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【ライブレポート】2024/5/11 MiMiNOKOROCK FES JAPAN in 吉祥寺 2024

『MiMiNOKOROCK FES JAPAN』へ行ってきた。新宿、渋谷、下北沢、大阪・梅田、名古屋・栄など各地でのサーキットイベントに足を運んできたが、吉祥寺でのサーキットは人生初。

これまでも、板歯目ワンマンでROCK JOINT GBに行ったことはあるものの、吉祥寺のライブハウス自体ほぼ初体験(WARPは友人の付き添いでBAR営業だけお邪魔)。

サーキットなので各バンド、コンパクトにさらりと触れていこう。
(と言いつつ鶴、少年事情、Hwylはボリューム増)

昼に池袋でナギサワカリンのライブを観てからの吉祥寺、ということで15時30分~のつきみで開幕。レトロマイガール!!やマイナスジジョウ、三四少女も観たかった!


つきみ@ROCK JOINT GB

リハの段階で会場は人でいっぱい。「ねー、ダーリン」でスタートしたライブは1曲目から熱量たっぷり。「うちらには音楽しかない!」と叫びながら激熱ライブを繰り広げる彼女たちに、フロアからも続々と拳が上がる。

リリース直前の新曲も披露するなど、サーキット特有の「ちらっと覗きに来た」層も含めて、訪れた観客たちに今の自分たちをしっかりアピール。最終的には入場規制となるほどの盛り上がりだったが、命を燃やしてステージを躍動する3人の姿が最高に眩しかった!

鶴@ROCK JOINT GB

同じROCK JOINT GBで、つきみ⇒鶴の流れ。当然客層は総入れ替え状態。サウンドチェックからしっかり演奏して本番前に早くもグルーヴが生まれるフロアだ。

The Jackson 5「I Want You Back」をSEに入場し、さっそく1曲目「夜を越えて」でスタート――というタイミングで秋野温(Vo/Gt)の弦が切れるハプニング。秋野史上最速と語ったこの出来事で急きょサブギターを調整。その間、神田雄一朗(Ba)と笠井“どん”快樹(Dr)がトークで繋ぐ。妙な間ができても気にしない、それがベテランの風格。

「次のルートは決まってますか?鶴を半分くらい観て、よそのステージ?大丈夫、傷つかないですから笑」というトークでフロアからは笑い声。実はまんまとそのつもりでいた私だが、弦切断ハプニングとこのMCで「鶴、最後まで観よう」と心に決めたのだった。

最終的に「サブギター大事」という教訓を得たところで、無事リスタート。

東武東上線出身者としては、同じ沿線、しかも川越以北の鶴ヶ島出身という彼らにはめちゃくちゃ親近感が湧く。鶴を最初に観たのは2007年末開催の『CDJ』だった。そして最後に観たのは、『あっ、良いライブここにあります。2013』。あれからもう11年経つ。

キャリアを重ねても、当時やっていた「こんばんは~鶴です!」という、観客と一緒に楽しむアイキャッチ的なアクション(てのひら~腕を使ってまさに鶴首を作る動作)が健在で、ついついニコニコしながら参加。その流れで披露したのは「踊れないtoフィーバー」。もう15年以上前(!)の楽曲だが、その楽しさもやはり色褪せない。一瞬でその場をダンスホールに変えるパワーを持つ名曲だ。

一方で、しっとり切ないメロと歌詞がたまらない「バタフライ」など、踊れるだけじゃない表現の幅を見せつけた鶴。弦が切れたアクシデントで、結局3分押してしまった。そのことにも触れながら、予定していた全曲をやり切って「主催者にしっかり怒られてきます」と、これまたベテラン感を漂わせてステージを後にした。

2024年10月5・6日には5年ぶりとなる『鶴フェス』(入場無料)を鶴ヶ島で開催する彼ら。現在クラウドファンディングを実施中だ。第1弾は6月30日まで、その後第2弾、第3弾と予定しているので、こちらも併せてチェック!

