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思考の整理はつくった余白で ② | 京都 ブルーな旅は癒しのグリーンがいいtabi.21


世知辛い世の中です。

愛すべき仕事に力を尽くしていたのですが、経営判断により敢えなく事業が消滅。傷心し、整理がつかず、傷心し、1週間会社をお休みしました。


心の余裕が限界値までなくなった矢先に些細なことでパートナーと小競り合いし、受け入れる気力がゼロ…というよりむしろマイナスになった私は、2週間絶交を決めました。「連絡控えます」 仕事を1週休んでせっかくとれた時間に、喧嘩のストレスがあっては回復できるものもできんと、命を守るための選択だったように思います。

旅先にある、人生の
プラットフォーム


会社の人たちからは、羽を伸ばしに海外旅行にでも行くのだろうと思われていたようですが、そんな海外に行く気力も資金も皆無です。
行きたいといえば、北欧とか、アイスランドとか、ベトナムとかありますが。

クリニックや歯医者さんに行ったり、自宅で手をつけられていなかったモノの整理をしたり…まずはこれまで出来なかった、なんでもない日常を謳歌しました。

ただ、今回会社を休んだのは精神状態を整えるため、混乱を落ち着けるためなのであって、何でもなく過ごしたところでその目標が達成されるだろうか…? という疑問が湧いてきたのでした。

そこで一泊二日でちょこっと京都へ行くことにしました。人生の節目とか、進路に悩むときは、北野天満宮さまにお参りに通っていました。高校の修学旅行を皮切りに、受験の最後、編集の仕事のスタート時など。それゆえに「行く」というよりも、「帰ってきた」という感覚
過去のある時の自分が何か強い意志をもってここに来ていたから、そこに回帰するような感覚になるのだと思います。ある意味、私の仕事人生にとってのプラットフォームです。

それゆえに、心を整えることと
これからのために自分探しの旅に
出ることにしました。

なくしていたのは
アイデンティティという名の芯


昼下がりの東京駅。

駅の構内に置いてあるフリーペーパー。いつもなら片っ端から手にとっていました。どんな視座で構成を作っているのか、書いているのか、何を伝えたくて撮っているのか、考えていました。
でも同種の仕事を奪われた私には視界に入るだけ苦痛で…。アイデンティティを崩された私は、残念ですが、この日は見向きせず改札に突き進みました。

私はこれから何に重きを置くべきなのかわからずに。心(しん)なくして巻物はできないけれど、まるで自分が用途の決まらないただの紙のようで。



さて。いざ、京都へ。
新幹線に乗り込みました。


夕方、京都に到着。同志社大学近くの宿まで行ってチェックイン。京都に来る時は、荷物を預けたりの利便性で京都駅の周辺で宿を見つけることが多いのですが、今回は一足伸ばして祇園を越え、今出川に決定。

周囲のまちに馴染む4階建の小さなお宿でした。エレベーターを降りたあと、部屋までの廊下がアロマでいい香り♩部屋のドアを開けるとエントランス部が広々。お部屋には冷蔵庫と電子レンジが置かれていましたが圧迫感もなくすっきり。
具体的に余白があって、とても気持ちいいお部屋でした。

それから、荷物を置いて京都駅に戻りました。
なぜなら…! 名店 551HORAIさんの絶品豚まんが食べたくて…!!

 京都駅に戻ったときにはもう夜。
ライトアップされた京都タワー


買えるお店は3箇所あったのですが、営業時間が間に合うのは京都駅のお店だけだったので戻ってきました。並んで買って、残りは10個もなく…運良く手に入りました。ありがたや〜。
まだ夜は肌寒い時季で豚まんの温さがうれしいです。

2個入り♩
ひとりで食べるにはちょうどいい
宿でいただきましたー
生地はもちもち。甘味があって本当に美味



朝のチャリ散策

実はこちらのお宿さんでは低料金で自転車を貸していただけます。そこで早朝にお借りして周辺をサイクリングしながら散策しました。

走りながらはじめに見つけたのが護王神社。
イノシシの神様です。足腰と子どもを守ってくれるのだとか。

岩に蹴上がるイノシシ
かっこいい!
なんだろーう?
くるくる回る。
神社の入り口に、家族の健康を守ってくれるお祓い。家族4人分まで書けました
開運の大きな絵馬。かっこいいです
こちらには愛らしい看板。
ん? いのししコレクション??
すごい!奥にはたくさんの、いのししの彫刻、絵馬などが飾られていました。早朝のため中までは見れず。


それから京都御所の周囲をぐるっと半周して宿に戻りました。

途中、きれいなあじさいに遭遇。季節ですね
京都御所
宿の近くのレトロな喫茶店。ゾウめし屋 さんというらしい。クリームソーダに乗ったクッキーがゾウ…!かわいい🥺✨



宿に帰る頃には子どもたちの登校が始まる時間になっていました。裏路地の小さな交差点で地域のおじさんが旗振りをしていたのだけど、「おはよう」「おはよう」ってたくさんあいさつをしていました。子どもたちと地域が近く感じます。

朝チャリ散歩 お世話になった k-styleさん号
ありがとうございました


よりみちしたら トビの示唆


自転車を返却し、シャワーで汗を流したら、今回の旅の本命、北野天満宮へゴー!

