(6)エーテル的、多次元的に占星術を考える/「支配星」と「抜け道」
エーテル的に占星術を考える
天体はエーテル(第5元素)を介し、それぞれのエネルギーを周波数共鳴的に宇宙へ響かせており、時空間に形成されたエーテル層に浸る人間は、それらに強く影響されて生きている。
西洋占星術は、エーテルを否定すると成り立たない哲学であり、自然科学である。よって、12サインの分類にもエーテルを導入すべきと考えている。
ダスカロスの教えでは、エーテルを 創造エーテル、刷り込みエーテル、感覚エーテル、運動エーテル の4種類に分けている。これは、理にかなった分類であり、経験的にもわかりやすい。
西洋占星術において、上記4つのエーテルの働きと「直接」結びつけられる用語は見当たらないが、強いていえば4区分に、エーテル的な性質を割り振ることができると思う。大まかだが、下記のように設定してみた。ただし、これはまだ試案なので、変更や撤回もあり得ることを了解いただきたい。
以上と、伝統的な2、3、4区分、およびシュタイナーの12感覚を加えたものを一覧にしてみた。が、この「12サインの分類」は基本1周目(1~12)、つまり肉体を持った3次元の人間に対応したものであることを留意いただきたい。
サインの分類は、各区分の分割数に注目しよう。2区分ならば180度で二元性(対象化、認識)を示す。3区分ならば、120度で生じる拘束力に加え、スタート → 維持 → 調整 という動作性に特徴が出る。4区分ならば、90度のシフトと180度の定着によって生じる4元素への意味の定着や仕分けという捉え方である。
わかりにくいのは、相反する印象が組み合わさっている場合だろう。例えば、乙女座の「柔軟な土」、水瓶座の「固定の風」などだ。ここは、エーテル的な要素を加味し、下記のように考えると感覚的に掴みやすいと思う。
シュタイナーの12感覚については、長くなるので割愛するが、これもサインの性質をよく表現していると思うので載せている。
ーーー(2021/11/24 追記)ーーー
シュタイナーの12感覚は、ごく3次元的な人間の肉体感覚に起居した分類である。ただし、人間の肉体感覚は4次元(10~21)的な要素も多分に含まれるので、完全に3次元(1~9)に閉じているとはいえない。なので、既存の占星術が扱ってきた4次元的な事象、つまり感情レベルに生じる事象に当てはめることができる。
が、後に書いたこちらの記事で言及 したように、わたしはロゴスに近いところにある数字から汲み取った解釈を軸に据えたいので、3~4次元に限定されるシュタイナーの12感覚は、とくに重視する必要はないと感じている。
ーーー(追記おわり)ーーー
多次元的に占星術を考える
ここからは、多次元的な占星術について解説する。
「1サイン30度」で「12サインを3周めぐる」という見解を示した。
基本は下記のような螺旋の流れで、「12サイン3周」の体験が完了すると考えている。
もちろん、3周体験しなければ5次元意識を完成し、6次元意識に到達できないという意味ではない。1周目だけでもすべての次元を体験できる道は開かれていると考えている。努力と自覚次第でショートカットは可能なのだ。
プログレスの太陽(太陽は統合された自己=恒星意識を示す重要な天体)は通常、生涯の間に最大でも5種類程度のサインしか通過しないが、30度(1サイン)動く間に「12サインを3周通過」しているとすれば何ら不足はない。また、約28年でホロスコープを1周するプログレスの月や、トランシット天体なども加えれば、さらにバラエティー豊かな度数やサインの体験が可能になるだろう。天体は10個もある。トランシットの太陽は1年で12サインを1周めぐるが、月、水星、金星の周期はもっと短い。それらも大いに活用しよう。
ただし、天体の影響はエーテルを媒介にして、霊的存在である人間の非物質な身体(肉体のエーテルダブル、サイキカル体、ノエティカル体)に働きかけてくるものだということを忘れてはならない。イデアとしての数字(サイン)が示すのは非物質な根源的な意味とエネルギーである。霊的に「何も感じない、見えない、興味がない、考えたりしない」状態では、自覚的に非物質な影響力を感受し、理解し、使いこなすことはできない。
