見出し画像

イルカのテレパシー

イルカはテレパシーで話せるってほんと?

「そうだよ…
 海の中じゃ言葉がつかえないだろ」

この答えが離れた彼の優しさや
人柄を表している気がします。
人もテレパシーで話せたら
そう思う時がこの何年かあって
本当にテレパシーなのか
彼が伝えに来たのではないか
そんな夢をこれまでいくつも見ました。
先日も夢を見て…

私は駅のホームに立ち
電車を待っていました。
目の前に入ってきた電車に乗り
向かい合わせに座る四人席に座ると
そこに離れた彼が座っていました。
電車内はふたりだけで
もう夢だとわかりながら
目を開けずに彼を見て待っていたら

「会おうと思ったらいつでも会える」

たぶんそう言ったと思います。
その言葉を聞いて目を開けました。
実際に会えるのではなく
思えばいつでもそこにいる
そう言いたいのだと感じました。

彼と離れ今の夫と結婚して
初めて暮らしたマンションには
敷地内に鳥居があり、鳥居の奥に
石のモニュメントがあって
自分の背丈よりも大きく
三体のイルカのような石が
真ん中に集まるようにして
鼻先でひとつの玉を持ち上げていました。

私はそこに自分たちを重ねて見て
支えにしていたのかもしれません。
お前は間違ってないと言われているような
応援してるからなと言われているような

人は自分の見たいものを見ます。
夢も願望が見せているだけかもしれない。
だけど一体どれくらいの確率で
三体のイルカのモニュメントのある
マンションに人は住むのでしょうか。

夫が独身時代から住むマンションで
近々ここを離れることになり
だから言いに来たのか…
離れても思えばそこにいる
何も変わらない応援してるからなと…

今の私があるのは彼のおかげで
体は親からもらいましたが
私の物の見方や考えの多くが
おそらく彼の影響を受けていて
大学三年からの長い時間だったからか
どこからが彼の考えで
どこからが自分なのか
もう区別はできません。

そしてこれから夫ともそうなるのでしょう。
私が不安なときは頭を撫でてくれ
泣きべそをかくと「笑顔、笑顔」の合図で
夫は自分の頬を人差し指で2回タップする。
朝、見送る時に雨の日にまだ見送っていると
振り返り、傘を2回「行ってくるよ」と上下させる。

離れた彼に最後に
イルカの質問をした時
「本当はわからないよ…だけど
 アメリカ軍がそういう研究をしているね」
その言葉から軍用イルカを知り
胸がつまるような気持ちになりました。

彼にわからないと
言わせてしまったことが悲しく
そう感じさせてしまった自分が不甲斐なく
もう現実に会うことはないけれど
また会えたら
本当にテレパシーで話せたよ
あなたの言う通りだったと伝えたいです。

この記事が参加している募集

最後までお読みくださりありがとうございます。また見ていただけるよう精進いたします!