【ライブレポート】2020/6/6 松川ケイスケと真一ジェット 電電博覧会 歌は電波にのって@ZAIKO

今回、LACCO TOWERの松川ケイスケと真一ジェットによるユニット・松川ジェットがZAIKOを使って1000円での有料配信ライブを開催しました。コロナ情勢の変化に伴い、ライブハウスでの無観客ライブからリモートライブにシフトしていく中で、無料配信だけでなく有料配信も増えてきています。これは健全なアーティスト活動として音楽を届けることで収益をあげていかねばならないということと、有料での対価として耐えうるだけの配信環境が整ってきた、という二点があるのかなと感じています。

というわけで個人的に初めてとなる有料でのライブ配信鑑賞。ZAIKOによるチケット購入から配信画面までのアクセスもスムーズにいきまして、開演時間ジャストにPC前スタンバイ。

スタンバイ中の画面には松川ジェットの登場SEとしておなじみの、東京スカパラダイスオーケストラの「水琴窟 -SUIKINKUTSU-feat.上原ひろみ」が流れており、ほどなくしてふたりが画面に現れました。

ふたりそれぞれ薄暗い部屋。ケイスケさんはボーカル用のブースのような場所で顔に照明が当たっていてその表情がよく見えます。真一さんは真横からの映像でなんだか青白い光が彼をうすーく照らしている。アングル的に鍵盤を弾く姿を堪能できるスタイルです。ふたりとも黒ジャケット、白シャツ。ケイスケさんは黒ネクタイで真一さんは蝶ネクタイ。オシャレにキメています。

オープニングトークもほどほどに、LACCO TOWERの『檸檬』からライブスタート。

01.檸檬

通常のライブと違い、配信なのでケイスケさんが表情豊かに歌う姿をたっぷりと味わえます。誰もが整理番号1番、最前列でライブを味わえる。真一さんの華麗な指使いも特定席で堪能できる。当たり前だけどこれは配信ならではの利点。ヘッドホンやスピーカーを使ったり部屋を暗くしたりして自らの環境を整えることで、没入感とともに配信ライブを楽しめるかもしれません。

曲もアウトロへと移り、ケイスケさんが「電電博覧会へようこそ!」とご挨拶。そして松ジェではお馴染み、真一さんの発作であるところの鍵盤ジングルが響き渡ります。

チャチャチャン
チャチャチャン
チャチャチャンチャン♪
そして真一さんの「ヘイ!!」の声が響く。
(ケイスケさんは「コンコン♪」と合わせる)

どんなに美しい曲だろうとその余韻を破壊する魔法のジングル。


「おい!貴様!今ライブがないわけやろ?どれだけの人が楽しみにしてくれてると思ってるの?」
「そんなにたくさんの人の前でサングラスをかけてるってどういうこと??」
と、サングラスのままで演奏していた真一さんを叱りつけるケイスケさんと「あ~~~~~」とやらかしてしまったことを悔やむ真一さんの図。

「これ(サングラスまわりのやり取り)初めてやったなオンラインで」と笑うケイスケさん。

「それは申し訳ない。しかも家の中でね」と真一さんが謝罪すれば、ケイスケさんも「夜ですからね」と付け足す。そして、サングラスのレンズ部分だけをパカっと上にずらせば「そういうことじゃない」とツッコミ入れるケイスケさんですが「これウケてるかどうかもわからない」と戸惑います。お客さんがどんな反応しているか、その空気がわからないのも配信ならではと言えます。

それでも「僕は面白いです」と言うケイスケさん。真一さんも「(外せと)言ってもらって助かりました。すっごい暗いんです」と打ち明け、これにて視界良好、改めて準備万端整いました。ちなみにこの会話の中でケイスケさんは早々にジャケットを脱いでましたね。


