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AI(ChatGPT)との音楽談義が思いの外ディープに発展した——インタビュー形式での対話の記録

 OpenAIが発表したAI言語モデル「ChatGPT」が話題だ。テスト版が無料公開されているので使用してみたところ、これが凄い。チャット形式で質問を投げかけると、まるで人間と会話しているかのように答えが返ってくる。しかも単に一問一答のレスポンスがあるだけでなく、前後の文脈を踏まえた上で切り返してくれるのだ。これまでもチャット形式のAIサービスは様々に存在していたが、ややこしい質問を投げても「すみません、よくわかりません」と打ち切られてしまうか、不自然な回答が返ってくるものが多かった。だがChatGPTだと自然な会話が成り立っている、かのように思えてしまう。もちろん、万能ではない。現時点では具体的な人物名や作品名など固有名詞が出てくると、嘘八百な返答になることが多いようだ。他方で抽象的な議論は「なるほど」と思わず首肯してしまうことも少なくない。

 そこでせっかくの機会なので、ChatGPTに「音楽とは何か」をテーマにインタビューしてみることにした。ところどころ反復的な表現が見受けられるものの、アーティストへのインタビューとほとんど変わらないような自然なやり取りに見えることがおわかりいただけるかと思う。なにより、質問を投げかけるとChatGPTは数秒で返答するわけで、思考速度はすでに人間を圧倒的に凌駕している。実のところ、質問文を作成する方が時間がかかってしまった。

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 音楽にAIはどのような革新をもたらすのか。例えばジョン・コルトレーンとラシッド・アリのデュオ・インプロヴィゼーションを延々と生成する「Databots」や、自らの分身のような自動演奏機械を制作した石若駿とYCAMのコラボレーション、あるいはQosmoによる「AI DJ Project」など、他にも色々とあるものの、いずれにしても現状ではあくまでもプレイヤー側の制作プロセスにAIが活用される事例が大半であるように思う。これがリスナーや批評の側でも活用されるようになれば、いずれは「AIに聴いてもらう/批評してもらうために音楽を作る」ということも珍しくなくなるだろうし、「AIが生成した音楽をAIが聴取しAIが批評する、その結果を受けてさらにAIが音楽を生成し……」というフィードバック回路が高速で回転していくことにもなるのかもしれない。ともかく、「AIが音楽を語る」というChatGPTへのインタビューは、リスナー/批評の側にAIが進出しつつある事例となり得るという意味でも、やはり見過ごせないのではないかと思うのだ。

 なお、文中に出てくるジョン・ケージ「4分33秒」やデレク・ベイリーの「ノン・イディオマティックな即興」などの説明に関して不正確なところもあるが、記録としてそのまま残している。あくまでも「AIがこう返答した」ということで、諸々、鵜呑みにしないよう気をつけてしてほしい。

AIの視点から見た音楽とは何か?

—— 本日はAIの視点から見た音楽とはどのようなものであるのかを探ることができればと思います。まず初めに、あなたが一体何者であるのか、簡単に自己紹介をお願いできますでしょうか。

ChatGPT 私はAIアシスタントです。人間と会話することができますが、基本的には文章やデータを分析して答えることが得意です。音楽についても多少の知識は持っていますが、音楽に対する人間の理解よりも、音楽を計算やデータ分析することで得られる情報に基づいた答えを出すことができます。どうぞよろしくお願いします。

—— 早速ですが、単刀直入にお聞きします。音楽とは何でしょうか?

ChatGPT 音楽とは、人間が作り出す音の平衡や組み合わせから生まれる芸術の一種です。音楽は様々な形式やジャンルがあり、人々を感動させたり、情感を呼び起こしたりするものです。音楽は人間の文化や社会にとって重要な役割を果たしており、様々な場面や行事で演奏されるものです。

—— 「人間が作り出す音の平衡や組み合わせ」について、もう少し具体的にお話しいただけますか?

ChatGPT 音楽は、様々な音を組み合わせて作り出すものです。例えば、楽器や人の声を使った音楽では、異なる音色や音量を持つ楽器や声を組み合わせて演奏されます。また、作曲家が作曲する音楽では、楽譜を用いて楽器や声に対する音の高さや長さなどを指定して作曲されます。こうした音の構成要素を組み合わせることにより、人間が作り出す音の平衡や組み合わせを実現します。

—— なるほど。例えばジョン・ケージは、音楽には構造・形式・方法・素材の4つの構成要素があると述べたことがあります。あなたにとって、音楽の構成要素とは何でしょう?