今出川駅近辺から北野天満宮へは、バスを使うと早いのです。烏丸今出川のバス停から10分と少々でした。

しかし今日はゆる〜く行こうと決めていたので、別の寄り道をしようと出町柳のバス停まで出てしまいました。出町柳はバス停が複数あり、ちょっと迷ってみたところ、大きな鳥がバッサーー!と翼を広げ、バス停上を乗り越えて街路灯にとまったではありませんか。。驚き😳

鳴いてる、、
ピーヨロロ〜〜 ピーヒョロロロ〜〜
再び、バッサー〜〜
そして旋回。


旋回、旋回、旋回…

トビ でした。

遠く高く飛ぶトビを見ながら、時間を持て余していると本命にさえ辿り着けない気がしてきたので方向転換。北野天満宮にそこから直行することにしました。トビよ、ありがとう。

今日の本命 北野天満宮へ

北野天満宮 入り口。お天気も🙆


実は、前回は閉門後に来てしまい肩を落としていました。晴れてお参りを叶えられました。

夏越の大祓と掲げられている


北野天満宮といえば、参道から境内まで数々の牛の像があります。
像は座っていますが、立っている絵もひとつあるのだとか。

凛々しい
強そう…!
…子牛?
目がぱっちりさん👀✨


参道を歩いて内側の鳥居をくぐると、何やら催しの案内がありました。青もみじの公開中。さらに、この日は宝物殿の公開も行われていました。

宝物殿玄関から外をみる


室内の絵画などは撮影NGとのことでしたが、この日、刀剣の公開もされていて「刀剣はいいですよ」と宮司さん。その時代に実際に使われたものもあれば、仕立てられておかれたままのものもあるそうです。

脇刺。もっと小さな刀だと思っていました。
薙刀。初めて。


ちょうど訪問したタイミングにお客さんが少ないことがあって、宮司さんがいくつか解説してくださいました。

宝物殿の入ってすぐの天井下には右手と左手に大きな絵が飾られています。なんでも、公開されない奥の奥の建物に置かれ、悠久の時を経て状態よくあるのだとか。時代を超えても望ましい保存のあり方だったのだそうで。

入って右には黒い暴れ馬、左には白い落ち着いた馬。黒い暴れ馬は日照りが続く中で天気が荒れ雨が降ることを願われ、白い落ち着いた馬は逆に晴天で穏やかな日々を願われ、農耕文化の中での人々の思いが込められてきた由来によるものだと知りました。

宮司さんはもう一つ教えてくださいました。北野天満宮は参道を行ったそのまま先に本堂がなく、突き当たりは敷地内の小さな屋代です。
どういうことかというと、北野天満宮をつくることになったとき、参道の先の敷地内となる場所に地主神社があり、土地の神様を尊重して本堂は向かって左にずれた場所に構えることになったのだとか。

なんとなく気になっていたことに納得。宮司さん、いろいろ教えていただいてありがとうございました。

つるつるではない牛さん


さて、いよいよ本堂で手を合わせよう…という前に、茅の輪がどーんと登場していました。そういえば、入り口鳥居の緑の垂れ幕にも書いてあったような。

茅の輪をくぐり、無意識についた罪や穢れを祓い、無病息災を願うのだそうです。水無月=6月と師走=12月に行われる模様。

茅の輪
唱えことば

はじめ左に2周し右を回って左に抜けていました。しかし周り方を間違えていました。

茅をくぐるのは、八の字を描くように行います。
はい、やり直し。

本堂にごあいさつ


敷地内には小さな社がいくつもあり、それぞれ手を合わせています。本堂のあと裏手にある小さな屋代の神様に手をあわせ、ぐるっと行ったところで青もみじの公開がありました。

何度も来ているけど初めて入ります!

え? こんな場所あったの?!
…というかんじ。

隠れダンジョンを見つけた気持ち
なりました。笑

青もみじ苑 は敷地内のここから
上がっていくよ
黄色い野草がもみじのみどり空間に映える
青もみじ
もみじとせせらぎ
はじめて、ちがう角度からお社が見ました


もみじ苑を出たあと、おみくじを引きました。

2回引いてしまいました。

その教えは記事の最後の方で。。

しかしながら、
なでうしをなでなでし、青もみじの美しさに触れているにも関わらず、一向に心の中が変わらなかったのです。

そんな私はご祈祷の一覧を眺めていました。

北野天満宮は学問や芸事の神様と祀られ、御祈祷の種類も、合格祈願や芸事の技術をあげる願いのもの、そのほかに厄祓いや無病息災などもろもろの願いを選択する用紙がありました。

……私の願いはどのカテゴリー?