松川ジェットとしては初のオンラインライブ生配信ということもあって、簡単な自己紹介。ケイスケさんは自身をLACCO TOWERのボーカルだと話し、真一さんのことを「LACCO TOWERで経理をやっている、アスクル頼む人」と紹介します。さらに算盤を鍵盤に持ち替えて…とつぶやくと、このフレーズにピンときたようで「お!」と自ら反応するや「それでは歌っていただきましょう『算盤を鍵盤に持ち替えて』」とタイトルコール。これに即興ソングで応える真一さんの神スキルたるや。

松川ジェットのライブではちょいちょい生まれるこの流れ。ポジション的にはギャグパートですが、ミュージシャンならではのエンターテイメントに仕上げる力量はさすがです。


ここで簡単にZAIKOのシステムを使った追加課金や投げ銭メニューに関する説明がありました。課金&投げ銭メニュー名はLACCO TOWER自身が設定できるということで、以下の画像のようなメニューが並びます。今日の配信中にも随時、どのメニューが購入されているかという途中経過が報告され、ライブ配信ならではの現在進行形感を演出していました。

画像1


二人の掛け合いやギャグ、そしてシステムの解説等ひとしきりの流れが済んだタイミングでケイスケさんのメッセージを経て次の曲へ。

「世界一安全なライブでございますので、お酒を飲みながら、ご飯を食べながら」
「隣に好きな人がいるかな?いないかな?」
「いろんな場面で、思い思いの場面で」
「我々松川ジェットの歌を電波に乗せますので」
「最後までお付き合いいただければと思います」


02.薄紅

いつにも増してウェットで、そしていつも以上にエモーショナルな薄紅。バンド編成と比べてというより、いつもの松川ジェットに比べてそう感じたのは、画面越しにふたりの細かい動きが目に入ってきたからかもしれません。

真一さんの優しいピアノの旋律、そしてコーラスもしっかりと捉えることができます。さらに言うなら、間奏で待機中のケイスケさんの表情も楽しめる。何気ない瞬間にすっと前髪をかき上げるケイスケさんの仕草は色っぽいなあ。ライブ会場でも前の方ならこうした楽しみ方ができるんでしょうが、自分はいつも後ろの方で観ているので今回のこの状況がとても新鮮に感じました。

さあ、曲が終わればやっぱり始まるジングル。

チャチャチャン
チャチャチャン
チャチャチャンチャン♪
真:「ヘイ!!」。
ケ:「コンコン♪」(両手できつねを作りながら)

いつもならこのあたりでトークショウへと突入してもおかしくないんですが、すぐ次の曲へと繋いでいきます。


03.最果

ひとつひとつの言葉をはっきり丁寧に歌ってくれるので、歌詞をかみしめながらの鑑賞となりました。息が漏れる、吐息のような歌い方がまたグッとくる。これをヘッドホンで聴けるって贅沢です。耳元で囁いてくれているような…。サビの熱唱とのコントラストも美しい。こういう構成が楽しめるのも松川ジェットならでは。

どれほど贅沢な歌と演奏だろうと、やってきますあのジングル。始まった瞬間、ケイスケさんは(あーーー)とため息。

チャチャチャン
チャチャチャン
チャチャチャンチャン♪
真:「はいよ!」
ケ:「コンコン♪」


曲が終わった時のジングルについて、あれは何なんだと問うケイスケさんに「あれは、出ちゃう。あくびとかくしゃみとかと同じ。やろうと思ったことは一回もない」と悪びれもせずに語る真一ジェットです。


コロナの世界になってからは、LACCO TOWERのメンバー同士も4月1日にテレビの収録以来会っていないんだそう。そんな近況報告を挟みつつ、手元にあるiPadを使って #電電博覧会 のツイートを拾って観客とコミュニケーションを取っていきます。真一さんのコーラスが聴こえづらい、というツイートに対してすぐに対応するあたりは、さすが生配信ライブ。(個人的にはここまでの真一さんのコーラス、じゅうぶん聴こえていたので聴く方の環境にも左右されるんでしょうね)

