新年のできごと

 新年が始まって唐突に、とても運命的な本との出会いをした。

 ふらりと入った旅行先の書店で、偶然手に取った本がすごくすごく面白かった。読書人生のベスト10に入るくらい面白かった。

 いわゆる心に刺さった、というアレである。

 たまたま手に取った、一冊の本が運命的なものになる。

 遠い場所に住む、誰かが書いた小さな物語に救われることがある。

 このエッセイも、いつかどこかの誰かの心に留まることを祈って、書いている。日常のことも、ちょっとした気づきでも。運命的でなくてもいい、ほんの少し嬉しい気持ちになってくれればそれで良い。

 ほんの少しの言葉で、絶望してしまうことがある。救われることもある。

 その、ほんのちょっとの救いになりたい。

 偶然目にした誰かの、ちょっと嬉しい出来事になることを祈って。
 
 だから、私は書くのだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?