日本のEVバイクの未来はどっちだ
近年、環境保護などの観点から、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスや、その他の有害ガスを排出しない電気自動車が普及し始めている。
そしてその流れはバイクとて例外ではない、特にここ数年、バッテリーの小型高性能化などを背景として、EVバイクの普及が進みつつある。しかし、日本国内ではまだ市場らしい市場は形成されていないというのが実情である。電気自動車が米テスラ、電気バスが中国BYDの参入で市場がにわかに活性化し出したように、EVバイク市場も外資系の参入により活性化していくものと思われる。
では、日本国内で最初に一般的に認知されるようになるEVバイクのブランドはなんであろうか。私は現在2つの候補が浮かんでいる。
1つは、台湾発の「gogoro」である。台湾でシェアリングEVバイク事業を展開するgogoroは、2019年から日本の石垣島でレンタルEVバイク事業を展開しており、日本国内での実績がすでにある。また、台湾ではヤマハの台湾法人がgogoroと共同開発したEVバイクを販売しているなど、日本にEVバイク文化を本格的に持ち込む素地はすでに整っていると言える。
もう1つは、オーストラリアの「スーパーソコ」である。日本国内ではMSソリューションズが「XEAM」のブランドで展開する豪Vmoto社のEVバイクで、BOSCH製の高性能モーターを搭載するなど、こちらもブランドの信頼性は高い。また、オーストラリアではモナシュ大学の研究チームが、Brighsun New Energy社と組んでリチウムイオン電池より高性能なリチウム硫黄電池の実用化に取り組んでいる。このリチウム硫黄電池がスーパーソコに実装された場合、EVバイク市場に大きなインパクトを与える製品ができる可能性が高い。
以上の理由からこの2ブランドのうちどちらかが日本で初めて覇権を握るEVバイクとなるというのが私の見立てであるが、ここからさらなるダークホースが参入したり、日本国内のバイクメーカーがEVバイクの開発に本腰を入れる可能性もまだ十分に考えられる。ここから日本国内でのEVバイクの普及はどのような形になっていくのか注目である。
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