他にも、この配信ライブの見方がわからない、というツイートを見つけると真一さんが丁寧に説明を始める場面も。すぐさまケイスケさんが、(この配信を)見れない人に向けてこの配信使って説明しても意味ないだろという的確なツッコミをお見舞い。息ピッタリのふたりのやり取りも松川ジェットの大きな魅力です。だからこそ、投げ銭に「もっとMCしてください」というメニューがあるんでしょう。


話題は流行りのオンライン飲み会について。ケイスケさんは、SUPER BEAVERのぶ~やんとしかやっていないと話します。親友である中田裕二さんともお互いやろうと話しているそうですがなかなかタイミングが合わないようで。一方の真一さんはというと、AIR I ROCKSというライブ配信企画の打ち上げでぶっ倒れて以来一滴も飲んでないんだそう。

スタッフも含め密にはなれないということで、LACCO TOWERに関する配信システムは全部真一さんが引き受けているんですね。打ち上げてぶっ倒れてしまったのも、過労やプレッシャー等の影響があったのかもしれません。

配信システムを一手に引き受けているので、音を上げるのも自由自在、と説明します。「変な話、俺の声も消せますからね」とケイスケさんが言えば「簡単にできます」と断言する真一さん。その堂々とした発言に思わず「怖えぇぇぇ」とおののくケイスケさん。しかしこれでは終わらない。

「それではいってみましょう、真一ジェットで『簡単にできます」』

ここで再び無茶ぶり即興ソング。このハードルも難なくクリアした真一さんはさすがです。「ちょっとNHKっぽかったねw」と感想を漏らしたケイスケさんに思わず頷いてしまった。興味のある方はぜひ配信を観てチェックしてみてください。6/13まで閲覧可能です。

少々トーク時間が長くなっていますが、ライブ会場ですと啓示さんが「早くやれ!」と声をかけて場を締めるケースです。しかし今回は配信。一応、何かあればケイスケさんのLINEにメンバーやスタッフから連絡が来ることになっているそうですが、現時点では特に何も来ていないということで、安心してトークを続けるふたり。


とはいえそろそろ歌に行く流れ。松川ジェットと言えば、LACCO TOWERだけでなく他のアーティストのカバーもやっています。このコロナの期間においても、オンラインでできることを、と「おうちI ROCKS」というカバー企画をやっていました。せっかくなのでこの機会に、ということで今日の配信ライブでも披露してくれるそうです。


おうちI ROCKS


まず第1弾は、中田裕二さんのカバー。

04.薄紅(中田裕二)

フルバージョンではありませんが、贅沢な時間です。中田さんの歌でもケイスケさんが歌うとLACCO TOWER色になる。もちろん5人揃うことで完璧なLACCO TOWERになるわけですが、ボーカルとピアノの音、その紡ぎ方だけでもバンドの特徴が出ますよね。以前にも書いた気がしますが、こうしてカバー曲を聴くと原曲も聴いてみたくなります。元の歌をどうアレンジしたんだろうと気になるので。

こんな素晴らしい曲の終わりにもぶちこんできます、真一ジェットは例のやつを。

チャチャチャン
チャチャチャン
チャチャチャンチャン♪
真:「ヘイ!」
ケ:「コン♪」
真:「うすべにっ!」

この「うすべにっ!」と言ったときの真一さんの表情がヤバイです。


この曲はカッコいい、シャレオツだと話すふたり。最後にポロっと「すごい難しかった…」とこぼす真一さんの言葉には実感がこもってたなあ。

ケイスケさんは今、大介さんに借りたギターで中田さんの曲をコピーしているんだそうです。コードが面白くて押さえるのが楽しいんだとか。アーティストがコードについて「面白い」と思うんだからよほどですよね。コードについてはまったく詳しくありませんが、そう言われるとちょっと興味がわいてきます。


続いてはおうちI ROCKSコーナーの2曲目、片平里菜さんの曲。

05.女の子は泣かない(片平里菜)

我々の歌と言っても過言ではない、と話すふたりです。
ケ:「発作出さないでください」
真:「素敵な曲を台無しにするわけにいかない」
ケ:「だから対談に呼ばれないんだよ」
真:「里菜ちゃんと松ジェの対バンのインタビューで、3人しかいないのになんでふたりしか呼ばれないの?」

