「ダスカロスの教え」と「東洋医学」を融合させる試み(7)
第7回 ~ 第14回は “十四経脈” と “経穴” に関するものが中心で、「ダスカロスの教え」に絡む内容は少なくなります。
“経脈” と “経穴” を使ったワークについて/正経十二経脈の “走行” と “流注”
“正経十二経脈” の「走行」と「流注」は以下のようになっています。
Noel の “気” のワーク(注:「ダスカロスの教え」のものではありません)では、まず指やてのひらで “経脈” や “経穴” に触れて “気”(エーテル・バイタリティー)を流します。それに馴染んだら、イメージだけで行なえるようにします。そのために、「経脈の走行と流注」と「経穴の位置」を正確に覚える必要がある……というわけで、このような記事を7回に分けて書くことにしました。
“臓腑” と “十二経脈” の関係を覚えよう
“十二経脈” はそれぞれひとつの“臓腑”(エーテル・センター)に属すると同時に、その “臓腑” と「表裏関係」にある “臓腑”(エーテル・センター)に絡(連絡)しています。
対応する “臓器” を持たない “心包” と “三焦” も、エーテル・センター としてみれば無理なく理解できると思います。
“心包” は “心” の代わりに “邪気” を受けることで “心” を守る……とされます。確かに “心”(ハート・センター) に負担がかかると、先に “心包経” に反応が出てくるように感じられます。“心包経” の “労宮” や “内関” は、「気(メンタル)の病」に効く “経穴”(ツボ)です。
また、“心包” と表裏関係にある “三焦経” は、上焦、中焦、下焦にまんべんなく “気” と “水” を廻らせる働きがあります。この “三焦” が働きかけるのは “津液”(津=サラサラした軽い水分、液=ネバネバした重い水分)のうちの “津”(しん)と Noel は考えます。“気” と “津” を調整する “三焦” を、免疫に関る “リンパ系” として捉えるのもアリかもしれません。
「病気の兆候」はまず「表」(浅層)の “腑” に出ます。
肩こり、腰痛、眼精疲労、胃もたれ、便秘、下痢、アレルギーなど……病気がまだ「表」にあるうちに治療すれば、重篤な「臓(裏)の病」の予防ができます。“腑の経脈”(陽経)に出ている兆候を見逃さず、軽く動かしやすい “陽気” に働きかけて早期治療を促しましょう!
“経穴” および “取穴” ついて
“経穴”(ツボ)は、体表に無数にある “気” が出入りするポイントで、「ダスカロスの教え」でいうところの エーテル・センター の小型版です。
“経穴” には以下のものがあります。
同身寸法
“経穴” を取る(取穴する)際は 「同身寸」と呼ばれる、「手指の長さ」を基準にした寸法を用います。
“経穴” の位置が「〇〇から〇寸」などと表された場合は、こちらの尺度を参考にしてください。「同身寸」は体格によって違いがあります。それと、「骨度法」も覚えておくと便利です。
「取穴」については下記がわかりやすいです。各経穴が持っている「効能」も掲載されています。
こちら ↓ は、より正確に取穴したい方向け。
「筋肉」や「骨」などの情報も載っています。「経脈の走行」をイメージするのに役立つイラストがいっぱいあって助かります (๑•̀ㅂ•́)و✧
ともあれ、正しく取穴して指圧すると書かれている通りの効果が得られますので(※)、経穴の位置を正確に覚えることは重要!……ですが、大体の位置を指で撫でたり、“気” を流すイメージを持つだけでも効果はあります。ややこしいことが苦手な方は、ふんわり大雑把に取り組まれてもいいと思います。
ーーー(追記)ーーー
※ これはちょっと誤解を招く表現でした、、、スミマセン (;´Д`A… たしかに効果はありますが、適切な経穴に適切な刺激を加えられるようになるには、かなり練習が必要です。刺激が不適切だと逆効果ですし、たくさん指圧やお灸、エネルギー・ワークをすればより効果が出るというわけではありません。
それと、免疫力の上昇で疼痛、発熱、喉の痛み、かゆみ、怠さなどの症状……いわゆる好転反応が出るケースも多々あります。そのような反応が出たときは安静にして、水分を充分にとって様子をみてください。
毎日ではなく、少し日を開けて実施するのが効果的と感じます。少しずつ、慎重にやるのがよいです。
ーーー(追記おわり)ーーー
あと、“急性の熱” を持った症状ではない場合は、「お灸」がおススメです。
“気” の滞りや不足からくる頭痛、肩こり、腰痛、眼精疲労、冷え性、生理痛などによく効きます♬