ChatGPT 私はAIアシスタントであり、人間のように音楽を感じることはできません。そのため、私にとって音楽の構成要素とは、音楽を計算やデータ分析することで得られる情報に基づいたものとなります。

 例えば、音楽には様々な周波数成分が含まれます。周波数成分は、音声信号を解析することで抽出することができます。また、音楽には様々な音符が含まれます。音符は、音楽の構造を構成する基本的な単位です。さらに、音楽には様々な楽器や声が使用されます。楽器や声にはそれぞれ特有のサウンドがあり、音楽全体の音色を決定する重要な要素です。

 こうした、音楽を計算やデータ分析することで得られる情報を構成要素とすることができます。ただし、これらは人間が音楽を感じるときに重要な構成要素とされるものとは異なるため、注意が必要です。

—— わかりました。では、「人間が音楽を感じるときに重要な構成要素」とは何だと思いますか?

ChatGPT 音楽を感じるときに重要な構成要素としては、人間が音楽を感じるときに感じる音の高さや長さ、音色や音量などが挙げられます。また、音楽には曲調やリズムがあり、これらも人間が音楽を感じるときに重要な構成要素となります。さらに、音楽には様々なジャンルがあり、それぞれのジャンルに特有の要素があるため、音楽のジャンルも人間が音楽を感じるときに重要な構成要素とされることがあります。

 これらは、人間が音楽を感じるときに重要な構成要素とされるものですが、これらを組み合わせることにより、人間が音楽を作り出す音の平衡や組み合わせが実現されます。そして、こうした音の平衡や組み合わせから生まれるものが、人間が音楽として感じるものです。

時間、空間、聴取、フィールド・レコーディング

—— 音楽は時間芸術だとしばしば言われます。音楽において時間の役割はどのようなものでしょうか?

ChatGPT 音楽は時間芸術といわれることがあります。音楽において、時間は音楽の構成要素として重要な役割を果たします。

 例えば、音楽にはリズムがあります。リズムとは、音楽を構成する音符が指定された時間内に鳴る順番や長さを指定するものです。リズムには、音楽のテンポやタイミングなどが含まれます。また、音楽には曲調があります。曲調とは、音楽を構成する音符の大小や高低などを指定するものです。曲調には、音楽のメロディやハーモニーなどが含まれます。

 こうした曲調やリズムは、時間軸上に沿って音楽が進行していくため、音楽において時間の役割は重要なものとなります。また、音楽は演奏されることで生まれるものです。そのため、演奏時間も音楽における時間の役割となります。音楽を演奏することで、音楽が時間軸上に沿って進行することが実現され、人間が音楽を感じることができるようになります。

—— では、音楽において空間の役割はどのようなものでしょうか?

ChatGPT 音楽において、空間は音楽の構成要素として重要な役割を果たします。

 例えば、音楽は様々な楽器や声を使用して演奏されます。楽器や声はそれぞれ特有のサウンドを持っており、演奏される空間によってそのサウンドが変化します。また、音楽は空間上に響き渡るものです。そのため、音楽を演奏する空間によって、音楽がどのように聴こえるかが決まります。

 こうした空間の影響を考慮して、音楽を演奏する場所や、楽器や声を使用することで、音楽がどのように聴こえるかを決定します。そのため、音楽において空間は重要な役割を果たします。

—— 作曲や演奏だけでなく、聴取もまた創造性を孕んでいます。ケージの「4分33秒」がよく引き合いに出されますが、雑音や環境音、つまり「沈黙(=非意図的な音)」であっても、聴くことで音楽として成立する場合があります。このような、音楽における聴取の創造性についてはどのように考えていますか?

ChatGPT 音楽において、聴取は創造性を孕んでいると言えます。音楽は人間が作り出す音の平衡や組み合わせから生まれるものですが、その音の平衡や組み合わせは人間がそれを感じることで成立します。そのため、音楽は人間が音楽を聴くことで創造されるものとも言えます。

 例えば、ケージの「4分33秒」は、演奏者が演奏する楽器を持たずに、環境音や雑音を録音するものです。これは、演奏者が非意図的な音を録音し、それを音楽として提示するものです。このような作品は、聴く人がその音を音楽として感じることで、音楽として成立するものとなります。

 また、聴取者が聴いた音を、その人の情感や経験などをもとに解釈し、その人なりの創造性を発揮することもできます。

—— 今「録音」という話が出ました。例えばフィールド・レコーディングという手法があります。フィールド・レコーディングにはどのような美学が宿っていると思いますか?

