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出社日初日の出来事

社会見学と木の引き戸』の続きです。

3月11日は会社の出社日初日だった。会社へは自転車で20分あれば行けるのだが、当日は雨が降っていたので電車とバスで通勤しようと考えていた。なので5時台に起きる予定だった。

当日、予定通り5時台に起床。その後の記憶は途絶えた。

気が付いたら、6時50分になっていた。母に「自転車なら間に合うから、会社へ行くよ!」と言ったら、「今日は会社を休みなさい」と言われた。

起床直後にてんかん発作が起きたようだった。私にはその時の記憶が無い。母の話によると、目覚めた直後に布団の上で前のめりになって「ううう…」と呻き声をあげながら意識を失ったらしかった。口の中を噛んだらしく、布団カバーに唾液と血の混ざったものがついていた。

会社には「風邪をひいた」と嘘をついて休み、病院へ行ったと思う。
当時の特に3月はとても忙しかったため、記憶が薄れている。

この日は新入社員の歓迎会が行われた。私は休んだので出られなかった。
風邪をひいたと伝えたことで上司の私に対する印象が悪くなった(と思う)。出勤初日に会社を休んだのだから、印象が悪くなるのは当然だ。誰もが「この人はちゃんと仕事が出来るのかな」と不安になると思う。

しかし、正直に病気のことを伝えたら、会社には入社出来なかったはずだ。
12歳の時に発作が起きて以降、この日…18歳の時まで発作は無かった。なので特に病気のことを伝える必要は無いと考えていた。いや、一番に心配だったのは、病気のことを他の人に知られてはいけないことだった。

この週は検査のため、再度会社を休み、結局引継ぎは4日間でやることになった。会社というものをよく知らない状態で引き継ぎ期間が短いのは、とても不安だった。
3月は本社での研修や慰安旅行があった。入社早々での慰安旅行。その時の話は以前掲載した記事『酒とびしょ濡れの服』で書いている。



私の持病については、未だに記事として書くのに躊躇しています。記事に書いても病名を書かなかったり。ちらっと、見られているかが分からない程度に書いています。この記事も書き終えるのに3ヶ月以上掛かってしまいました。
(そのため、『むかしばなし』の記事のアップも止まってしまいました。)

この記事を読んだ方がてんかんという病気についてどのように感じるのか知りたいです。

私のnoteのプロフィールを除いた最初の記事が『途切れた記憶、取り戻した記憶』なのですが、この記事は2020年に発作が起きた時の様子を私目線で書いています。
この記事を書くまで、noteで記事を公開することを長い間躊躇っていたのですが、この記事を書くのがnoteを復活するきっかけになりました。私の持病、てんかんについてもっとオープンにしていかなければ、偏見は無くならないだろうという考えがあります。

てんかんは1,000人のうち8人持っている人がいて、割とよくある病気だと思うのですが、巷で普通にサラッと話されることはほとんどありません。私自身、てんかんを持っている人と話をしたのは数えるほどです。それは検査入院をしたり、勉強会に参加した時という、作られた機会の時だけでした。

てんかんを持っている人も持っていない人も気軽に話し合えたり、相談出来る環境が出来るのが私の理想です。

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