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【都立中高一貫校】適性検査Ⅰ 傾向と対策

都立中高一貫校入試、通称”適性検査”においては、私立中入試とは一味違う問題が出題されます。
今回は、都立中の適性検査の中でも、文系的な内容が出題される「適性検査Ⅰ」にの傾向と対策ついて、解説をしていきます。

基本情報

▪各校の「適性検査Ⅰ」問題形式について
近年の都立中の「適性検査Ⅰ」においては、”共通問題”を採用する学校の多さが目立っています。
以下の表は、2020年度入試において、各校が採用した問題形式になります。

スクリーンショット (5)

▪試験時間について
全ての学校において、45分です。

▪「適性検査Ⅰ」に割り振られる得点について
基本的に、全体の20~30%の得点が、「適性検査Ⅰ」に割り振られています。
そのため、合格に向けて「適性検査Ⅰ」で高得点を取ることは、非常に大切です。
(一般的に、合格には「適性検査Ⅰ」で少なくとも6割以上の得点が不可欠だと言われています。)


問題傾向について

前提
・独自問題と共通問題では、もちろん別の問題が出題されます。
・ただ、基本的な問題構成は、すべての学校で共通しています。
・そのため、以下の内容は全ての都立中の「適性検査Ⅰ」に通じています。

基本情報
・2つの文章が与えられます。
・文章を読解したうえで、3~4つの問題に答えていきます。
・3題のうち、1つは400字程度の作文です。

Point①:2つの文章を横断する読解問題
都立中の「適性検査Ⅰ」では、文章1と文章2の両方の内容をきちんと読み取り、絡めて解答を行うという、文章横断型の読解問題が出題されます。
2つの文章の情報を、いかに結びつけながら読解していけるかが、攻略に向けた大きな鍵になります。

Point②:条件が与えられた400字程度の作文
都立中の「適性検査Ⅰ」では、段落構成や内容を指定された、400字程度の作文が出題されます。
求められる形式に合わせて、いかに自分の考えを文章にまとめていけるかが、高得点獲得に向けて重要になります。
※実際に、2021年入試の共通問題では以下のような作文が出題されました。

スクリーンショット (7)


問われる力

☑読解力
複数の文章を読み、問題に答えるという形式が採用されています。
そのため、私立など他の入試問題に比べても、きちんと文章を読み、重要な部分をつかむ力が求められます。

☑作文力
解答は記述形式であり400字作文も出題されるため、問題文を読んで考えたことを、きちんと文章として書く力が問われます。
どれだけ読解力が高かったとしても、読み取った内容を文章にまとめられなかったら、高得点は狙えません。

☑特殊な問題への対応力
”文章が2つ出題される”、”解答は記述形式で、400字作文もある”、という点で都立中の「適性検査Ⅰ」は、非常に特殊な形式の問題だと言えます。
読解力や作文力ももちろん大切ですが、特殊な問題にどれだけうまく対応し、”点の取れる解答”をしていけるかが、非常に重要になります。

効果的な対策

①要約
「要約」とは、その文章の重要な点を、簡潔にまとめることです。

「適性検査Ⅰ」の400字作文のように、課題分が与えられたうえで「あなたの意見を述べよ」と問われる場合、基本的にはただ自由に自分の意見を述べるだけでは高得点は狙えません。
大切なのは、課題文の内容を踏まえたうえで自分の意見を述べていくことです。解答の形としては、本文内容の要約+自分の意見といった形式が望ましいです。
そのため、要約練習は非常に有効です。
例えば、以下のようなトレーニングは、要約練習に効果的です。
・天声人語を100~200字程度で要約する
・国語で解いた長文を、200字程度で要約する

②過去問演習
先述の通り、都立中の「適性検査Ⅰ」では、特殊な形式の問題が出題されます。
特に、記述形式の解答では、慣れていないと”答えた内容の方向性はあってるけど、点が取れない”という現象が多発します。
そのため、過去問演習を通じて、「適性検査Ⅰ」の問題形式に慣れることは、攻略に向けて非常に効果的です。

基本的な問題形式は、どこの学校も共通しています。
だからこそ、志望校だけでなく受験予定のない学校の過去問も活用しながら、とにかく数をこなして問題形式に慣れていきましょう。
そうすることで、段々と”点の取れる解答”を作れるようになってきます。

③添削
最も大切なのが、この「添削」です。
①②ともに文章を書くトレーニングになっていますが、これらは書いた文章をほかの人に見てもらい、”足りない部分””伝わりづらい部分”を指摘してもらわないと、効果は半減してしまいます。

だからこそ、塾の先生や保護者の方に、書いた文章を「添削」してもらうことが非常に重要になります。
ただ、いきなり添削をしろと言われても、なかなか難しいと思います。
そこで、次章では添削のやり方について説明をしていきます。


添削のやり方

記述形式の解答においては、次の3点がみられています。
・出題テーマを理解できているか
・オリジナリティがあるか
・記述のルールを守れているか

もう少し嚙み砕いて言うならば、「聞かれていることに対して、自分の考えを、正しい日本語を用いて伝えられているか」ということが問われています。

そのため、添削をするうえでチェックすべき点も、大きく3つあります。

①聞かれていることにきちんと答えられているか
②きちんと自分の考えを述べているのか
③正しい日本語が使えているのか

ただ、これだけだとわかりづらいと思うので、より具体的に説明していきます。

まず、①についてです。聞かれていることにきちんと答えられているかは、最も重要なポイントになります。
例えば、「本文の内容を踏まえて、パン派かご飯派か、あなたの意見を述べなさい」という問題だとします。
ここで、「パンはおいしいです。」と書いても得点になりません。なぜなら聞かれていることは、「パン派かご飯派か」だからです。
また、「本文の内容を踏まえて」と書いている場合、本文の内容に全く触れずに解答しても減点されてしまいます。筆者が「私はパン派である」と主張しているのならば、「筆者はパン派であると言っています。私もパン派です。」といった形で、筆者の意見にも言及していく必要があります。
このような視点から、きちんと聞かれていることに答えられているかをチェックしていきましょう。

次に、②についてです。筆者の意見をそのまま言い換えているだけでなく、オリジナリティを持った意見を展開できているかをチェックしていきます。
例えば、筆者が「私はパン派である」と主張する課題文だとします。
ここで、「筆者はパン派であると言っています。確かにパンはおいしいです。」だけでは、何もオリジナリティはありません。
「筆者はパン派であると言っています。私もパン派ですが、その理由は筆者と少し異なります。私は、パンのどんな料理と一緒に食べてもおいしいところが好きです。」と書けていたら、オリジナリティがありますよね。
ただ筆者の意見を言い換えるだけでなく、自分ならではの考えを表現できているかを、チェックしていきましょう。

最後に、③についてです。こちらは、正しい日本語を使えているかを確認する作業です。
誤字脱字がないか、文構造はおかしくないか、作文のルールに則れているのか。こうした点を確認していきましょう。
実は、添削をする中で、こうした日本語のミスによるもったいない減点は案外多いです。添削を通じて指摘してあげ、直していくことが、得点力アップに必ずつながります。
※作文のルールについては、下記サイトをご参照ください。
https://jn1et.com/sakubun/

以上が、添削のやり方になります。
添削を通じて、お子さんの得点力が向上することを、強く願っています!

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最後に

以上が、都立中「適性検査Ⅰ」の傾向と対策になります。
少しでも皆様のお力になれたのならば幸いです。

とはいえ、
「言ってることは何となくわかるけど...」
「うちの子の状況でもこのやり方でいいのかな...?」

と思う方もいるのではないでしょうか。

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