このやり取りにはジワジワきますね。ここはボーカル同士の対談だと割り切ってください真一さん。

ケ:「いける?LACCO TOWERの女の子代表」
真:「いけるわよ?」
ケ:「いくわよ?」

こんな掛け合いから演奏スタート。入りのタイミングで突然真一さんが「わんつう!」と叫ぶとケイスケさん思わず止めてしまいます。
「なんですかその日本語なワンツーは。「ワントゥ」とかあるでしょ」とツッコミ。仕切り直しの2回目でもはっきりと「わんつぅ!」と叫んだ真一さんに、苦笑いしながらも歌い出すケイスケさんでした。

この曲は跳ねるリズムが気持ちよくて座りながらでもついつい体が動いちゃう。そして女子ボーカル曲にケイスケさんの声はハマっているなと感じます。ふたりで曲間に「ヘイ♪」と合いの手入れて盛り上がる様もまた楽しい。なんだかんだ、演者が楽しそうなのがいちばんです。

曲終わりのジングルはこんな感じ。

チャチャチャン
チャチャチャン
チャチャチャンチャン♪
真:「ヘイ!」
ケ:「泣かない!」
真:「ワンツー!」


ここまでライブ開始から約50分。次が6曲目というのは非常に良いペースではないでしょうか。

続いては、同郷の戦友である秀吉の「花よ」という曲です。

06.花よ(秀吉)

秀吉はことあるごとにラッコにラブコールを送ってくれるそうなんですが、なかなかタイミングが合わず実現できていないようです。真一さんは秀くんのことを「マジすごい、天才」と褒めたたえ、ケイスケさんも「ギターめちゃめちゃうまい」と絶賛。

そんな秀吉の「花よ」ですが、ケイスケさんによるカバーは力強い地声とファルセットの組み合わせがセクシーです。抑揚もたっぷりで情感がこもっている。真一さんの鍵盤は、シンプルかつ繊細に歌に添い遂げている感じがして、染み入りました。

それでもジングルは出ます。

チャチャチャン
チャチャチャン
チャチャチャンチャン♪
真:「秀!」
ケ:「吉!」


ケイスケさんは、秀吉の曲の中で「花よ」がいちばん好きかもしれないと言いましたが、このカバーはそもそも真一さんのリクエストでやることになったんだそう。ふたりとも「花よ」が大好きなんですね。


次はいよいよおうちI ROCKS最後の曲です。

07.名前を呼ぶよ(ラックライフ)

「後輩だけど盟友みたいなもんですよ」
「完全な盟友ですよ」

そんな言葉とともに紹介されるラックライフ。

真一さんはこうも言います。「次の曲はほんとにいい曲で、汚したくないよね。つまらない発作なんかで」
「ていうことは今までの曲…」と反応されると慌てて「汚してるつもりもないけどね」と弁明する真一さんです。


サビに向かってドラマチックに展開していく構成が気持ちいいし、熱唱するタイミングで顎を引いて歌うケイスケさんの姿にも釘付け。曲ごとにまったく違う表情を見せるケイスケさんをこうして間近で見ることができるって実にありがたいですね…。

曲が終われば、汚しているわけではないというジングルが出ます。

チャチャチャン
チャチャチャン
チャチャチャンチャン♪
真:「ポン!」
ケ:「ラック!」


「これは仕方ない、曲がよすぎて」と言い訳する真一さんでした。もはや発動のトリガーがなんなのかわかりません笑。


ここまでライブ配信をやってきて、ようやく本人たちの口から出ました、「楽しい」という言葉が。生配信でのライブということで最初は不安だったふたり。特にシステム担当である真一さんは純粋に演奏に没頭できる精神状態ではなかったかもしれません。でもここまで無事配信できていることがわかって「不安も飛んで行って楽しくなってきた」と話してくれました。

