見出し画像

ASD児への早期療育が大切というのは本当か

子どもへの療育、訓練は必要か

いっくんは現在1~2ヶ月に1回ほど療育に通っているのですが、個人的にはあまり意味を感じていません。

療育では1時間程度、いっくんをボールプールなどのおもちゃで遊ばせているくらいです。
揺らしてみたり、回転させたりしながら、作業療法だか感覚統合だかをしているそうですが、いっくんは身体のアンバランスさはほとんどなく、どうせなら普段通っている森の幼稚園で全身運動をしていた方がためになる気がしています。


ただ、いろんな子どもを見てきたろう専門の方に定期的に相談できることは大切と思っています。作業療法士の先生がひとまず相手してくれているので、その意味では今のところマイナスではないかな、と。
※わたしの地元は田舎だからあまり充実していないだけかもしれません。

療育といういい方は、なんだか普通の子に合うように訓練する、という感じがあるなぁなんて、わたしの偏見かもしれませんが、考えがあまり好きではありません。わたしも児童発達心理学を今後学べば考えが変わるのかもしれませんが‥‥。

ただ、言語訓練のようなものはやってもらえたらいいのではと思っています。絵カードなどの視覚支援とか、いろんな人がいっくんに話しかけてくれたりしたらそれはありがたいなと。

いずれにしても療育は、子どもに対して何か訓練するというより、大人のわたしたち親が、普段いっくんにどう接してあげたらいいか、それを一緒に考えてもらう、相談させてもらう、そういう意味の方が大きいかなと思っています。

わたしが好きな本田先生も、ご著書の中でこう書いています。

 まだ小さな子どもに対して、何かを特訓することはありません。2歳の子どもに九九を1日2時間ずつ練習させる人などいません。それは、読者の皆さんにも簡単にわかると思います。よく「物心がつく」と言います。世の中のことがなんとなくわかり始めることをさし、通常は、幼児期を過ぎたあたりの時期に該当します。
(中略)
 自閉症スペクトラムの子どもたちでも、物心がつく前に訓練を強要されると、心の健康を損ねます。いわゆる「二次的な問題」を誘発する危険性が高くなります。ここで問題となるのは、では、自閉症スペクトラムの人たちが物心つくのはいつ頃なのか、ということです。

『自閉症スペクトラム 10人に1人が抱える「生きづらさ」の正体』(SB新書)

表紙の感じが、大人向けのように感じますが、全然そんなことはありません。めちゃめちゃわかりやすくていい本です。

信州大学の先生で、我が家からも車で1時間くらいなので、一度発達相談の予約をしてみたい、本田先生にお会いしてみたいなぁなんて思いますが、先日電話をしたら1年ちょっと待ちで紹介状が必要とのことだったので、ひとまず地元の先生に診てもらうのが先かな…と思っています。

これも、診断を受けるのはどっちでもいいのですが、専門の人に相談して話を聞いてみたいな、と思っています。

思春期までは訓練をせず、充分に保護をする

こちらの書籍には更に以下のようなことが書かれています。
・自閉症の人の物心がつくのは中学生頃である。
・それまでは苦手なところではなく、得意なところを伸ばすことが大切。
・苦手なことを訓練すると二次障害になる。
・人にはそれを身に着けやすいタイミングがあり、自閉症の人は通常の人と成長プロセスが異なる。
・中学を過ぎると驚くほど真面目で向上心を持つようになる。
・自信のない状態で真面目さが身に付くと、抑うつ的、内向的になる。

〇歳くらいまでにはこれくらいの言葉を話し、
〇歳くらいでオムツを外し、
〇歳くらいでお箸を持てるようになる‥‥
そんな基準は当てはまる子と当てはまらない子がいて、それに当てはまらないと焦る。そういう育児はやめよう。
大人になってお箸が使えない人も、オムツしている人もいないから。

そういう話ですねぇ。

モンテッソーリ教育でも「敏感期」という考えがあり、上の子たちを育てる時もそれを大切にしていました。子どもが興味を持ったらそれを伸ばしてあげるタイミングだから、親は環境の用意だけをする。

幼少期にどのような支援をすればいいか

では、思春期前にはどのような支援が必要かというと、二次障害を起こさないようにしてあげる、ということが最も大切です。

・子どもとの愛着や信頼関係を形成する。
・いいところ、得意なことを保障し、伸ばす。
・無理強いや訓練をしない。思春期以降に自発的に本人が必要を感じたら勝手に練習するようになる。
・保護的な環境で育てる。大人に相談してうまくいったという経験を持たせる。

普通の育児でも大切なことだと思います。常にだれかと比べて、なぜあなたは出来ないの?という目線で子どもをしつけようとする。親が思う「正しい育ち」、「いい子」、にあわせて成長させようとする。そういう育て方をしていたら、誰だって歪みます。

とはいえ、自閉症が重度だとか、知的な遅れが伴うとかだと、親の苦労は計り知れないと思います。でも、逆に軽度の人の方がそうと知ってもらえず二次障害を起こすことも多い。

みにくいアヒルの子ではなく、白鳥なんだと知り、育てる

いつも本田先生は自閉症スペクトラムの人について「みにくいアヒルの子」を例に出します。
アヒルなのに醜いな、と言って育てるか、最初から白鳥と知って育てるか。
自閉症は人種の違いみたいなもの。育ち方がもともと違うのだ、と。
だからそうだと早く知ろう。

いっくんはいっくんで、周囲の子と同じタイミングで話ができる必要はない。
きっとASD特有の記憶力の良さ、論理的な思考能力、純粋さ、正義感の強さ、好きなことに集中できる力、そんなのを生かしながら成長して、世の中の役に立てる。
そう信じています。

多分苦手で生きにくいことも多いと思うので、周囲の人に上手に助けてもらえる力を身に着けてもらえるように、周りは信頼できると思ってもらえるように。

そうはいっても、親としては、規格外すぎて心配になりますけどね…。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?