見出し画像

伝える優先順位をデザインで整える

デザインと編集をまとめて「デザイン」と呼んでしまいがちなので、デザインを編集とデザインに分けることを紹介します。

あるケーキ屋さんがオープンするチラシを作る場合、チラシを見る方にお伝えしたいのはどんなことでしょうか?
ケーキ屋さんがオープンするので、開店日は大事です。オープンしたチラシの目的はそれを見て、ケーキを買いに来てもらいたいことだから、営業時間やお店の場所、いくらでケーキを売っているのかも伝えたい。ケーキをどんな人に買ってもらいたいか。子どもの誕生日ケーキを買ってもらいたいのか、大人のスイーツとして買ってもらいたいのか、チラシを作るには誰に何をどのように伝えて、どうしてもらいたいのか?といった前情報が必要です。

この前情報を整理せずにデザインをすると、何を伝えるチラシか分からなくなってくることがあります。入れたい情報を全部入れても、すんなりと情報が入るようにしないと、なかなか見る人には伝わりません。

1番大事なのは、ケーキ屋さんがオープンすること。それには、ケーキの写真と「OPEN」という文字を使うという方法があります。
次に大事なのは、どこにいつどんなといった5W1Hです。
日付、地図、営業時間などの基本情報を入れることで、それを伝えます。
そして、「どのようなケーキ屋さんなのか」を伝えます。お洒落なケーキなのか、お手頃価格のケーキなのか、それによって、チラシ全体の雰囲気を変えて整えます。

このように、デザインと言うと、フォントやレイアウト、写真、イラスト等が大事に思われますが、実は、その素材選びと方針が大切です。

料理に例えるなら、食材よりもレシピが大切といったところでしょうか。カレーの食材が揃っていても、カレーというレシピが無ければ、カレーは作れません。野菜を切って、鍋で煮込んで、スパイスで味付けするという、大きな道筋があるから、カレーが作れます。その道筋を外してしまうとカレーにすらなりません。

つまり、デザインする上で、情報の優先順位を作ることは料理を作る上でレシピを作ることに似ています。レシピさえ出来てしまえば、甘くするのも、辛くするのも、自由自在です。まさに、良い「加減」で料理が出来るわけです。

デザインは、必ず誰かに何かを伝えるために存在しています。最終的には一つのビジュアルに落ち着くのがデザインですが、長く愛されるデザインにするためには、その大元になる伝える順番、情報の優先順位が一番大切です。

そのデザイン、一番伝えたいことは何ですか?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?