星月、酒やめたってよ
私は酒が強い。
著書のプロフィールにほとんどザルだと書くくらい。強い。
夫と出会ったのだって、当時夫が働いていたバーだったぐらいなので酒が好きなうえ、酒が強かった。
楽しい思い出の中にはたいてい酒が登場する。
夫とお付き合いしていた時に出かけた麻布十番祭りで、散々ビールを飲んだ後に私は三回、夫は五回テキーラのショットを飲み干して、日比谷線往復してしまったこととか、
東京湾大華火祭でだらだらと、たらふく飲み続けたビールとか。
正月実家に帰って、実父と夫と私、1人1升と半飲んで（3人で5升近く飲んだということですね）翌朝実父だけけろっとしていて、かなりのウワバミで名を馳せた夫に
「お前のお父さんはバケモンだ」
と言わしめたこととか。
私は酒を、美味しく、楽しく、大量に、いただいてきたと思う。
けれど、ここ数年、気になる本に出会うことが多かった。
まずはこの一冊。
まんきつさんの『アル中ワンダーランド』を読んで、お酒を飲む人間なら少なからずは思わなかっただろうか？
いやあ、私はここまで酷くないと。
飲まない日だってあるし、携帯まではしないと。
私もまんまとそう思ったのだけれど、作中のまんきつさんが、他のアルコール依存症の方たちと自分とを線引きしている様子が出てくる描写があり、これは、今私がこの本を読みながらやっていることと、まったく同じだなと思えた瞬間に、
ぎゃー！！！！！！！
と叫びだしたくなった。
そして、私はアルコールをコントロールできているだろうか？ と考えた時に、答えはノーだった。
飲まない日だってあるけど、ほとんど毎日のように晩酌していたし、
これ以上飲んだら、翌日具合悪くなるかも、と思っても飲んでいたし、
何より、お酒を飲んでいたらできない条件(その日は絶対に運転しなくてはならない等)があって飲めない時がっかりしている自分はアルコールをコントロールできているとは言えないないなあという結論に落ち着いた。
さらにまだ読んでいないのにタイトルだけで考えさせられたこの一冊。
町田康さんの『しらふで生きる 大酒飲みの決断』このタイトルで、あ、私もしらふで生きたいと何となく思いました。まだ読んでいないのにタイトルで(笑)
本は今日買ってきたので近々読みたいと思います。
そして、お酒やめようかな？ と思って買ったのはこの一冊でした。
アレン・カーの『禁酒セラピー』です。アレン・カーと言ったら『禁煙セラピー』が有名ですよね。あれの禁酒版きっとあるだろうと思ったんです。
私は『禁煙セラピー』で禁煙したんですが、ストレス一切なく禁煙できたので、スパッとお酒をやめるならアレン・カーは頼りになるなあと思ったのです。
ただ、購入してから、ずっと積読していました。
なぜでしょう？
『禁煙セラピー』で禁煙した私は知っているんです。
『禁酒セラピー』で禁酒に成功したら、本当に一生お酒飲まないだろうなって。
だって私『禁煙セラピー』で禁煙してから、一ミリもタバコのこと考えなくなったんだもの。
たぶん『禁酒セラピー』で禁酒に成功したら、同じようにお酒のことを一ミリも考えなくなる。
こんなに酒が好きなのに、一ミリも考えなくなるなんて、寂しい気もする。
とやめない人間特有のぐずぐずした感情から、かなり積読していました。
昔、とあるおじいちゃんのお客様が言っていました。
「酒飲みってもんは意地汚いよねえ。最後の最後まで飲もうとする」
大酒飲みの私はなかなか禁酒そのものに踏み切れなかったんですよねえ。
ぐずぐずぐずぐずしていましたわー（笑）
でも、先月とうとう読みました。
そして、もう二度とお酒を飲むことはないと思います。
とうとう読んだ理由、要するにお酒をやめた理由ですが、1番の理由は私は時間が欲しかったということ。
週6で働いて、家族もいる主婦でもある私にとって読書と執筆の時間はご馳走のようなものなんです。
この時間を増やしたかった。
どちらも、飲んでるとできないことだから。
いつ死ぬかなんて本当に分かりませんが、もしも、すぐ先だったとしたら、きっと後悔するなあと思った。
もっと読めばよかった。
もっと書けば良かったって。
忙しい忙しいと言っても酒飲んでるじゃん。と罪悪感まで覚えるようになってしまって。
それで、とうとう『禁酒セラピー』を先月読みました。で酒やめて1カ月たちました。
まだ、たったの1カ月やーん。という声も聞こえてきそうですが、飲まないはず……。です（笑）
お酒やめてからの変化なのですが、
・2週間で肌が変わりました。
シミが薄くなりました。薄くなったというより全体の肌色が変わったのかもしれませんが、それまでよりワントーン調子がいいです。
・熟睡できるようになりました。明らかに眠りが深いんです。
・そして、なんと、最近何やっても落ちなかった体重まで落ちました（笑）
読む時間も、書く時間も確実に増えたので、本来の目的もちゃんと達成できました。
さすがのアレン・カー。飲めなくなって残念な気持ちが一ミリもありません。
と、言ってもまだたった1カ月。
来年の今頃、これをまた読み返した時に自分が飲んでいたら……。
盛大に笑ってやってください（苦笑）
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