星月渉

創作大賞2023 光文社編集部賞、テレビ東京映像化賞を受賞。 『三毛猫カフェトリコロー…

星月渉

創作大賞2023 光文社編集部賞、テレビ東京映像化賞を受賞。 『三毛猫カフェトリコロール』三交社スカイハイ文庫より発売中。『ヴンダーカンマー』にて竹書房最恐小説大賞受賞

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「断罪パラドックス」   第1話

第一章   一条美紀  お集まりいただきましたみなさまには、本日貴重なお時間をいただき誠にありがとうございます。通常でしたら、土曜日の午後、この体育館では部活動が行われていたでしょうね。昨年度はバスケットボール部が県大会で準優勝だったとか。私もPTA会長になりちょくちょく学校に来るものですから時折体育館を覗きました。若人が真剣にスポーツに取り組む姿は本当に美しいものですね。  校舎も三年前に建て替えられたばかりです。冷暖房も完備されていますし、どこか城跡を思わせるデザイン

    • 創作大賞2024授賞式にお招きいただきました。

      創作大賞2024、中間選考を通過していた私。 待てどくらせど受賞の連絡は来ず。 まあ、さすがに二年連続はないか。小説も漫画原作もなかなか面白いと思うんだけどな……。とほほ。 まあ、結果は結果だ。受け止めよう。そう思っていたところ、OGとして今年の授賞式にお招きいただけるとご連絡いただき、ぜひとも、と返信したのでした。 当日、無事会場につき、エレベーターを待っていましたら、先頭の方に「あれ?もしや?」と思ったのです。マスクをされているから確信は持てないけれど、もしや? い

      • 【短編小説】「クィーンパラドックス」

         私の人生にけちがつきはじめたのはいつからかと誰かに尋ねられたら、二十年前、プロムクイーンになりそこねた所からだと話すだろう。  もし、あの時クイーンになれていたなら、今こんな窮屈になりかけていて油染みの抜けきれていない野暮ったい制服を着て、ダイナーのテーブルを拭いたり、少ないチップの金額に一喜一憂したりもしないだろうし、住む場所もおんぼろのトレーラーハウスなんかじゃなかったはずだ。  ママだってキッチンドランカーにならなかったはずだし、パパが胡散臭い投資話に乗って借金まみ

        • 『私の死体を探してください。』の発売日後、まだ大量に在庫はあったのに即座に新しい名刺を作った理由。

          創作大賞2023受賞のご連絡をいただいて、授賞式に向かう前、私はおおげさかな? と思いつつも、筆名の名刺を作りました。私はそれまでは筆名の名刺が必要に迫られていなかったので初めて名刺を作ったんです。 色々迷いながら、必要最低限の情報だけを入れたんです。 メールアドレスや電話番号、Twitterアカウントなどです。 小説家と書くかをかなり迷って、入れませんでした。 授賞式ではお話ができた受賞者のみなさまも名刺を作られていたので、交換しました。 その時は特に何も思わなかった

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        「断罪パラドックス」   第1話

        • 創作大賞2024授賞式にお招きいただきました。

        • 【短編小説】「クィーンパラドックス」

        • 『私の死体を探してください。』の発売日後、まだ大量に在庫はあったのに即座に新しい名刺を作った理由。

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        • 『私の死体を探してください。』にいただいた感想
          9本
        • 私の死体を探してください。(13話まで試し読み公開中)
          14本

        記事

          憧れの「RENT」を観劇しました。

          先日、初めてRENTを観劇しました。 私とRENTの出会いは映画版のテレビCMで聞いたSeasons of love。頭にこびりついて気づけば鼻歌を歌っていた楽曲です。 出会いは映画からでした。映画を数えきれないほど観ました。ストーリーと楽曲の素晴らしさにひかれ、サウンドトラックを買い、ずっと聞き続けていました。 ジョナサン・ラーソンがひとりで書き上げたという楽曲のバリエーションの豊かさ(ロック、バラード、チャチャ、ディスコ、タンゴ、ゴスペルなどなど)とその楽曲そのもの

          憧れの「RENT」を観劇しました。

          『私の死体を探してください。』記事まとめ

          いよいよ本日24:30より『私の死体を探してください。』のドラマがスタートいたします。 せっかくですのでドラマ撮影見学レポートや、インタビュー。あとがきなどをこちらにまとめておきたいと思います。 ドラマ撮影見学レポート 静岡県裾野市で行われた撮影を私が見学し、書かせていただきました。Part3までありますのでぜひ。 小説宝石9月号に掲載されたインタビュー こちらから読めます。 note連載当時のあとがき キャストのみなさまにサインをいただいた台本。 伊藤淳史さ

          『私の死体を探してください。』記事まとめ

          台風ののため本日まで無料公開してくださっているので、先程の記事はこちらから読めます!! https://x.com/sanyo_news/status/1830023258718290347?s=46

          台風ののため本日まで無料公開してくださっているので、先程の記事はこちらから読めます!! https://x.com/sanyo_news/status/1830023258718290347?s=46

          【本日の山陽新聞さまに記事が掲載されています】 『私の死体を探してください。』の記事が本日の山陽新聞さまの誌面に掲載されております。WEBでも無料会員登録をしていただけると読めますので、ご面倒でなければぜひ! https://www.sanyonews.jp/article/1603851

