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兄弟関係で見えてくる性格

夏になるとチューペット、パピコ、ダブルソーダが主に冷凍庫に入っていた。食べ盛りの4人兄弟姉妹が揃うとおやつ代もバカにならない。
なので一つ丸々食べることは許されず、いつも半分に割って食べていた。
たまにチューペット一本を食べても良いと許可が出た日には小躍りしたものだ。その影響か今でもパピコを二つとも食べるととても贅沢な気分になれる。安上がりな女である。

子供の頃はなんでも姉弟で分けないといけなかったので、おもちゃもおやつも夕飯のから揚げも、それこそ取り合いの日々だった。
ポッキーなんかは本数まで数えて分けていた。
そこで問題になるのは「4人とも同じ本数が本当に公平と言えるのか」という問題だ。長男と末っ子では胃袋の大きさが違うので満足度も違うはずだ、という主張が出てきた。上の二人が結託した為、下の私と弟は要求を呑むしかなく何度も悔しい思いをした。
今考えてみると、子供たちだけでなかなか難しい討論をしてたんだなと感心する。分け合う大切さと平等と公平の定義、そしてジャンケンという絶対的正義。

そんな家族で育ったので私は負けず嫌いで執念深く、自分の権利は勝ち取ろうとするタイプだ。しかし一人っ子や年の離れた二人姉弟などで育った友人は穏やかで物欲がなく、なんでも譲ってくれたりしてびっくりする。
どちらがいいとかではないけれど、やっぱり余裕のある家庭からは余裕のある子が育つのだなと実感する。

兄夫婦の姪っ子と姉夫婦の甥っ子でもかなり性格が分かれる。
兄の奥さんは都会育ちで小さい頃からいろんな習い事して大切に育てられてきた事もあり、子供にもそれを要求するタイプだ。のほほんと塾にも行かず田舎で育った兄とは教育についての意見が合わないようでたまに喧嘩をしている。
ちょっと教育に厳しいお母さんの影響なのか姪っ子は「できるアピール」がすごい。承認欲求が強いらしい。そして叔母の私のことを呼び捨てにする。
対照的にお互い高卒同士の姉夫婦の甥っ子は主張が少なくとにかく穏やか。大好きなクッキーも私が泣きまねをすると譲ってくれたりする。習い事とか勉強は二の次で「モノを大切にする、人を叩いちゃダメ」だけを徹底して教えられたらしい。女の子にもすぐ泣かされそうななよっちさはあるが、虫も殺せない優しさである。

承認欲求の塊の姪っ子には最近妹ができた。
ここからお姉さんモードとなり「私はできる、バカにすんな」が加速するか、思いやり精神が育っていくのか。来年のお正月に会えた時の成長ぶりが楽しみだ。
ちなみに今年のお正月には、女王様モードの姪っ子からかまくら作りを命じられ見事完成させたので、私は下僕からお友達に昇格した。

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