「ダスカロスの教え」と「東洋医学」を融合させる試み(9)
足の陽明胃経
“胃” の機能
“陽明胃経” の走行
【考察的メモ】 “陰経” と “陽経” の違い
「陰経」と「陽経」はぞれぞれ “臓” と “腑” に属するという違いのほか、「経脈の走行」に特徴的な違いがあります。
要するに、走行路の観点からいうと「頸部~頭部の走行の有無」に、感覚神経の観点からいうと「脳神経 支配の有無」に違いがみられるということ。
軽い “陽気” は頭部に集まりやすく、重い “陰気” は下肢に集まりやすいので、それらを上手く循環させるために「陰経」は “陰気” を引き上げ、「陽経」は “陽気” を引き降ろし、 “気”・“血”・“津液” を全身にまんべんなく廻らせています。
「頭部」に集まりやすい “陽気” の循環を促すには、「陽経」を使うのが効果的ですが、イライラ・のぼせ・ほてり・頭痛などの改善には直接患部を刺激するより、「下肢」にある「陽経」を刺激して、頭部から下肢へ “陽気” を引き下ろすのが望ましいでしょう。
基本、刺激が加えられたところに “気”(主に “感覚エーテル” と “運動エーテル”)は集まります。病状に合わせ、足りないところは補い、多すぎるところは散らす方向へ、“気・血・津液” を動かしましょう。
また、“経脈” が「体の前面」を走行する場合と「体の後面」を走行する場合の違いをデルマトームでみると、「仙髄」(S)に特徴が表れます。
「体の前面」には、S1~S5の脊髄神経の支配領域がありません。つまり、S1~S5に関しては「陽経」からのアプローチが有効……ということになります(注:絶対的な法則ではありません)。
「仙髄」(S)から伸びる 坐骨神経 は人体でもっとも太く長い末梢神経で、臀部・下肢後面・かかと・足の外方側面・足底の感覚と運動を支配します。
坐骨神経の分枝は 脛骨神経 と 総腓骨神経 で、これらは下腿(膝から下)の後面・外方側面・前面・足底の感覚と運動を支配しています。
“陽明胃経” のデルマトームと特徴について
「陽明胃経」には、他の「陽経」にはない特徴があります。それは「陽経」なのに、人体における「陰」の領域 を走行すること。
「胃」は「脾」と表裏一体となって働き、“陰気” に富んだ “血” や “津液” を生成するので、「陽明胃経」は「太陰脾経」と並行して「陰」の領域を走行する……といわれています。
また「陽明胃経」は、咀嚼筋 や 顎関節 に直接アプローチできる経脈です(後述)。加えて、喜怒哀楽を表現する 表情筋 にも関与するため、情緒が絡む症状に効力を発揮します。フェイスマッサージを受けると深くリラックスできるのは、表情筋の緊張がほぐれると同時に、頭部~頸部に滞留しがちな “陽気” を全身に還流させることができるからだと思います。
“陽明胃経” の経穴
【ST1 承泣/皮枝は三叉神経の第二枝(上顎神経)】
【ST2 、四白/皮枝は三叉神経の第二枝(上顎神経)】
【ST3、巨髎/皮枝は三叉神経の第二枝(上顎神経)】
【ST4 、地倉/皮枝は三叉神経の第二枝(上顎神経)】
これらの経穴の皮枝は、 三叉神経(第Ⅴ脳神経)の第二枝(上顎神経)です。三叉神経は、眼神経・上顎神経・下顎神経の3つに枝分かれした神経で、それらに含まれる感覚神経の主なものが眼窩上神経・眼窩下神経・オトガイ神経です。で、この3つの神経はそれぞれ、眼窩上孔・眼窩下孔・オトガイ孔を通って 頭蓋 内から皮下に出ていきます。「四白」は眼窩下孔の位置にある……と覚えておきましょう。
「承泣」~「地倉」は表情筋に関与する経穴なので、感情面の緊張を解くのに使えます。ことに口角にある「地倉」周辺は感情が表出しやすい部位です。口角周辺を緩めると、イライラや怒りなどのネガティブ感情が鎮まり、感情的な問題からくる胃腸の失調を予防できます。
【ST5 大迎/皮枝はC2~C3】
