デイトレと投資の違い

ライフワークとしてファイナンシャル・プランナー(FP)の仕事をしている中で、最近思うことがあります。それは投資の中でもデイトレードと投資は全然別物であるということです。

 
NISAやネット証券の台頭、昨今の株価上昇などで以前よりも投資は民主化しました。それもあってゴリ押し営業の懸念があるFPに資産形成を相談するよりも、自分で証券会社を通して運用した方がいいと思う人も少なくないと思います。
 

それ自体は全然良いと思うのですが、1日や数日で売り買いして利益を得るデイトレはオススメしません。なぜならデイトレは投資ではなく投機だからです。
 
 
投資と投機の違いですが、投資は将来の利益を得るために資金を投じることで、投機は市場の短期間の変動の差益だけを狙うものです。
 
 
株式会社は事業を行い、モノやサービスという価値を世の中に提供する対価として利益を得ます。その利益は新たな事業費や社員の給与になるだけでなく、株主に配当として還元されます。つまりは企業が健全で価値あるモノ・サービスを提供しているならば、理論上は事業活動により新たなお金を生み出すプラスサムになります。これが「投資」です。
 
 
一方、デイトレの場合はどうでしょう?たった1日の株式市場の中で事業活動の成果は関係しますでしょうか。もうお分かりのとおり、市場参加者の思惑や駆け引きで値動きするケースがほとんどです。それは投資と言えず、まさしく上がるか下がるかの機会に投じる「投機」です。
 
ちなみに、デイトレで利益を出し続けるのは想像以上に困難で、ある海外の論文によると参加者の1%にも満たないそうです。そりゃ素人じゃとても無理ですよね。。
 
 
私はFPとしてどんな金融商品も語れるようにしたいので、過去に自分で株デイトレも経験しましたが、やっぱり短期で利益を出すのは難しいです。なにより神経をすり減らすのと、そこに大事な時間や思考を費やすのがもったいないです。
 
 
長くなりましたが、言いたいことは投資と投機の違いをきちんと理解したうえで行動して欲しいということです。もちろんデイトレ自体を批判してるわけではないので止めはしませんが、目的が将来の資産形成であるならばそれは適切な選択肢ではないと思っています。
 
 
投資情報はSNSや動画サイトで煽りとも取れるいろんな意見がありますが、幅広い分野の事情や特性を知っていてなおかつ信頼できる人に相談した方が良いと思います。なぜなら多くの選択肢から自分に合う手段を選べる可能性が高いからです。

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