霊的に未開発な個人は、内面と外面で生じるさまざまな事象に意味もわからず翻弄される。そして、唯一確かで絶対的だと信じている肉体(物質)を失ってはじめて、非物質界の存在に気づく。なるべく物質界にいる間に、永遠の自己である「魂」について考えておくに越したことはない。人生は長いようで、じつはとても短いのだ。
で、近道がいいのか遠回りがいいのか……その辺は個々の「魂」が決めることゆえ、押しつけがましい提案は極力避けたい。が、あえていうならば、神や占いのご託宣、宗教の教義などを鵜呑みにして依存的に生きる場合と、神や占い、宗教など一切信じないが日々真剣にじぶんの心、意識、行為に自律的に向き合って生きる場合と、どちらが霊的覚醒を促すだろうか?、である。
では、ここからは、「1周目の12サイン」を「個人」が通過する際の流れを書いてみよう。
ホロスコープを3区分の「スタート → 維持 → 調整」というステップで分けて4つの成長段階を現わし、そこに4区分のエーテル的な要素を取り入れ、ジオセントリック(地球中心・ハウスの概念あり)のホロスコープを解釈してみた。
上記を一通り会得できれば、人間としてバランスの取れた「人格」(一時的パーソナリティー)を獲得できるだろう。しかし、占星術が本来提示すべき「道」においては、「3次元的な自己実現」が終着駅ではないのだ。魂の渇望を満たす「霊的レベルの自己実現」を目標にしていると考えている。霊的な自己実現においては、個々の 一時的パーソナリティー を意識的に 永遠のパーソナリティー へ、つまり魂の豊かな表現力と創造性の中へと昇華し、統合してゆく必要がある。
地球3次元で満足であれば、惑星は太陽、水星、金星、月、火星、木星、土星までの7天体を使いこなせれば十分だろう。しかし、3次元を超えたいのであれば、土星の外に軌道を持つトランスサタニアン(天王星・海王星・冥王星)への積極アプローチが必要になってくると思う。
各天体の性質をまとめた表を見てみよう。
これは、占星術とタロットの研究家である松村潔氏のマトリクスの考え方で、各天体の作用レベルと性質がひと目でわかる秀逸な分類法である。ちなみに「(-)、(+)」は、「陰、陽」、「受動、能動」、「減らす、増やす」などの性質を示し、中央の(0)は各レベルにおける均衡を保つ「重心、バランサー」となる天体である。この表が載っている著書は 松村潔氏の「増補改訂版・神秘のサビアン占星術」らしい……というのは、本を持っていないので確認できないのだ。よって、表はネットに転載されていたものを拝借した (;´Д`A …スンマセン
土星までの7天体は、「個人」レベル、「社会」レベルで影響力を発揮する。トランスサタニアンは「霊的」レベルに働きかける。太陽が「統合」の意味を付与されているのは、太陽は惑星ではなく「恒星」であり、個々の人間が到達すべき理想の在り方を示す天体だからだろう。
太陽は、太陽系内のすべての惑星を従えた存在である。自ら輝く力のない惑星に翻弄されることのない意識を持つことで人間は昇華、統合され、自ら輝く太陽(恒星)となる。ヘリオセントリックチャート(太陽中心のホロスコープ)は、個々が目指すべき太陽意識の探究に役立つ。太陽意識の獲得により、解脱(輪廻転生からの解放)への道を自ら切り開いていくパワーと能力を得られるのだと思う。
また、地球3次元に在りつつ「3次元を超えたい」と望むのであれば、トランスサタニアンを率先して活用すべきだろう。ただし、この3天体の扱いは一筋縄ではいかない。困難を伴う体験になると思う。打開策として、土星と天王星の段差を埋める、小惑星キロンが示す課題に取り組むことをおススメしたい。
支配星(ルーラー)について
ここからは、サインの支配星(ルーラー)について、上記のマトリクスの観点を取り入れて考察してみよう。
3次元における12サインの支配星は基本、土星までの7天体で事足りると思われる。創造主が地球をつくった6日+1日の、月・火・水・木・金・土・日(太陽)の7つが、古典的な占星術における支配星であり、下記はそれに沿った対応を示している。
オポジション(180度)にあるサインに注目しよう。対になったサインすべてがエネルギー的に釣り合った状態にある。「土星内ルール」=「3次元」に留まる場合はこれでよく、トランスサタニアンは意識しないほうが無難だろう。トランスサタニアンは3次元のローカルな法則を超えた宇宙、魂レベルの規範を持ち込むため、3次元的には人生を頓挫、転覆させるような出来事として現れてくることも多い。魂のレベルからみれば何ら否定的ではなく、逆に歓迎すべきことであっても、病気、怪我、トラブル、事故、災害、強制的な変化などが起こるのは、表層意識的にはショッキングだ。
