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夜の簾について

夜の簾は部屋の中を隠してくれないという話。
から簾の目隠し効果の話に脱線。

夏の日の夜、アイスを買いにコンビニまで行った。
すぐに戻るので電気を付けっぱなしにしていたのだが、帰ってみるとカーテン代わりの簾は役割を果たしておらず、部屋の中が丸見えだった。

どうやら夜の簾が目隠しとして機能しないことは常識であるようだ。
夏でも夜はカーテンを締めろのこと。

では何故、夜の簾は機能しないのか。
ふんわりと定性的ではあるが科学的な整合性はありそうな説明を考えてみたので説明してみる。
専門人の方はロジックの破綻を探して遊んでみて下さい。
破綻があればコメント下さい。


まず、簾から向こう側を見たときを考えよう。
向こう側の景色は光として我々に網膜に届けられる。

そこで、簾の向こう側からこちらに向かってくる光を考える。
観測者から見て、光源は簾の奥にのみあるとする。
(簾の手前側に光源は存在しない。)
その光の一部は簾の藁部分によって遮られる。
それ以外の光は、簾の隙間部分を透過する。
光がとりうる選択肢はこの二つのみである。
(現実の現象としては、藁による散乱だとか藁の境界付近の回折だとかを考える必要があるが今回はこの二つを考えるだけで充分説明できる。)

向こう側から来る光のみを考えた場合、我々は簾の奥の景色を見ることができる。なぜなら、簾の奥の光は充分こちらに届いているから。

実はこの場合が夜に外から簾を通して明るい部屋を見た場合に相当する。
"明るい部屋"を上の場合の"向こう側から来る光"に置き換えれば両者は完全に等価であることがわかるだろう。

つまり、簾の基本機能として向こう側の風景を遮蔽する効果はない。
(藁の効果は風景を若干ぼやかす程度)

こうなってくると、逆に昼の簾が目隠し効果を持つことが疑問になってくる。

こちらも適当なモデルを組んで考えてみる。
先程は観測者から見て簾の向こう側にのみ光源を置いたが、こちらでは加えて簾の手前側にも光源を置く。
簾の向こう側からの光の挙動は先程と同じである。

観測者側からの光源と簾を考える。
光の一部は簾の隙間部分を透過する点は先程と同様である。
この光は簾の向こうに抜けてしまうので観測者に届くことはない。

藁の部分に当たった後の光を考える。
一部の光は藁に吸収される。吸収された光は熱になって消滅する。
その他ほとんどの光は散乱、反射される。
散乱反射された光の一部は観測者に届き、藁の像が観測される。

つまりこの場合、観測者に(簾を介して)届く光は
・簾の向こう側から透過する光
・簾の手前側から簾によって散乱反射される光=簾の実像
の二つである。

結論からいうと、部屋の中が見えるか見えないかは両者の相対的な強弱による。透過する光が簾の実像より強ければ部屋の中がはっきり見え、簾は見えづらい。逆に簾の実像の方が強ければ簾がはっきり見え、部屋の中は見えづらい。

簾は藁の部分に比べて隙間部分が非常に少ないので、前後で同じ程度の明るさならば部屋の中が見えにくいようにできているのである。

図を使えば簡単なのだが、言葉だけで説明しようとすると難しい。
まあ、訓練なのでそのうちましになるだろう。

・・・・・・
脱線が過ぎた。
何が言いたいかというと、夜の簾は外から丸見えなのでちゃんと服を着なさいということです。

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