どれを選んだらよいかしばらく悩んで、「良縁」にしました。新しい仕事もひとつのご縁なので。

おさがり引換券なるものを一時もらいます。見心地がよいふしぎ。



初穂料をお納めし、ご祈祷していただきました。同じタイミングでご祈祷の方がいなかったので広い空間にひとり。

祝詞をあげていただいたあと、シャラシャララ……と鈴の音色。その音はとても可愛らしく感じました。

最後におさがりをいただいて終了。
不思議と、心の重みが10あったとしたら6になったようにすっきりしていました!
利いたみたいです。
神主さん、神さまありがとうございます

うしを並べてみたら、たくさんいるので
牧場にいるような尊い感覚
かっこいい背中見せていただきました


ありがとうございました。
また参ります。

帰る人にも言葉がある。素敵だなと思う。
8月のお祭りポスター。提灯の明かりと夜空のコントラストがきれいで引き込まれました。



右京から左京へ

少し前まで、地図を見て朱雀大路か右を右京、左を左京だと思い込んでいました。勘違いでした。

平安京からみて、朱雀大路より左(西)が右京、右(東)が左京でした。北野天満宮は右京側にあります。帰りの時間までにまだあったので左京側に移動、安井金比羅宮にお参りしたあと、十数年(?)ぶりの清水寺を目指しました。

閉門までの時間は少なかったので、バスを降りたら足早に坂道である参道をのぼります。

坂は右端も左端もお土産屋さんがあって、海外からのお客さんも修学旅行生も、たくさんいました。率直にすごいなーという感想。たっくさんの人を惹きつける魅力がすごいです。清水寺って京都の象徴の一つたるイメージがあるけれど、ここを歩くとわかる気がする。

熱中症対策? 霧スプレーの木陰スポット
登った先の境内
撮りたかった憧れの画角。ついに
あじさいもきれいでした


清水寺でも1枚、おみくじを引きました。

何枚も引くものではないと思うのだけれど、芯をなくしていた私はアイデンティティが何なのかわからず再構築が必要で、今の自分を決めるためのことばが必要だったのだと思います。
なのでこの日は、吉か凶かよりも教えの中身を求めて。

◆おみくじの教え まとめ
(北野天満宮&清水寺)

このままでは下降線。気を強く持って、将来の見通しを立てて進みなさい。
→ 気を強く持つって何だろう…?と思いました。そか、これは芯が必要ということなのかもしれない。今は芯がなくなってるから、目標を芯にして進もう。

○花散りて実を結ばんとするが未だ実をつける時期が来たらぬ象(かたち)なり。ならば物事思うようにはゆかねども、ゆるくゆるく時期を待ちて仕合わせよろしかるべし。
→ 身を動かすのは今じゃないとのこと。衝動的に行動していなくてよかった。
ゆるくゆるく…好き。

○火による難に気をつけなさい。
→ 怖すぎる…。絶対注意する。

○酒と浮気は禁物。恋愛は嘆かず尽くすことで報われる。縁談は時期によいものがある。
→ 他人事だと思わないようにしよう。

○争いごとは負ける。慎むべし。
→ 帰り掛けの道端のポスター 名前が「すなお」さんという方の名前の入った看板を見かける。そんな素敵でいい名前の方いるんだなぁ、と思う
→ 戦って心身疲弊し、その矢先にこの看板に遭遇したのは、今の時期は戦わず素直でいなさい、という教えかもしれない

○学習はこれまでを反省せよ。怠けずに努力すれば叶っていきます。
→ やりかけて身についていないことがいくつかあるから、再開しよう。

○病は大病はないが、治りにくいかも。
→ 気をつけよう。検診ちゃんといこう。

○就職、旅行、引っ越しなどは急いではいけません。仕事の転身は秋以降。就職は農業・商業・建築・鉄工業。公務員はあなたの性に合いません(私の場合そうなのだと)
才能に応じて選びなさい。
→ 実は公務員系の採用募集が気に掛かっていたが…。→ やめました。

○ものをなくしたら見つかりませんよ。
 → マジで気をつける…!

出世という漢字、久しぶりに見た。
清水の舞台。かの時代にこの建築。どう作っていたのか


清水寺のクローズ時間とともに、私の京都時間も終わりの方向に。

そういえば、ランチを抜いている…。新幹線に乗る前に京都駅の辻利さんで抹茶のソフトクリームをいただきました。

いただきます



同時期の京都は、あじさいが見頃です。観光目的なら宇治や嵯峨野の大規模なあじさいが良かったのかもしれないです。でも今回はそれより哲学的にまじめに向き合いたかったし、紫や青より、どちらかというと緑の色を心地よく受け取れることに戻りたいと本能的に思っていた気もします。
来年来れたならたくさんのあじさいを見たいし、新しい編集に携われていると北野天満宮に良縁のお礼参りができますように。


ところで、パートナーと2週間の絶交を決めていたくせに、無言が辛くなって10日も早く連絡してしまいました。「え?何で連絡してきたの?話違うじゃん」とかふつう思うよね、と、1時間後におそるおそるスマホをのぞいたら、何事もなかったかのようにな返信をくれていました。やさしい。
ふつうの私だったら、なんでもないことだったのかもしれません。当たり前の平常心を取り戻していきたいと思いました。

おしまい。

また来ます。



Aoi314

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