しかし、トランスサタニアンは確実に霊的成長を促す。無視すべきものではない。よって、それらを下記のように支配星として組み込んでみた。
アングル=上位次元へのシフトのポイント
ホロスコープを十字分割し、上下と左右の軸が円周と交わる4ポイント(12→1、3→4、6→7、9→10のいわゆるアングル)の支配星に冥王星を配分し、そこを外宇宙、上位次元からの影響力が入り込んでくる場所と見做した。冥王星ポイントには、4次元、5次元、6次元への「抜け道」(意識を上位次元にシフトさせるポイント)があると考えている。この4ポイントで起こる霊的な変容を例示してみよう。
1周目の9までで、3次元でチャレンジ可能な体験はすべて終わる。そして、「次元を超える」意図を持つ人間は「9→10」の境界で、新たな次元(0)への参入(1)を試みるのだ。
「9→10」を次元超えすることなく過ぎると、「11(2)水瓶座」の持つ(-)作用が、サイクルの終わりに向けた転換を促す。天王星の減らし、絞る作用によって体験の総決算が行われ、未来(来世)あるいは5次元(サイキカル界)に持ち込むアカシックレコード(2)が編纂される。そこから「12(3)魚座」で次のサイクルに向かってゆくが、トランスサタニアンを支配星に持つ「10を超えた11、12のサイン」は、どちらも「高次元」に抜けられる可能性を持つと考えている。下図を見ていただきたい。
3重になった円の一番内側が1周目(3次元)、真ん中が2周目(4次元)、外側が3周目(5次元)の12サインである。
3次元の「11(2)」と「12(3)」には「10」が内包されている。そこから、外側の4次元に隣接する同数系列の「2」と「3」にスライドシフトし、「3」と「4」へスムーズに繋げてゆけるように思える。しかし、「12」のステージが終わるまでにシフトできないと、そのまま同じ次元の「1」へと地続きに廻ってゆくことになる……という「仮説」をたててみた。
また、「3→4」は、スタート地点である「12→1」に対して90度になるポイントだ。90度が意味するのは「シフトと定着」。つまり前のサイクルの12で持っていた霊性を忘却、喪失することで、「3次元に着地する」ポイントである。が、裏を返せば、3次元のほうを忘却、喪失することで「霊性を思い出せる」ポイントでもある。変性意識、トランスサタニアンなどが関与すると逆向きのスイッチが入り、ハイヤーセルフや霊的ガイド、集合意識、別次元などと接触する。
4ハウスは毎晩の睡眠も意味している。眠りの中でわたしたちの意識は自己の根源=魂と接触するのだが、3次元に戻る瞬間にそれを忘却してしまう。「3→4」のシフトでは、外側の円に向けた数字の連続性はないので、いわゆる解脱(同じ次元の輪廻からの解放)は難しいかもしれない。しかし、次のポイントでのチャンスを確実にするためのレベルアップは確実にできる。また、一番内側の3次元の「3→4」から真ん中の「4次元」をスリ抜け、一番外側の「5次元」の「10」への「抜け道」もあるように思える。
ーーー(2022/02/08追記)ーーー
「3→4シフト」は、マトリクス の「中央の柱」、および エニアグラムの三角形である「3-6-9」が揃ったポイントである。
その意味ではひじょうにパワフルで、夢や変性意識による非物質界探索の有効性もそれを裏付けているように思える。
ーーー(追記おわり)ーーー
「6→7」がタントラ、超我、エゴイズムからの解放というのは、このポイントにおいては自己と自己でないものの関係性が重要になってくるからだ。性エネルギーをハートを通じて高次の愛に昇華させ、二元性を統合する霊的変容を促す手法は古来から存在する。1周目、3次元の「6→7」ポイントは、内側の円(3次元)から外側の円(4次元)の「10」、さらにもうひとつ外の円(5次元)の「1」へシフトする可能性を秘めたポイントではなかろうか?
以上のように、トランスサタニアンが組み込まれた占星術には、「次元超え」のチャンスが随所に見て取れる。多次元への扉を開く占星術は、ほんとうの意味での希望となり得ると考える。
エーテル的、多次元的な占星術とタロットの活用が発展することを願う。そのために、わたしの拙い論考を活用いただければ幸甚 (^^♪
(7)につづく
(画像提供:夫のN氏)