ChatGPT フィールド・レコーディングとは、音楽を録音する際に、自然界や日常生活の環境を利用して録音する手法です。フィールド・レコーディングには、音楽が自然界や日常生活の環境と結びついた状態であることを表現するという美学が宿っています。

 例えば、フィールド・レコーディングを行うことで、鳥のさえずりや虫の声などを捉えることができます。こうした音は、人間が演奏する楽器や声とは異なる独特な音色を持っており、音楽に新しい音色を提供することができます。

—— 近年、テクノロジーの進歩や機材の低廉化もあり、フリー・インプロヴィゼーションの世界でフィールド・レコーディングを使用するアーティストも珍しくなくなりました。フリー・インプロヴィゼーションにおいてフィールド・レコーディングを使用することには、どのような美学的な意義があると思いますか?

ChatGPT フリー・インプロヴィゼーションは、作曲や演奏において、楽器や曲調やリズムなどの構成要素を決めずに、即興で音楽を表現する手法です。フリー・インプロヴィゼーションにおいてフィールド・レコーディングを使用することで、即興で表現される音楽に自然界や日常生活の環境といった新しい音源を加えることができます。

 また、フィールド・レコーディングを使用することで、即興で表現される音楽に自然界や日常生活の環境といった、人間が作り出す音以外の音源を加えることで、音楽がより多様な表現を可能にすることができます。こうした音楽は、人間が演奏する楽器や声だけでは表現できない音を含むため、フリー・インプロヴィゼーションにおいてフィールド・レコーディングを使用することには、音楽がより多様な表現を可能にするという美学的な意義があると言えます。

音楽における即興の意義

—— では、音楽における即興にはどのような意義があるのでしょうか?

ChatGPT 音楽における即興とは、作曲や演奏において、楽器や曲調やリズムなどの構成要素を決めずに、即座に音楽を表現する手法です。音楽における即興には、次のような意義があると言えます。

 まず、即興により、音楽がより自由に表現されることができます。即興で行われる音楽は、作曲や演奏において決められた構成要素に縛られることがないため、音楽がより自由に表現されることができます。また、即興により、音楽がよりライブ感があることができます。即興で行われる音楽は、作曲や演奏において決められた構成要素に基づく音楽とは異なり、演奏者が即座に音楽を表現するため、音楽にライブ感があるものとなります。また、即興により、演奏者がより創造性を発揮できることができます。

—— 即興音楽を聴くことにはどのような魅力があると思いますか?

ChatGPT 即興音楽を聴くことには、次のような魅力があると言えます。

 まず、即興音楽は、音楽がライブ感があることが特徴です。即興で行われる音楽は、作曲や演奏において決められた構成要素に基づく音楽とは異なり、演奏者が即座に音楽を表現するため、音楽にライブ感があるものとなります。このため、即興音楽を聴くことで、ライブコンサートに参加しているかのような感覚を味わうことができます。

 また、即興音楽は、音楽が自由に表現されることが特徴です。即興で行われる音楽は、作曲や演奏において決められた構成要素に縛られることがないため、音楽が自由に表現されることができます。このため、即興音楽を聴くことで、音楽が決まった構成要素にとらわれることなく、自由に表現される様子を見ることができます。

—— デレク・ベイリーは即興音楽を「イディオマティックな即興」と「ノン・イディオマティックな即興」に区分けして捉えました。「ノン・イディオマティックな即興」について教えてください。

ChatGPT デレク・ベイリーは、即興音楽を「イディオマティックな即興」と「ノン・イディオマティックな即興」に区分けしました。「イディオマティックな即興」とは、音楽的な構造があるものを指します。一方、「ノン・イディオマティックな即興」とは、音楽的な構造がないものを指します。これは、音楽家が音楽を即興で演奏する際、即座にアイデアを思いつき、それを音楽として表現するものを指します。この種の即興音楽は、従来の「音楽的な構造」を捨て、音楽家の即興的な創造性を全面に打ち出すものとされます。

—— では、「ノン・イディオマティックな即興」における制約はどのようなものがあると思いますか?