https://tsurufes.com/

少年事情@Daydream

事前に調べたものの、それらしい音源もライブ映像も見つけられず、なんとなくそのバンド名に惹かれて足を運んでみた。

Daydreamという会場が特殊。高低差のない平面な会場で、フロアがあり、ステージがあり、その奥が入場口(ガラスばり)という構造。鶴を最後まで観た挙句、会場がなかなか見つけられなかった結果、到着時、ドアの向こうではメンバーがこちらを背に、すでにライブ中。ドアを挟んで目の前がドラマーの背中という特殊なシチュエーションに、入場をためらってしまった。

そこへあらたな観客2名が到着。同じようにこの光景に戸惑うふたり。私もつい「これ入りづらいですよね…」と話しかけると「一緒に突入しましょう!」と誘ってくれた。“みんなで渡れば”精神を胸に強行突破。無事、少年事情のライブを観ることができた。

ただ、彼女たちの正面に移動するまでの勇気はなく、ドア付近、背中を見つめる位置からの鑑賞。しかしこれがまた貴重な景色であった。武道館など大きな会場での360度ステージとはわけが違う。この至近距離から観る、演奏中のメンバーの背中はレア。ローディより近い位置で味わうドラミングについ興奮してしまった。

「(自分たちは)ネガティブで。今んとこ一番カッコいいけど、なんで呼ばれたんだろう、って」「ポップな曲もノリノリな曲も作れないけど、それでいいかと、バラードな曲を一杯作ってるんで、ノレないけど、楽しんでもらえたら」

そんなローファイなMCもむしろなんだか居心地が良くて、今日この時間、少年事情を選んでよかったと思える、文字通り二度とない体験となった。

Are Square@Planet K

人生初Planet KはAre Square。音源を聴いて、これは好きなタイプのロック!と思ってチョイス。前のバンドのライブが終わった数分後、くらいのタイミングで入場すると、フロアは閑散としており、おそらく観客は10人ほど。開演が近づいても、ひとりふたり、というレベルでしか増えず、初見ながら不安になってしまった。

ライブが始まれば観客の数など関係ないとばかりに、アグレッシブで熱いステージを繰り広げるAre Square。

耳を保護するために耳栓を着用していたが、そこを突き破ってなだれ込む、マイクを通じたボーカルの歌声に、耳が少し悲鳴を上げてしまった…。私自身の体調やPA、本人の声との相性などいろいろな条件下によってたまに発生する、耳へのダメージ。地味にしんどかったりするのだ。

しかし、3曲目くらいから突然、この痛みが消えて歌声がスッキリと入ってくるようになった。自分の耳がうまいことアジャストしたのだろうか。理由は不明だったが、個人的にはここから俄然楽しくなった。

気付けばたくさんの観客が集まっており、必然、フロアの盛り上がりも急上昇。ハコの密度に関係なく、ブレずにたくましくプレイし続けた彼らはとてもカッコ良かったと思う。

「夜と同時に、動き出す。」@WARP

続いては吉祥寺WARPで「夜と同時に、動き出す。」を楽しんだ。先述の通り、BAR営業でしか訪れたことがないので、フロアへは初入場。PAが梯子を上った先にある、というロフト構造がユニークだ。その分フロアが広くなるので、観客としてはありがたいところ。

3日前、ライブ10分前にメールでオファーがあり、急遽Daisycallの代打としてここに登場した彼ら。Daisycallも、そして世田谷も背負ってここに出ていると語ったメンバーの、鬼気迫るパフォーマンスが印象的。このがむしゃら感、必死に音を紡ぐ様に自然とフロアも反応してライブはめちゃくちゃ盛り上がっていた。

メンバーはGenta(Vo/Gt)ひとりで、他のギター、ベース、ドラムはサポートという編成ながら、サポートを感じさせない、4人が繰り出す音のひとつひとつが強く、そしてまとまりを持っていたのも素晴らしい。

