#LIVE ヘビーローテーション

年を越して
新年の挨拶がてら

社会人バンドサークルの
主催をしているスタジオへ向かう。

何人か幹部の先輩方が
来ていた。

年度末に行われる
市内で1番大きいLiveパーティの
チームを決めていた。

100人はいるサークルを
まとめるのは
大変そう。

社会人バンドサークルといえど
上手い人しかいない。
楽器隊なんてセミプロばかり。

けど恥ずかしがり屋が多くて
楽器隊も下を向いて
やっている人が殆ど。

ノリノリでやる人は私以外に
ゲストで呼ばれる
バンドくらいしかいなかった。

私は下手くそだけど
会場の盛り上がりを
一つにするのは誰にも負けない。

そして私は
明るくて話しやすいこなので
常に新しい人と組むことが多い。

今年はどうやって
盛り上げてやろうかななんて
生意気な言葉が頭をよぎる。

お客様と楽器隊の人たちに
楽しかったって
言ってもらうんだ。

年に一度しかない
この大きなパーティは

色んな人と交流できて
たくさんの人がいて
アーティストにでもなったような
そんな気分にさせてくれる。

とても気合が入っていた。


何の曲やろっか?と
声をかけてくる人がいた。

多分今年
チームになった方だろうと

私はいつものように
笑顔で話すつもりで
目を合わせた。

でも
急だからびっくりしたのか
初めて見る顔だからびっくりしたのか

何にびっくりしたのか
なんだかわからないけど

心臓がドキドキして
何も答えられなかった。

慌てて
少し前から
コレにしようと決めていた

AKB48の
ヘビーローテーション

曲を流して
まずはコレにしますと
幹部にも確認してもらった。

すると急に
先程声をかけてきた彼が
スタジオに入り
もうドラムを叩き始めた。

一回しか聴いていないのに
もう丸々一曲叩いて
練習が終わったかのようだった。

そしてスタジオから出てきた
この人はドラマーなんだと
認識した彼は 

鼻歌でそれを歌った。

少しオリジナルも
入ってしまうけど

一度しか聴いたとは思えない
安定した音程で

鼻歌で歌いながら
私の隣に座った。

狭かったせいもあり
肩が触れて
長い脚が少しぶつかった。

最後の最後
ヘビーローテーションのところだけ
歌詞で歌っていたのだけれど

隣じゃないと
聞こえないくらい小さな声で
囁くように歌い

最後のンの口の形も
相まったせいで
笑顔で歌が終わった。


恋におちた


この前結婚式をした
新婚夫婦が到着した。

あれ?来てたの?
一緒になったんだ!

この前の結婚式ありがとね!
と私たちに向かって話した。


タクシーの隣の人だ。

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