ここでケイスケさんが空耳って「和食レストランとんでん?」と聞き返したことからしばらく「とんでん」トークがさく裂して、おうちI ROCKSコーナーは終了。

次の曲は再びLACCO TOWERに戻って「歩調」です。


08.歩調

ケイスケさんはコロナ情勢下で、曲を作ってライブをする職業である自分たちはすごく苦しかったと話します。こんな中でどういうふうに歩いて行くのか、株式会社アイロックスの8人で話した時間だったと。LACCO TOWERで一番新しいこの歌がそういう意味を持っている曲だということが嬉しいとも話してくれました。

イントロで繰り返す真一さんの音は心地よいリズムを刻みます。抑えめに入ってドン!とサビへ展開していくLACCO TOWERらしい劇的な構成。改めてバンド編成でのライブ演奏も楽しみたくなる曲です。長いアウトロによる余韻もたっぷり。

ポリポリと頭をかいてから前髪を整えるケイスケさん。細かい仕草をしっかりと目撃できるのは配信のいいところだなあ。

曲が終わると自ら拍手するケイスケさんです。そしてもちろん、ジングルはやってきます。ケイスケさんのため息とともに。

チャチャチャン
チャチャチャン
チャチャチャンチャン♪
真:「歩こう!」
ケ:「一歩一歩!」


ここまで配信開始からだいたい1時間くらいでしょうか。ショートバージョン含みつつの8曲、かなりいいペースです。

投げ銭の途中経過も発表していて、「いいぞ、真一」メニューが群を抜いてトップとの報告に戸惑う真一さん。自分を卑下しなくていいと諭すケイスケさんはこうも続ける。「ライブ終わって荷物出し終わって帰るとき、サインくださいと言っていただけるときありますけど、真ちゃんは誰にも言われないとか、そういうの言わなくていい」

「それ今言わなくてよくないですか?俺はそんなに言ってない、自分からは」と悲しそうにつぶやく真一さん。さらに畳みかけるケイスケさんは、薔薇色ノ怪人のとき、キーホルダー売ったことは忘れていいと続けます。「俺は猛烈に反対したからね」と真一さん。いったいどんな惨状だったのか…。

ここでネクタイを外すケイスケさん。だんだん脱いでいきますね。

この時点で、まだ啓示さんから「早くやれ」というLINEきてないことを確認するケイスケさん。(でも啓示さん、すでにツイートしてます笑)

急かされていないことに気をよくしたケイスケさんはトークを続けます。話題はオンライン飲みについて。真一さんは家では飲まないといい、お店でならひとりでも飲むと話します。それができるのは羨ましいと返すケイスケさん。ワタミもバーミヤンもひとりで行けるという真一さんに「系列やな。モンテローザ好っきやなw」と切れ味鋭いコメント差し込むケイスケさんのトークスキル、さすが。

この後も、真一さんが真面目に語っていたツイートを拾ってイジってみたり、ケイスケさんの個人LINEに送られてきた、重田さんの「真一全然おもしろくねえな!」というメッセージを読んでみたりやりたい放題です。真一さんもたまらず「個人LINEで来た意味を考えて。ここで言っちゃダメ!」と訴えます。


実は松川ジェットとアルカラの稲村さんとで渋谷でライブを開催予定だったことも明かしつつ、楽しい気分になってもらいたいので、ここからまたカバーを…という流れで次に演奏したのは、なんと恋チュン。


09.恋するフォーチュンクッキー(AKB48)

イントロに合わせて手拍子するケイスケさんでしたが、真一さんが「オイオイ!」という合いの手を入れた瞬間、演奏を止めさせます。お互い意見をすり合わせたのち、「ヘイヘイ♪」で統一することとなり、観客にも一緒に「ヘイヘイ」とツイートしてもらうようお願いしての仕切り直し。

アコースティックカバーでこの曲を歌うアーティスト、初めて観たかもしれない。

「真ちゃん!」の合図で「カモンカモンカモンカモンベイビー!」とコーラスをぶちこむ真一さんに笑いながら歌い続けるケイスケさん。“ハートのフォーチュンクッキー”の部分で両手を使ってハートを作った瞬間は、多くの視聴者を悶絶させたに違いない。

