆるーっと読める読み切りだと思う。

6.あの部屋の幽霊さんへ:三崎しずか先生

長き時間、同じ部屋に居続ける幽霊は、自身を見ることができる、ある少女に出会う。少女は様々な除霊方法を試し始めるのだが……!?

なんと本作、主人公の幽霊が一切動かないし、しゃべらない。幽霊は用いるのはあくまでモノローグだけで、あとは住民の少女を媒介して物語を進行していく。もちろん動かないというのは場所に限らず、本編で一切表情も動くことがない。それでもなぜか幽霊の心情がわかるような気がしてしまうのは、構成力のなせる技だろう。


おわりに

3月・4月の読み切りもなるべく早く載せたい。


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