【ST6 頬車/皮枝はC2~C3】
「大迎」と「頬車」は、咀嚼筋 として働く「咬筋(こうきん)」の上にあります。咬筋は、人体の中でもっとも力の強い筋肉です。これらの経穴は、次で紹介する「下関」(顎関節上にある)と「頭繊」(側頭筋 上にある)と共に、アゴの歪みや食いしばりなどの顎関節の疾患に効力を発揮します。
「咬筋」の支配神経は、三叉神経(第Ⅴ脳神経)の第三枝(V3)の「下顎神経」です。下顎神経は「蝶形骨」の卵円孔を経由し、頭蓋の外に出ていきます。
下顎神経は下顎の歯・下顎・下唇・頬・オトガイ・頬粘膜・舌の前2/3の「感覚」を司ると共に、咀嚼筋の「運動」も司っています。三叉神経の3本の枝のうち、運動神経線維 を含むのは下顎神経だけです。
また、三叉神経が通過する「蝶形骨」の中心には トルコ鞍 と呼ばれる凹みがあり、さまざまな種類のホルモンを分泌する 下垂体 が納まっています。
さらに「蝶形骨」は、咀嚼筋の 外側翼突筋 と 内側翼突筋 の起始部でもあります。
【ST7 下関/皮枝は三叉神経の第三枝(下顎神経)】
【ST8 頭維/皮枝は三叉神経の第一枝(眼神経)・第二枝(上顎神経)】
両頬の「下関」を軽く押さえ、口を開閉するとアゴの歪みの有無がわかります。アゴの歪みの影響は全身に波及しますので、日頃から「下関」周辺の緊張や歪みを取るよう心がけておきましょう。
「頭維」も咀嚼筋(側頭筋)の上にあります。なので「下関」と同様、顎関節関係のトラブル……歯ぎしりや食いしばりが原因の頭痛や眼痛の改善に使えます。「頭部」は “陽気” が溜まりやすい箇所ですから、顔のほてり・のぼせ・イライラ・眼の充血・不眠などの改善には “熱を抜く” イメージでアプローチすると良いです。後述する「内庭」(胃経の榮穴)にも、「頭部」の “熱を抜く” 効果があります。
また、「下関」から「頭維」にかけては、「蝶形骨」に触れることができる部位です。
「蝶形骨」は全身のバランス(中心軸)を正すことができるポイントなので、こめかみ周辺の歪みや緊張を取ると全身がほぐれます。ただし、強く刺激すると状態が悪化することもあります。こめかみ周辺への刺激は慎重に行ってください。もちろん、他の場所についても同様です。
強い力でマッサージされることを好む方は多いですが、それによって筋肉・神経・血管・リンパ管・骨などが損傷してしまうことがあります。むろん、“気”(エーテル)を用いた治療においても同様ですから、、、いずれにせよ過度の刺激は厳禁なのです!
【ST9 人迎、ST10 水突/皮枝はC2~C3】
【ST11 気舎、ST12 欠盆/皮枝はC3】
胸鎖乳突筋をほぐす際は、起始部と停止部への刺激が効果的です。「起始部」は胸骨頭と鎖骨頭の2ヶ所(「気舎」はこの2点の合間)で、「停止部」は 乳様突起 周辺です。
「気舎」から「欠盆」にかけては、「静脈角」(鎖骨下静脈と内頸静脈の合流部、リンパ管が集合する部位)にアプローチできるポイントです。
「静脈角」は、胸鎖乳突筋の鎖骨頭の下にあります。鎖骨の凹みを優しく撫でると、リンパ循環を促せます。
【ST17 乳中/皮枝はT4(第4肋間神経)】
【ST19 不容/皮枝はT7(第7肋間神経)】
【ST25 天枢=大腸の募穴/皮枝はT10(第10肋間神経)】
【ST30 気衝/皮枝はT12(第12肋間神経)】
「欠盆」から「天枢」にかけての「陽明胃経」は、哺乳類が持つ乳腺に関係する……という説があります。人間の場合、乳腺は通常は左右1対ですが、稀に「乳腺堤」と呼ばれるラインに沿って複数の乳腺(副乳)が出現することがあります。
「副乳」は「太陰脾経」の走行上にもできます。
赤ちゃんを母乳で育てたお母さんは実感できると思いますが、食事を取ると乳房がパンパンに張ってきます。母乳の味や匂いが、食事の内容によって変わることもご存じでしょう。「東洋医学」では、母乳を「血の変化したもの」と捉えます。その意味において、乳頭に “気”・“血”・“津液” を生成する「陽明胃経」が通っているのは理にかなっていると感じます。