2番でもサビ前に「真ちゃん!」の合図があり「プリーズプリーズプリーズプリーズベイビー!」のコーラス。またまた笑いながらも歌は止めないケイスケさん。

ピアノ伴奏にもオシャレアレンジを加えてくる真一さん、カッコいいぞ。コーラスも、今日のどの曲よりもパワフルだった気がします。そしてもちろんこの曲にもジングルつきます。

チャチャチャン
チャチャチャン
チャチャチャンチャン♪
真:「クッキー!」
ケ:「クッキー!」


コミカルなカバーの次はしっとりしんみりなナンバーを。ここはケイスケさんのコメントをまるまる載せてみます。

「みなさん、お酒は進んでますか?ごはんは進んでますか?今、隣に誰かいる方はもしかしたらみなさんの大切な方だと思います。おそらくその人に巡り合うまでに、いろんな大変なことがあったと思います。なのでその時のことを思い出して、誰にでもある別れを思い出して。僕の大好きな曲をカバーさせてもらいます」


10.大きなたまねぎの下で(爆風スランプ)

我々アラフォー世代には飛び切り刺さる曲ですね。そして誰かのライブを観に武道館へ行った人にも共感たっぷりな曲でもあるかと思います。原曲を何度も聴いてきた分、ボーカルふたりの違いがはっきりと感じ取れて面白い。サンプラザ中野さんのまっすぐで素朴さが前面に出ることであふれる寂寥感とはまた違う、切り裂かれるような切なさ、悲しみが浮き立つようなケイスケさんの歌声。曲後半に向けてドラマチックに展開していくピアノアレンジが印象的だし、ケイスケさんの悲しみの表現をより引き立たせていく様は見事です。

これこそ余韻にたっぷり浸りたいところですが、やはり容赦なく訪れるジングルです。

チャチャチャン
チャチャチャン
チャチャチャンチャン♪
真:「オニオン!」
ケ:同時に頭上でたまねぎを作る
息ピッタリです。


「俺らめちゃめちゃ楽しい!」と嬉しそうなケイスケさんを観れることがまたファンとしても嬉しいですね。

MCタイムでファンのツイートをいくつか拾っていくわけですが、会場のお客さんとやり取りすることができない代わりの手段として、配信との相性抜群ですねこのシステムは。自分以外の観客も一緒にライブを楽しんでいることが伝わってきますし、ステージとフロアのコミュニケーションをインターネット上でやるとこうなる、という見本のような。配信画面の横にツイッターのTLを表示することでもみんなが楽しんでいる感じは掴めますし、もちろんSNSは閉じてライブに集中することもできる。配信でもいろんな楽しみ方ができそうです。


ここで投げ銭報告が入りまして、「そろそろ歌いませんか?」が一番少ないことが発覚。「もっとMCしてください」がこれ抜いたとのことで、またまたピンときたケイスケさんが続けます。「それでは聴いていただきましょう!『もっとMCしてください』」。

真一さん即興ソングに“もっとMCしてほしい♪”とコーラスで参加するケイスケさん。スペシャルコラボです。


ここで話題は配信当日に起こったゲリラ豪雨について。真一さんのご実家のほうで相当雨、あるいは雹も降ったんだそう。これがもし台風だったら、またライブができなくなるんじゃないかと恐怖を感じたんだとか。ラッコは台風→コロナと2度ライブが延期になってしまったこともあるので、そのあたりどうしても敏感になってしまいますよね。

一方で、(大雨で)外に出づらい状況でも配信ライブだったら観ることができるんだと思った、というプラス思考も発揮する真一さんです。

また、この4か月で何が変わったかという話題では、ふたりとも「部屋」を挙げていましたね。ボーカルブースを作ったケイスケさん。そして配信関連のため部屋がモニターだらけになっている真一さん。どうも真一さんが映る画面の光に違和感あったんですが、モニターのせいだったか…。