          【本日の山陽新聞さまに記事が掲載されています】 『私の死体を探してください。』の記事が本日の山陽新聞さまの誌面に掲載されております。WEBでも無料会員登録をしていただけると読めますので、ご面倒でなければぜひ! https://www.sanyonews.jp/article/1603851

          『私の死体を探してください。』ドラマ撮影見学レポートPart3最終回です。 自分の頭の中にしかなかったストーリーがこうして沢山の方に関わっていただけたこと、本当にありがたいことだと思います。 https://note.com/giallo_kobunsha/n/nae4a59743042

          『私の死体を探してください。』ドラマ撮影見学レポートPart3最終回です。 自分の頭の中にしかなかったストーリーがこうして沢山の方に関わっていただけたこと、本当にありがたいことだと思います。 https://note.com/giallo_kobunsha/n/nae4a59743042

          ドラマ撮影見学レポートPart2が公開されています。別荘の近くにはまさかの○○○○○が自生していて!? https://note.com/giallo_kobunsha/n/na904ad92eca9

          ドラマ撮影見学レポートPart2が公開されています。別荘の近くにはまさかの○○○○○が自生していて!? https://note.com/giallo_kobunsha/n/na904ad92eca9

          『私の死体を探してください。』ドラマ撮影を先日見学させていただいたのですが、その時のレポートを光文社文芸編集部のnoteに掲載されています。 私のポンコツっぷりをぜひご堪能ください(笑) https://note.com/giallo_kobunsha/n/n81af84f15646

          『私の死体を探してください。』ドラマ撮影を先日見学させていただいたのですが、その時のレポートを光文社文芸編集部のnoteに掲載されています。 私のポンコツっぷりをぜひご堪能ください(笑) https://note.com/giallo_kobunsha/n/n81af84f15646

          小説宝石9月号に掲載されたインタビューがこちらで読めますのでよろしかったぜひ。 かぶれかそうじゃないかと尋ねられたら私も「かぶれ」です。 だからこそ許し難いなあと思い続けてきたのでした。なんのことかはこちらを読んでいただけたら!! https://note.com/giallo_kobunsha/n/n6109195277dd

          小説宝石9月号に掲載されたインタビューがこちらで読めますのでよろしかったぜひ。 かぶれかそうじゃないかと尋ねられたら私も「かぶれ」です。 だからこそ許し難いなあと思い続けてきたのでした。なんのことかはこちらを読んでいただけたら!! https://note.com/giallo_kobunsha/n/n6109195277dd

          【短編小説】『ポケットから一縷』

           リビングのエアコンを切って窓を開けると蝉の声がうるさくて頭が痛くなりそうだった。せりあがる憂鬱を押しのけるように、のろのろと歩いてこども部屋へ向かった。  ようやく片づける気になれたわけではない。片づけることにしたのはこの家を引っ越さざるを得なかったからだ。もうすぐ私たちは離婚する。  建売住宅だったが、私も隆文も気に入っていた。購入した当時、もうすぐ子どもが産まれる私たちにはすぐに入居できるこの家がありがたかった。周りには同じハウスメーカ―が建てた家が十数軒並んでいて

          【短編小説】『ポケットから一縷』

          老眼とミー

          私は普段基本的にメガネをかけて生活しているのだが、夏場だけはずっと通してコンタクトレンズを使う。皮膚が弱い私は夏場メガネで過ごすとノーズパッドがあたる部分がかぶれ、かゆくなったり赤くなったりするからだ。 去年の夏、メガネで過ごしていると気づかなかったことに気づいた。 コンタクトレンズを久々につけてから、本当に突然気づいた。 あれ? 目から20㎝以内にはいると文字が読みにくい? これってもしかして?  老眼? ガーン。 コンタクトレンズをつけてから、気づいたけれど

          老眼とミー

          君たちが大人になった時に話をしたい大人でありたいと、いつも想っているんだ。

          もうすぐ19歳になる私の娘が産まれた時、この手に抱いたその存在の大きさに打ち震えながら、ごめんなさいとも思った。 女の子。女の子であった私が子どものころから、今までぶつかってきた問題にぶつからないと約束できない世の中に、私の「子どもが産みたい」というエゴのもと産まれたのだから。 子どもの存在は未来そのものだ。 その未来である娘に、私ができることは何か? 私が考えたこと、それはいつもごきげんなお母さんでいることだった。 娘にも後に産まれた息子にも、私の「機嫌」に振り回

          君たちが大人になった時に話をしたい大人でありたいと、いつも想っているんだ。

          NetGalleyのFMラジオで紹介していただきました。こちらのnoteで聴けます。スキしていただけたら嬉しいです。NetGalleyに感想をくださった皆さま、本当にありがとうございます。 https://note.com/netgalley_japan/n/n37c53f8f2a4b

          NetGalleyのFMラジオで紹介していただきました。こちらのnoteで聴けます。スキしていただけたら嬉しいです。NetGalleyに感想をくださった皆さま、本当にありがとうございます。 https://note.com/netgalley_japan/n/n37c53f8f2a4b