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日本国語教育学会(第87回大会) 参加レポ

2024年8月9~10日に開催された、日本国語教育学会の様子について。

公開授業のこと

担当されたのは東京学芸大学附属世田谷中学校の先生でした。
単元の内容は「短歌創作」です。
今大会の研究テーマが「児童生徒が自ら問いを持って学ぶ姿勢を作る授業」というもので、公開授業でもそこを意識した構成になっていました。
本来はペアワークなどが多いそうなのですが、今回は生徒の皆さんの想いを発表することで深め合う時間、という位置づけになっていました。
単元学習の中では、短歌を詠むのがメインの活動ではありましたが、詠んで発表・共有するだけで終わらず、いくつか関連する短歌を作るという活動が興味深かったです。
いいなと思ったところを吸収する、辞書を引きながら試行錯誤する、さらに他の生徒の詠んだうたの良さを踏まえて詠む……ある意味で「贈答歌」的な側面を強調したことが素敵だと感じました。
もちろん次回の授業から使えるテクニック的なものも学べましたが、生徒の皆さんにインタビューする場面があり、そこである生徒が話した内容が特に印象に残っています。
「最初こそ、受験で使える基礎的な知識が必要だと思っていた。でも実際にやってみたら、語彙が増えた。応用として短歌を作るという活動は面白い」
この言葉が出たときに、私はまだ国語科教育には光明がさす可能性があると感じました。参加した児童生徒が「やってよかった」と思える授業づくりをこれからもやっていきます。

インプロの実践

TRPGを研究する者として、どうしても演劇ワークショップについてより深く学ぶべきだと思って参加したのが、2日目に分科会。
神永先生(岐阜聖徳学園大学)による「インプロ」の体験でした。
インプロは即興劇の要素が強く、私が指導した経験のあるものは光村図書の「つないで、つないで、一つのお話」というものです。
これは小学6年生のアイスブレイク的な教材で、最初と最後の言葉を決め、ひとり一文ずつ物語を描写していく遊びです。
私も指導していて楽しかった記憶があり、TRPGもそうですが「即興で何かを言う、演技する遊び」に心を奪われているのだな……と感じました。
インプロそのものは役者さんも実践しているのだそう。由緒正しい!
ひたすらいろいろな体験をしてみて、周りの先生方が疲弊していくなかで、当意即妙な言葉選びと演技を愛好する私は「水を得た魚」状態になり、脳が喜んでいる……と謎の感想を抱いていました。
このインプロで大事だと思ったのは、「意味を求めないこと」。
意味がないからいくらでも自由にできる良さがありました。
また、学級運営などでも使える要素として「倫理観」の育成にも寄与すると伺ったときには「インプロでこれだけできるのだから、TRPGの可能性だって無限大じゃないか!!」と何かが暴走し始めました。
そこから示唆を得て、今論文の組み立てを考えています。
院試、受かると良いな。

今後の執筆の糧を頂戴できれば幸いです。お気持ちだけで結構です。