「今この瞬間を鳴らすバンド」だと感じる、アツいパフォーマンスだった。

1.青春の中で
2.卒業式出るの忘れた
3.さよならベイビー
4.世田谷を抜け出して
5.ギターを背負って
6.この話の続きは居酒屋で
7.ロングヘアーに憧れて

パキルカ@BLACK AND BLUE

プロフを観て驚いたが、まだ高校生17歳とのこと。すでにちょっとした貫禄すら漂わせており、サーキットイベントでも浮ついていない。おそらくはいつもの自分たちのスタイルで、しっかりとフロアをブチ上げていた。

観客も、メンバーたちとほぼ同世代の子たちが多いようにも感じられ、とにかく全体的に若い!

ステージ近くに積み上げられたスピーカー(?)が、観客たちのヘドバン含めた激しい動きによってめちゃくちゃ揺れており、倒れるのではないかと心配になるほどの盛り上がり。

普段はライブBARとして営業しているらしいBLACK AND BLUEだが、このノリは完全にライブハウスのそれ。

物怖じすることなく堂々とプレイするパキルカの勢いが止まらない、そんなエネルギッシュなライブは圧巻のひと言に尽きる。

Hwyl@ROCK JOINT GB

ROCK JOINT GBのトリを任されたのは、我らがHwyl。サウンドチェックでも「Treasure」や「暮らし」など、何曲か演奏して本番前ながらも観客を楽しませてくれた。

本番では、あきたりさ(Vo/Gt)の「やろうぜ、『MiMiNOKO』! Hwylです、よろしく!」という短い挨拶とともに、先日の初ワンマンと同じく「近年、平和な日々が続いたせいで」がオープニングを飾る。そして2曲目には「普通の顔」と、最新EP収録曲が並んだスタートだ。

その後、あきたは自分たちがこのステージのトリだと語りつつ「イベントはまだ終わらない。今日、誰で〆るかは、任せます」と告げて「暮らし」へ。なんとも頼もしいというか、自信に満ちた姿が眩しい。

クマダノドカ(Gt)は、この曲の印象的なギターリフを指で弾く。やがて口にくわえたピックを手に取ってギアチェンジする様に、ついつい見惚れてしまった。若手ギタリストの中でも魅せる、聴かせる存在として注目度急上昇中だ。

あきたも、その喉の強さに驚嘆してしまうほどの絶唱がスゴイ。いつだってパワフル、それでいてしっかりと感情を乗せて歌う、ボーカリストとして日々成長する姿をしっかりと見せつけていた。

MCでは『MiMiNOKOROCK FES』についての思い出を語る。1年前のこのフェスに出演した際に、メンバーは井の頭公園へ。そこで当時サポートメンバーだったタケマトモヤ(Ba)が、正式メンバーになる決意をした記念すべき場所、そして思い出のフェスなんだそう。

そんなエモ溢れるこのステージで、しっかりと東名阪レコ発ツアーの告知もして、1年を経ての成長も感じさせるHwyl。「安全地帯」「現在地」と繋いで、ライブ終盤にクマダは「凡人」途中(?)で帽子を、タケマもラストの「Treasure」前にキャップを脱ぎ、より一層むき出しな自分たちをさらけ出してのパフォーマンス。

全8曲をやり切ってステージを去るが、フロアからの手拍子に応えて再登場。予定にはなかったというアンコールで披露したのは、サウンドチェック時にもプレイしていた「オマエアレルギー」だ。イントロのギターでご愛敬な失敗も飛び出すが、そこも含めてライブの醍醐味が感じられる楽しいアンコール。

Hwylの充実ぶりが伝わってくる30分だった!

1.近年、平和な日々が続いたせいで
2.普通の顔
3.暮らし
4.安全地帯
5.現在地
6.さすらい
7.凡人
8.Treasure
EN
9.オマエアレルギー

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