見出し画像

田舎の空き家 価格の決め方

ほしぞら通信 #005

土地建物を日頃から売り買いしているという専門家の方をのぞけば、その価格が決まる場面に出くわすことも滅多にないと思います。

おおざっぱな話としては、売買価格は売る人と買う人が納得すればOK、ということになります。これは普段のお買い物と同じことです。商品が価格に見合っていれば買いますし、見合っていなければ買いません。

最近ではお店で値切りの交渉をする場面もあまり見ませんが、不動産の場合は取り引きでこの価格交渉が行われることもよくあります。

とにかく、価格交渉をするにしても、最初に売りに出す価格を決めなければなりません。ちなみに、宅建業者は(一部例外もありますが)広告する場合はこの価格を必ず明示しなければなりません。基本的に「価格=相談」はダメです。
 
で、この価格を決め方には、実際いろいろあるとおもうのですが、ぼくの場合は次の3つのポイントで売主さんに助言をしています。

1.査定価格
ひとつめが査定価格です。売却相談を受けたときに売値を決めるために査定を行うことがあります。不動産屋が査定を行うときには「その根拠をちゃんと示しなさい」と法律で定められています。そのときの根拠となるものが市場価格と物件調査です。

市場価格としては、「過去の売買実績」と「周囲の似たような物件の売出価格」を用いることになります。

ところが、市街地ならともかく田舎になるとこの「過去の実績」や「周囲の売物件」が全くないところがほとんどです。

そこで登場するのが、固定資産税の評価額です。これは、あくまで税額を決めるための根拠なので、実際に取引される金額(売値)ではありません。

ただ、固定資産税は国が市場の調査をもとに算出する地価公示をもとに市町村が設定しているので、とんでもなく安いとか高いということもありません。という訳で、ほしぞら不動産ではこの固定資産税の評価額を市場価格の代わりに用いて査定をすることもあります。

ふたつめの物件調査は、この物件がどのようなものであるかの調査で、その結果を価格に反映させます。道路や水道等のインフラの状況もなども大きく関わってきます。
 
2.必要経費
つぎに、不動産を売る場合に、損をしてまで売りたくないとお考えになるのは当然です。なので、最初にこの必要経費を全て確認します。
 
売却の必要経費としては、相続登記、未登記建物の登記、境界確認、片付け、仲介手数料、印紙代、あとはお墓じまい……などがあります。

3.売主様のご意向
そして最後が、売主様のご意向です。不動産屋などによる査定や必要経費をもとに、「売却していくらか手元にお金が残るようにしたい」または「赤字でもいいから売りたい」といった、お考えをもとに売り出し価格を決めていきます。
 
ほしぞら不動産では、以上の要素によって売出価格をご提案して、売主様が最終決定されます。

なかなか売れない物件については価格の見直しを行うこともあります。

おそらく、人生でそう何度もあることではない不動産の価格決めですが、なんとなくその様子がおわかりいただけましたでしょうか。
 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?