コロナのせいでずっと会ってないから、次会ったときお互いぎこちなくなるんじゃないかという不安を吐露するケイスケさん。でも真一さんは否定します。この期間、むしろ普段よりもメンバーと話す時間が多かったと。特に電話ではなくWEBを通して顔を見て話す時間がたくさんあったと。今まで楽器隊同士はリハに入るときに顔を合わせていたけどそういう時はケイスケさんと会わないので、特にケイスケさんと話す時間は今まで以上にあったと話す真一さん。最後に「会ってないけど、近くには感じてたね。唯一遠いのは距離だけ」とドヤ顔でキメるも、ケイスケさんにはサラッと流されてしまいました。真一さんをおいしくするケイスケさんの優しさ…。


「もっとMCしてください」が支持を得たことでトーク時間もたっぷり使いましたが、構成的には次の曲がラストらしいようで、せっかくだからと急遽1曲、追加してくれました。その曲はLACCO TOWERの「蜂蜜」。ここで蜂蜜にちなんだエピソードが展開。ケイスケさんは蜂蜜にこだわりがあり、マヌカハニーという喉にいいものをチョイスしてコーヒーに溶かして飲んでいるそうです。一方で真一さんは、自分と重田さんはグミが好きだと発言。十数年バンドやってきて初めて知ったと驚くケイスケさんでしたが「あの子よう食べてるな!」と重田さんの様子を思い出した模様。そんな真一さんと重田さんですが、以前マヌカハニーのグミがあったので食べたところ「なんじゃこりゃってなったの覚えている」とその味に驚いたそう。※サービスエリアで見つけて「重田と一緒に食べよう」と思ってグミを買ったという真一さん可愛いなあ。

スタッフに「なんで飴じゃないんですか」って言われたんだと話す真一さんにケイスケさんは理解を示しつつ「じゃあ聴いていただきましょう」とコメント。一瞬、ここから「蜂蜜」が始まるのかと思いきや、ケイスケさんが続けた言葉は「それでは真一ジェットで『なんでグミ買ったんですか?』」。そっち!?と動揺する真一さんでしたが、今回は歌じゃなくセリフありバージョンの即興ソングで対応。引き出し多いです。


かなり長めのMCタイムも終わり、11曲目の「蜂蜜」

11.蜂蜜

ふたりだとそもそも音数が少ないので、コーラスの存在感が際立ちます。ケイスケさんも力強く歌ってくれる。特に“ぐるぐると”の部分の強さたるや。“煽る期待”の「煽る」が巻き舌になっていたのはちょっと珍しいような?普段のライブでも巻いてました?聞き取れてなかっただけかな。

日本語で詞を書いていることへの矜持、というわけではないのかもしれませんが、言葉をひとつひとつハッキリ発音しているのがいい。間奏でのピアノ演奏が複雑で、めちゃくちゃ聴きごたえがあります。期間限定でアーカイブにも残っているので、真一さんの演奏だけに集中して聴くというのも面白いと思います。

チャチャチャン
チャチャチャン
チャチャチャンチャン♪
真:「ハニー!」
ケ:「ブンブン!」

終わった後で「むずっ!この曲」とつぶやいた真一さんでした。


あっという間だ、と語る二人。ちゃんとライブができたことが嬉しいと安堵する真一さんです。ここで大介さんの「喉開いてるな」というツイートを拾います。以前の配信企画で大介さんボーカルで「蜂蜜」やったとき、喉めちゃめちゃ閉まっていたと散々イジられましたからね。それを踏まえてのツイートは大介さんのファインプレイ。

イヤホンを使えばASMRのような、耳元でささやかれているような感覚でライブを楽しめる。ライブハウスとは違う楽しみ方ができるということで配信ライブでの可能性も感じた様子。