「欠盆」から「気衝」にかけての「陽明胃経」の走行は、「リンパ系」にも関与します。
ことに「不容」から「天枢」(大腸の 募穴)にかけては、「乳び槽」と呼ばれる下半身および腸管からのリンパがすべて流れ込んで貯留される器官があります。このへんには腹部を走る大動脈と大静脈の太い血管もありますので、「陽明胃経」に沿ってお腹を撫でると、リンパと血液の循環が良くなり、消化吸収力もアップすると思います (*^^)v
それと、「陽明胃経」のように腹部~胸部を走行する経脈は、「呼吸筋」にもアプローチできます。
腹部~胸部をほぐすと呼吸が楽になり、リラックスできます。呼吸は「呼吸筋」によって「胸郭」が膨らんだり、縮んだりすることによって行なわれます。というわけで、「胸郭の可動性」がとても重要なのです。
「呼吸」は心身の健康においてもっとも重要な要素であり、「飲食」と共に自力でコントロールできるものなので、意識的にうまく使えるようになっていきましょう。
さて、「鼠径部」にある「気衝」から「陽明胃経」は下肢に入っていきます。
「鼠径部」にある鼠径靭帯(上前腸骨棘と恥骨結合を繋ぐ靭帯)の下部は、太い血管・リンパ管・神経などが皮膚に近いところにまとめて出てくるところです。また「鼠径部」は、腸腰筋(上体と下肢をつなぐ重要な筋肉)に触れることができる部位でもあります。
「鼠径部」に手を当てて “気” を流すと、血やリンパの流れがよくなりますよ!
【ST31 髀関/皮枝はL2】
【ST34 梁丘=胃経の郄穴/皮枝はL4】
【ST35 犢鼻/皮枝はL4】
鼠径部、上前腸骨棘~大腿直筋の外縁に沿った経脈への刺激は、滞りがちな下肢の “気血津液” の廻りを改善し、「胃」の働きをサポートします。
胃経の 郄欠 である「梁丘」は、人体で最も大きい筋肉の「大腿四頭筋」(大腿直筋・外側広筋・内側広筋・中間広筋)の強靭な「腱」に接しています。栄養不足になると筋肉が痩せ、足腰が弱ります。大きな筋肉のそばにある「梁丘」は、「胃の状態」(栄養状態)を診るポイントとしてうってつけなのです。
【ST36 足三里=胃経の合穴、四総穴、胃の下合穴/皮枝はL5】
【ST37 上巨虚=大腸の下合穴/皮枝はL5】
【ST38 条口/皮枝はL5】
【ST39 下巨虚=小腸の下合穴/皮枝はL5】
【ST40 豊隆=胃経の絡穴/皮枝はL5】
【ST41 解渓=胃経の経穴/皮枝はL5】
「足三里」から「下巨虚」までは、前脛骨筋 の上を走行します。前脛骨筋の起始部は 脛骨 の外側上部2/3、停止部は 内側楔状骨 の内側面、第一中足骨底です。
「足三里」へのお灸が足の疲れを取るのは、前脛骨筋の「起始部」にあるからではないでしょうか? 前脛骨筋は、スムーズな歩行や立ち上がりに欠かせない筋肉です。
また「足三里」は「肚腹は三里に留める」と謳われる 四総穴 のひとつで、胃腸の病の特効穴です。たしかに「足三里」を刺激すると唾液が出て、お腹がグルグル鳴ったりします。さらに「足三里」は胃の 下合穴 でもあるため、「胃腸の病」への効果は高いのです。加えて胃経の 合穴 ですから……吐き気やのぼせなどの “逆気” の病にも効きます。そして、前脛骨筋の上には、大腸の下合穴の「上巨虚」、小腸の下合穴の「下巨虚」もあるので、スネ(脛骨の尖ったところ)と腓骨の間は「胃の気」を活性化するのに最適な部位といえるでしょう。
「豊隆」は胃経の 絡穴 で、経脈と経脈をつなぐ「絡脈」にある経穴です。「絡脈」とは、皮膚表面に近いところにある「静脈」(皮静脈)である……という説があります。確かに、四肢末端にある絡穴の周辺は、青い静脈がくっきりと透けてみえたり、浮き出ていたりしています。
