無職になるまでのコーヒー遍歴


仕事をしていた時も無職になった今もコーヒーは大好き。飲み始めたのは大学からであり、頻繁に飲むようになったのは社会人からだ。

小学生くらいから食後に飲むのは緑茶だった。急須は常に食卓に置いてあり喉が渇けば緑茶を淹れて飲んでいた。コーヒーを飲むのは祖母と父のみで、1日1杯、休日やおやつ時に飲むだけだったのでコーヒーは身近に無かった。

コーヒーが身近になったのは大学時代。緑茶中心だった生活に、アルバイトを通してコーヒーが参入。

アルバイト先では、おかわり自由のコーヒーを出していた。

朝のオープン時に働いていたため、来たらまずコーヒーを淹れる。寝ぼけまなこで開けたコーヒーの袋から漂う香りは10年近く経っても覚えている。

朝バイト後には大学近くのチェーン店のカフェでコーヒーとパンを1つ。この時にはブレンドは濃くてアメリカンは薄いということしかわからなかった。

コーヒーの香りは、大学時代の思い出となった。

大学も卒業し無事に就職もできた。最初に配属された課ではみんなでお金を出し合いコーヒーなどのお茶類を買っていた。キリマンジャロやらブラジルやらモカやら…下っ端だったので数が多いものを飲んでいたが次第に味の違いが分かってきた。

キリマンジャロは酸っぱい。

梅干しや酢は大好きだけどコーヒーの酸味は苦手でなことがわかり、避けるようになった。

異動後はポットすらない部署だったので、紙コップの自販機かコンビニで買っていた。休職直前は体が悲鳴をあげていたので朝に自販機で買うのが日課に。濃さ普通のミルク最大、砂糖なしのボタンを高速で押す。大学時代同様、寝ぼけまなこでコーヒーの香りを嗅いでから働いたがその時とは違う。戦闘態勢に入るためのスイッチだった。

香りはスイッチ、カフェインはガソリン、苦みは気つけ。朝のコーヒーは体に鞭打つための道具となっていた。

しかし、休日に飲むドリップコーヒーは楽しめた。泥のように眠り、昼過ぎに飲むコーヒー。様々な種類を買っておき飲み比べ、香りを楽しむ。香りや味を楽しみつつ、仕事中との差に虚しさや悲しさを感じた。

休職を経て退職をした。収入はほぼゼロになってしまったのでコスパを重視したインスタントコーヒーを多く飲むようになった。レビューや説明文から自分の好みのものを探したり、個包装のものを少しずつ試したり。

今のお気に入りはカルディで買ったインスタントコーヒー。粉が細かいため溶けやすいのと酸味が少ないがすっきりしていて、黒糖に似たような独特な風味がする。毎日楽しみながら飲むのにはちょうどいい代物だ。


お金はないけど時間はある。社畜時代とは違うが制限はあるが、その制限は苦ではない。とても充実をしている。

そして最近は、将来的に妊娠・出産を視野に入れるとカフェインが摂りづらくなるのでカフェインレスコーヒーを開拓している。

カフェインが少ない中、苦みがガツンとくるコーヒーを飲んだ感が強いコーヒー。その日が来るまでに良い品に出会いたい。

このようにして大学時代から仕事を辞めた今まで、コーヒーの香りや味とともに酸いも甘いも苦いことも経験し、ライフステージや経済状況に合わせてコーヒーを楽しむことを覚えた。

これからもずっと、コーヒーの香りに包まれ、味わう余裕のある生活を送れることを祈っている。


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