「どうでした?」という問いに「ただ単純に楽しかったよ」と万感の思いを込めて語った真一さん。配信システム担当としてもいろいろと思うことがあったんだろうなあ。


最後の曲を演奏する前に語ったケイスケさんの思い。

「実は怖かった。ほんまに楽しんでもらえるのか。音の面でも」
「ライブハウスで育ってきて。育てられたから」
「みんなにとってもそういう場所があると思う」
「職場や学校、友達かもしれない、恋人かもしれない、パートナーかもしれない」
「そういう人と会えない、そういう場所に行けないことがこれほど苦しいとは思わなくて」
「できない中で何ができるか試された4ヶ月でした」

「LACCO TOWERはLACCO TOWERらしく、松ジェは松ジェらしく」
「今見てくれているみんなとめちゃくちゃ楽しいことを作っていって」
「やっぱおもしれえなあこのおっちゃんらは、と思ってもらえるような5人でいたいと思います」

「6/20、7/5、この形式を5人で、バンドでやります」

「コロナが終わるのを待つのも、いろいろ言われながらやるのも」
「どちらも正解だと思っています」
「100人いれば100通りの答えがあります」
「LACCO TOWER、松ジェの答えは、その中でも最高のものをみんなと作っていく」

「たとえばインターネットがなかったら、ライブを録ってみんなに送るかもしれない」
「歌が歌えなかったら真ちゃんがピアノを弾いてピアノだけ送るかもしれない」
「死なない限りはこの世界はできることであふれてますから」
「我々とともに進んでいってくれたら嬉しいなと思ってます」

「大切な土曜の夜の時間を」
「僕らにお付き合いいただいてありがとうございました」


「何回願ってこの曲を歌ったかわからない」
「毎回毎回歌うたびに更新している。今日もそのつもりで」
「今の真っ暗な夜の先には明日があるという曲」
「未来はもうすぐそこだ、という曲を最後に歌いたいと思います」
「慣れない環境のなかでついてきてくれてありがとうございました」

12.未来前夜

真一さんがイントロを弾く間にケイスケさんはベストを脱ぎ、シャツ一枚に。まるで鎧を捨ててできるだけ生身に近いかたちで歌を届けようとしているような。

最後の曲までケイスケさんのメインボーカルと真一さんのコーラスによるハーモニーが印象的でした。ただ歌うだけじゃない。言葉をメロディに乗せて発するだけじゃない。喉が潰れんばかりの激しさで、ひとつひとつの詞に感情を込めて歌うからこそ伝わるものがある。そしてそれは言葉だけじゃなく、音、鍵盤にも込められているように感じました。

「明日が見えなくて大変皆さん、どうかこれで少しでも元気になりますように」
「今日がきっと未来の前夜でありますように!」
最後はこんなメッセージを添えて。


「ラスト、リモートヘイ、いくぜ!」という真一さんの号令とともに
チャチャチャン
チャチャチャン
チャチャチャンチャン♪
真&ケ&視聴者:「ヘイ!」

ホントに2時間もやっていたのか!?と思うほどあっという間に終わってしまった。つまりはそれほど楽しかったってことですよね。ライブを観たみなさんはどうだったでしょうか。

ツイッターやLINEを通じて他のメンバーと絡むあたりがとてもLACCO TOWERらしくて。出演していない3人もこの配信を観ているんだな、というのがなんだか嬉しい。高価なPAを使ったライブハウスでの音響と、自宅のPCにつないだヘッドホンからの音を比べても仕方がないけど、配信には配信の良さ、面白さがあると感じることができたのも事実で。

価格設定やアーカイブの問題、その他いろいろとまだまだいろんな課題はありそうですが、またチャンスがあれば有料の配信ライブというものもチェックしてみようと思いました。そう思うことができた、有料配信ライブ初体験でもありました。


今回のアーカイブについてはこちらから観ることができますので、まだチケットを購入されていない方はぜひ。


セットリスト

01.檸檬
02.薄紅
03.最果

~おうちI ROCKS~
04.薄紅(中田裕二)
05.女の子は泣かない(片平里菜)
06.花よ(秀吉)
07.名前を呼ぶよ(ラックライフ)

08.歩調
09.恋するフォーチュンクッキー(AKB48)
10.大きなたまねぎの下で(爆風スランプ)
11.蜂蜜
12.未来前夜


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