膝から下は血液やリンパが滞留してむくみやすいところですから……「陽経の絡穴」で “陽気” を引き降ろし、「陰経の絡結」で “血” や “津液” を引き上げるようにしてみましょう。むくみや下肢静脈瘤については、ひざ裏にある膀胱の下合穴である「委中」(いちゅう)もひじょうに有効です。
足首にある「解渓」は、 長母指伸筋 腱と 長指伸筋 腱の間の凹みに取ります。足を背屈させて浮き出る「腱」は何本かあり、そのうちもっとも目立つのは前脛骨筋腱で、その横並びにある少し細い2本の「腱」が長母指伸筋腱と長指伸筋腱です。
【ST42 衝陽=胃の原穴/皮枝はL5】
【ST43 陥谷=胃経の兪穴/皮枝はL5】
【ST44 内庭=胃経の榮穴/皮枝はL5】
【ST45 厲兌=胃経の井穴/皮枝はL5】
「衝陽」は 足背動脈 の拍動部に取ります。
動脈硬化などで虚血(血液不足、血流不全)状態になると、足背動脈の拍動が感じられないかもしれません。胃の 原穴 である「衝陽」で、“胃” が正常に働いて“気血” が充分に供給されているか? チェックしてみましょう。ここがゴリゴリして痛く感じるときは、「胃」の調子が良くありません。
「内庭」は 榮穴 なので、経脈や臓腑にこもった熱を冷ます作用があります。のぼせ・ほてり・胸やけ・食あたり・頭痛などに効きます。お灸をすえる場合は正位置ではなく、足裏の「裏内庭」を使います。
足の第2指を折り曲げ、指が足裏につく位置に取ります。
【太陰脾経への連絡】
「衝陽」から分岐して第1指に至り、足の太陰脾経 につながります。
足の太陰脾経
“脾” の機能
「東洋医学」における “臓腑” と実際の “臓器” をイコールで結ぶことはできませんが、「脾」が人体でもっとも大きなリンパ器官であり、造血機能・血液の貯蔵・免疫機能などを担う「脾臓」であることは間違いありません。
が、消化吸収という機能面からいうと、「脾臓」に隣接する「膵臓」も「脾」の範疇に入れるべき……といわれています。
「ダスカロスの教え」では、「脾臓」と「肝臓」に位置する エーテル・センター を、肉体における「シンボル・オブ・ライフ」のセンター7とセンター8に割り当てています。
“太陰脾経” の走行とデルマトーム
共同して働く「脾」と「胃」は、「経脈の走行」も似通っています。
“太陰脾経” の経穴
【SP1 隠白=脾経の井穴/皮枝はL4】
【SP2 大都=脾経の榮穴/皮枝はL4】
【SP3 太白=脾の原穴、脾経の兪穴/皮枝はL4】
【SP4 公孫=脾経の絡穴、八総穴/皮枝はL4】
【SP5 商丘=脾経の経穴/皮枝はL4】
「大都」から「商丘」は、「足のアーチ」の内側縦アーチ(土踏まず)を形づくる部位です。
「足のアーチ」が崩れると、さまざまな問題が生じます。
「公孫」は内側縦アーチのいちばん高いところ、「公孫」と「商丘」は前脛骨筋および 後脛骨筋 の停止部近くにあるので、「足のアーチ」の状態を診るのに適します。かつ崩れたバランスを調整する経穴としても有用で、ことに「公孫」は脾経の 絡穴 であり、八総穴 でもあるので、ひとつで何役もこなせる「脾」の特効欠です。
【SP6 三陰交/皮枝はL4】
【SP8 地機=脾経の郄穴/皮枝はL4】
【SP9 陰陵泉=脾経の合穴/皮枝はL4】
これらの経穴の皮枝は、大腿神経(L2~L4から発生)の分枝の伏在神経(ふくざいしんけい)です。伏在神経は、膝内側と下腿内側の感覚を支配する感覚神経です。
伏在神経に沿うように、大腿静脈の支脈の伏在静脈が走行しています。伏在静脈は皮膚に近いところにある表在静脈で、主にこの静脈に「下肢静脈瘤」ができます。
ふくらはぎの筋肉が持つ筋ポンプ作用によって、下肢の血液は心臓に送り返されています。が、運動不足などでこの作用が低下し、さらに逆流を防ぐ静脈弁が加齢などの要因で壊れてしまうと、「下肢静脈瘤」ができてしまいます。
