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宿泊事業に関するアンケート Ver.1のまとめ

先日twitterで宿泊事業に関するアンケートへの回答を呼びかけさせていただき、呼びかけた期間 (2019/11/9-2019/11/13) に28件の回答をいただきましたので、回答をまとめさせていただきます。

アンケートの意義

そもそもなぜこのようなアンケートを取ったのか。

僕はもともと旅をしていて、いい宿にはいい形で存続して欲しいという思いが強く、ひょっとしたら自分の経験や知識が少しでも誰かの役に立つのではないか、素敵な宿を作っていくことに関われる機会が生まれるのではないかというのが、このアカウントを作って発信し始めた理由です。

自分にとっての当たり前が誰かにとっては知らないことだったり、求められていた情報だったりすることはよくあります。

とはいえ、地方の置かれた状況や、規模感、業態によって苦悩や問題点などは異なるでしょうし、自分には見えてない部分もあるでしょう。
アンケートの回答から気づきをもらったり、教わりつつも、成功事例や失敗事例をシェアし、一緒に解決手法を考えることは他の誰かの役に立つかもしれないですし、自分にとっても必ずプラスになると思っています。

というわけで母数は決して多いとは言えませんが、回答を見ていきたいと思います。

宿泊施設の業態の割合

回答していただいた宿泊施設の割合です。(全28件)
自分のことをフォローしていただいている方、及びそのリツイートからの回答となるため、多少偏りがあることはご了承ください。

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ゲストハウス 13件
ホステル 6件
ホテル 6件
民泊 2件
旅館 1件

宿泊施設の規模感

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ゲストハウスの回答が多いこともあり、宿泊人数は30名以下のところが過半数を大きく上回っています。100以上のところはやはりホテル、ホステルですね。

スタッフ数

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こちらもゲストハウスが多いためか、5人以下で回しているところが多いようです。個人的に気になったのは最大宿泊人数が10人以下の宿の割合よりも自分だけで運営している宿の割合が多いことです。
30ベッドを1人で対応するとなると、かなり効率よく仕事をしないと回らない、もしくは手がつけられていない部分があるんじゃないかと推察するとともに、体は資本ですので、やはりうまく休みを取れる仕組みを作る必要がありそうな気がします。

現在抱えている課題

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現在抱えてる課題としてはやはり売上に対してなんとかしたいと思ってるところが多いようです。スタッフ1人で回しているところは売上が足かせとなって人を増やせないという背景もあるのかもしれません。
また当然といえば当然ですが、規模感が大きくなるにつれ、スタッフの育成管理や業務のオペレーションについての課題が増えていく傾向があります。

その他の回答
・ホームページなどを一切読んでいない人からの電話が減らない
・まだ、開業半年で、価格が適正かわからない。
・ネット上の情報発信・OTA対策(集客)

宿泊施設を運営していて、他の宿がどのように取り組んでいるのか気になること

※内容が重複しているものは省いています

・顧客満足度向上のための工夫
・ゲストとスタッフ、ゲスト同士の交流の作り方、仕組み
・「読まない電話」の対策
・これからの継業についてどのように取り組んでいるか
・夜の宿直スタッフの扱い、シフトの組み方
・スタッフ(ヘルパー)の給与体系や待遇
・集客方法(OTA以外の方法で何かあれば)
・フロントスタッフの育成
・顧客情報の管理の仕方
・予約システム
・オペレーションの効率化と可視化の方法
・後継者問題
・チェックイン時の案内(どこまでやっているか)
・清掃会社とホテル側の関係性
・平日の稼働アップの方法
・2月、6月の閑散期の稼働を上げる方策
・無人チェックイン又は省力化
・国籍の比率
・働き方改革で、土日の宿泊者数は平日の半分以下になり、売上額が毎週、半額以上に下がり困っているので、東日本大震災エリアにある復興支援ホテルで同じ問題を抱えているホテルがあれば参考にしたい
・PMSの導入基準、ブランディングについて。
・OTAでの掲載順位上昇のノウハウ
・人件費と売上のバランス
・リピータ―向け施策、需要予測
・価格の設定の仕方
・以前は気になっていましたが、最近はそうでもありません。

運営していて、やっておいて良かったこと、やらなければよかったこと

※質問の仕方が悪く、回答が一緒になってしまったので推測で分けました。
※匿名で聞いているので、回答の一部を変更させていただきました。

良かったこと
・Googleマイマップの作成と駅からの送迎
・周辺地理やイベントの情報収集
・「読まない電話」の人の受理を完全にやめたこと
・電話予約をやめたこと。
・繁忙期にOTAでの販売をやめたこと。
・スタッフ間のコミュニケーション量を増やすこと。
・マネージャーとスタッフが話す時間を取っておくこと。
・館内着のこだわり
・車のないゲストをお好みの温泉へ送迎(ゲストとのコミュニケーションに役立っている)
・近くにコンビニ等がないので、朝の賄いモーニングは好評だし客単価アップに貢献している
・宿の柱となるストーリーをしっかりとつくり、スタッフが理解する
・お客様のチェックアウト前に先の予約の確認(お客様からの「伝え忘れ防止」)
・スタッフをとにかく大事にする事。最高の雰囲気の職場になった
・予約時からのお客様とのSNSを使っての連絡。施設の情報、お店の予約などでサポートが出来て、満足度が上がった。
・開業以来、ゲストさん達と真摯に向き合ってきた事。
・住込バイトを募集して、採用出来た
・多言語の習得(現時点で英語、中国語)

やらなければよかったこと

・「読まない電話」の人を僅かでも受理したこと
・せめて定員25人程の宿にすれば、スタッフのみで現場をまわせた
・幼児を泊めたこと
・アーリーチェックインを認めたこと(その後も色々と要望を言われて困った)
・コモンスペースに変圧器やスマホ用ケーブルを豊富に置いていましたが、2週間ほどで全部なくなり、買い足しもしてません。
・儲かってるうちに初期投資をかけて改装などして置けばよかった(部屋単価を上げれる)
・安易な料金変更
・無い (失敗も含めて勉強)
・安い家具の導入(半年~1年で壊れる)

さいごに

まずは、ご協力頂いた皆様ありがとうございました。
自分の影響力が大きくないこともあって、回答の母数自体はそれほど多くはありませんが、この回答をだけを見ても、それぞれの宿泊施設におけるヒントやアイデアが詰まっているのではないでしょうか。
うちでもやってみよう。うちも止めよう。うちではこうしてるよ。という行動や議論のキッカケになれば幸いです。

気になっている点についての自分なりの回答は別のnote記事として改めて書かせていただこうと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。
記事を続けるモチベーションに繋がりますので、よければ『フォロー』、『スキ』していただけると嬉しいです。

ばしょう(@hostelmanager_b)でした。

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