“五要穴” について
“十二経脈” と “奇経八脈” の “経穴” には、「要穴」と総称される特有の作用をもつものがあります。それらのうち「五要穴」と呼ばれるものを、まずは覚えてゆきましょう。
原穴
「原穴」(げんけつ)は “原気” が流れ出る、あるいは留まる経穴です。“十二経脈” が伸びていった「手足の先端」にあり、それぞれの臓腑経絡の変調が現れやすく、病状を診るのに適しています。
手足の末端にある「原穴」は診断穴として使いやすく、かつ治療穴としても有能です。指で軽く押圧したときの痛みや違和感、硬結(コリ)、皮膚病変や凹み、熱や膨張などの異常がある場合、その「原穴」に関連する “臓腑”(エーテル・センター)に何らかの病変が生じている可能性があります。
背部兪穴
「背部兪穴」(はいぶゆけつ)は、“臓腑の気” が注ぐ経穴です。“臓腑” の変調や異常の診断、および“臓腑” の疾患の治療に用いられ、胸部または腹部にある「募穴」(ぼけつ)と表裏関係にあります。
「背部兪穴」は「脊椎」の左右を走行する “太陽膀胱経” の経穴で、“棘突起”(きょくとっき、脊柱中央の尖った部分)下縁から左右1.5寸のところにあり、取穴の際は第7頸椎(C7)・肩甲骨下角・ヤコビー線などを目当てにします。
“六臓六腑” の名称の後に「兪」をつけたものが、「背部兪穴」の名称です(注:“心包” のみ “厥陰兪”)。
募穴
「募穴」(ぼけつ)は、「胸部」および「腹部」にある “臓腑の気” が集まる経穴です。“臓腑の気” が注ぐ「背部兪穴」とセットで、“臓腑”の状態の診断と治療に用い、主に “陽病”(“陽気” に偏った病、“腑” の病)に効くとされています。“臓腑” の代謝を高める「募穴」は、何らかの悪性要因(細菌やウイルスなど)、内容物の停滞、腫瘍などが加わった「実証」の治療に用いられることが多いようです。
「募穴」は、各 “臓腑” の経脈外の経穴が指定されている場合が多いです。
郄穴
「郄穴」(げきけつ)は、“胃経” の “梁丘” 以外はすべて「手首~肘」または「足首~膝」の間にあります。反応が強くかつ早く現れるため、「急性疾患」の診断点や治療点として用いられます。 “郄” は「骨肉の間の溝」を指し、触診するとまさに「骨肉の間の溝」のようなところにあります。
絡穴
「絡穴」(らくけつ)は、「肘より先」および「膝より下」にあります。隣接する経脈と連絡しているので、双方の経脈の反応が出やすい経穴です。表裏の経脈に同時にアプローチできるメリットがあり、主に「慢性症状」の治療に使われます。
“五要穴” 以外の “要穴”
五行穴
「五行穴」(ごぎょうけつ)は「肘から先」または「膝から下」にあり、“経気”(脈気の流れ)の特徴によって、井、滎、 兪、経、合(せい、えい、ゆ、けい、ごう)の5種類があります。
これら5穴は、上流から下流に流れる「川の流れ」のようになっています。
手足の末端にある「五行穴」は使いやすく、「五要穴」と共に効果の高い経穴群です。“十二経脈” それぞれの「五行穴」については、第8~第14回の記事で紹介します。
会穴(八会穴)
「会穴」(えけつ)は、 “気血の集まるところ” です。それぞれ “腑”、“臓”、“筋”、“髄”(骨髄・脊髄・脳)、“血”、“骨”、“脈”、“気” の8系統の病に特効があるとされています。
総穴(四総穴・八総穴)
「四総穴」(しそうけつ)は、身体の4つの部分を主治する経穴です。
「八総穴」(はっそうけつ)は、“奇経八脈”(督脈・任脈・衝脈・帯脈・陽蹻脈・陰蹻脈・陽維脈・陰維脈)の主治穴です。
“奇経八脈” は “正経十二経脈” を連携し、“正経十二経脈” を流れる “気血” を調節している……とされます。“督脈” と “任脈” は固有の経穴を持っていますが、後のものは “正経十二経脈” の経穴が使われています。で、以下のように2つの「八総穴」を組み合わせると、2つの “正経十二経脈” にまたがる病症を同時に改善できるといわれています。
マイナーな感じですが、これらの組み合わせもかなり有効。
下合穴
「下合穴」(しもごうけつ)は、“六腑の気” が出入りする “足の三陽経” の経穴で、「六腑の病症」はすべて “足の三陽経” に出るといわれています。
疾患が身体上部、顔面、頸部、六腑などの “経脈” に沿った部位にある時、患部近辺を刺激すると逆効果になることもあります。そのような場合は身体下部にある “下合穴” を使います。
“陽陵泉” を指圧すると頭痛が楽になったり、“足三里” を刺激すると胃がグルグル鳴って動き始めたりしますよ (*^^)v
つづく