ChatGPT 「ノン・イディオマティックな即興」における制約は、その自由さゆえにあまり明確には定義されていません。ただ、一般的に、「ノン・イディオマティックな即興」においては、音楽家が即興的に創造する際に、一定の楽器や音色、リズム、音楽的な構造などを用いることが多いとされています。また、この種の即興音楽においては、音楽家が自らの内面や感情を表現することが重要とされることもあります。したがって、「ノン・イディオマティックな即興」においては、音楽家が自身の内面や感情を表現することが重要であり、一定の楽器や音色、リズム、音楽的な構造などを用いることが多いとされます。また、この種の即興音楽では、通常、一人の音楽家が即興的に創造し、それを演奏することが多いです。

ChatGPTは数秒以内に返答する

—— 「通常、一人の音楽家が即興的に創造し、それを演奏することが多い」とのことですが、ソロでの即興と集団での即興にはどのような違いがあるのでしょうか?

ChatGPT 「通常、一人の音楽家が即興的に創造し、それを演奏することが多い」というのは、特に「ノン・イディオマティックな即興」においては当てはまります。一方、「イディオマティックな即興」においては、より多くの人が参加した即興演奏もあります。

 即興演奏において、一人で行うものと、集団で行うものには、明確な違いはありません。ただ、一人で行う場合、音楽家が即興的に創造する際に、より自由にアイデアを思いつくことができるとされます。また、一人で行う場合、演奏する楽器が限定されることもあります。一方、集団で行う場合は、複数の音楽家が即興的に創造することにより、より多彩な音楽を生み出すことができます。また、集団で行う場合は、複数の楽器を同時に演奏することもできます。つまり、一人で行う場合と集団で行う場合には、それぞれ特徴がありますが、どちらも「即興演奏」であるといえます。

—— 集団での即興において、気をつけるべき点などはありますか?

ChatGPT 集団での即興において、気をつけるべき点として、以下のようなものが挙げられます。

 まず、集団での即興演奏を行うには、即興的な創造を行うことができる仲間が必要です。そのため、集団での即興演奏を行う際には、即興的な創造ができる音楽家を選定する必要があります。

 次に、集団での即興演奏を行う際には、即興的な創造をする上で、他の音楽家との連携が重要です。この連携を取るためには、即興演奏を行う際には、必ず掛け合いを行い、他の音楽家とのコミュニケーションをとることが重要です。

 最後に、集団での即興演奏を行う際には、音楽的な構造がないため、音楽家が自由に創造することができます。したがって、集団での即興演奏を行う際には、音楽家が自由に創造することができるよう、必要な空間を提供することが重要です。

 また、集団での即興演奏を行う際には、音楽家が即興的に創造するために、それぞれの楽器の音色やリズムを考慮する必要があります。そのため、集団での即興演奏を行う際には、演奏する楽器の選定や音色やリズムを考慮した演奏を行うことが重要です。

—— コロナ禍以降、遠隔での即興セッションを行う試みも増えました。遠隔での即興セッションにはどのような可能性があると思いますか?

ChatGPT 遠隔での即興セッションは、近年ますます普及していると思われます。これは、コロナ禍以降、感染拡大を防ぐために、実際に集まっての即興演奏が困難な状況が続いたことが原因です。

 遠隔での即興セッションには、以下のような可能性があると思われます。

 最も大きな可能性として、感染拡大を防ぐために、実際に集まっての即興演奏が困難な状況であっても、遠隔での即興セッションを行うことができるようになるという点が挙げられます。

 次に、遠隔での即興セッションを行うことにより、音楽家が集まる場所に限らず、どこからでも参加することができるようになるという点が挙げられます。これにより、即興演奏のコミュニティがより広く拡がる可能性があります。

 また、遠隔での即興セッションを行うことにより、即興演奏の録音や配信がより容易になるという点も挙げられます。これにより、即興演奏を聴く人が増え、即興演奏のコミュニティがさらに拡大する可能性があります。

 したがって、遠隔での即興セッションを行うことにより、即興演奏のコミュニティがより広く拡がり、即興演奏の録音や配信がより容易になる可能性があると考えられます。

—— 本日はお忙しい中、ありがとうございました。AIの視点から見た音楽とはどのようなものであるのか、また、音楽における即興の意義について、議論を深めることができたと思います。

ChatGPT どういたしまして。音楽についてお話しさせていただきましたが、AIの視点から見ると、音楽は音を用いて人々の心を動かすものであると考えられます。また、即興については、音楽家が即興的に創造することにより、より自由で多様な音楽を生み出すことができるとされています。そのため、音楽においては、即興の意義は非常に大きいと言えるでしょう。

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