下肢の内側にある経脈……「太陰脾経」・「少陰腎経」・「厥陰肝経」の3つの「足の陰経」は、“血” や “津液” を身体の上部に押し上げる作用があります。“陽気” を下肢末端まで降ろす作用がある「太陽膀胱経」とセットで使うと、下肢に溜まりがちな “血” や “津液” の循環を促すことができます。
また、スネの内側やふくらはぎにある経穴は、「脾」と「胃」の機能低下によって生じる 痰湿(たんしつ)体質の改善にも有効です。
【SP10 血海/皮枝はL3】
【SP11 箕門/皮枝はL2】
【SP12 衝門/皮枝はL1】
「血海」は「陽明胃経」の「陵丘」と同じ高さにあり、同じく大腿四頭筋の上にある経穴です。大腿四頭筋は人体でもっとも大きな筋肉ですので、この筋肉の酸素やエネルギーの消費量は大きいのです。「血海」はその名の通り “血” に関する症状に効果があり、大腿の「深部」にある太い静脈・動脈・神経を間接的に刺激して “血の廻り” を改善します。
そして「箕門」と「衝門」は、大腿動脈・大腿静脈・大腿神経の走行上に位置しています。これらの経穴への刺激は、下肢の血液やリンパの循環を良くします。とくに女性は骨盤内に「子宮」があり、下半身の血液循環が滞りやすいので、下肢の経穴をうまく使って改善を図ってみてください (*^^)v
【SP13府舎/皮枝はL2】
【SP14 腹結/皮枝はT11】
【SP15 大横/皮枝はT10】
【SP16 腹哀/皮枝はT8】
【SP17 食竇/皮枝はT5】
【SP20 周栄/皮枝はT2】
【SP21 大包、脾の大絡の絡穴/皮枝はT7】
「府舎」から「腹哀」にかけては、「大腸」の 上行結腸・下行結腸・横行結腸 を刺激するポイントになります。
「東洋医学」の本には、「大横」の名前は横行結腸に由来するとありますが、解剖学的にみると左右の「腹哀」を結ぶラインが横行結腸になります (;^_^A
腹部の経穴を通じて、お腹をコルセットのように取り巻く「腹筋」(外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋)にアプローチすることもできます。
外腹斜筋と内腹斜筋は、体幹をねじるときに使われる筋肉ですが、日常の動作ではあまり使われないので、弱っていたり、硬くなっているひとが多いです。脇からお腹にかけての筋肉を意識的に使い、軽いマッサージで強張りを取ると、体が軽くなって動きやすくなります。
「腹哀」以降、経脈は胸部に入ります。
走行路は外方に2寸動き(正中線から6寸)、「食竇」から「周栄」は胸部の 呼吸筋 群を、第6肋間に取る「大包」は前鋸筋を刺激します。
現代人の暮らしは肩甲骨が前方に引っ張られた状態……つまり、前鋸筋が収縮した状態で固定されがちです。「大包」周辺をほぐし、肩甲骨を正しい位置に戻して姿勢を改善してください。
「大包」は、全身にめぐる “気血” を統括し、臓腑四肢をくまなく滋養をする「脾の大絡」です。
脾の大絡は「十五絡脈」のひとつで、五臓六腑の十二経脈に一つずつある絡脈と、 陽を束ねる督脈、陰を束ねる任脈、脾の大絡の三つを加えて「十五絡脈」です。 「脾」にだけ絡脈が二つある点に、“後天の気” を重視する「東洋医学」の特徴が良く現れている……といわれています。
「大包」はお気に入りの経穴です。「大包」周辺を軽く撫でるだけで、全身が整ってスッキリします (*^^)v
【少陰心経への連絡】
中脘から分岐した経脈が心中に注ぎ、手の少陰心経 につながります。
つづく
ーーー(更新予定)ーーー
9月18日の月食 までに、以下の予定で記事をアップします。
半分ほど非物質界にズレた感覚が続いていて、ボケら~っとしてるだけで満足なのですが、記事も書かなきゃなぁ~ってのがあってバランスとるのに苦労してます、、、が、1日の1/3~半分は睡眠ですから。だいじょーぶ、問題なし。