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教壇に立ったその日から㉙ 小論文指導について【note限定記事】

寒暖差が激しいこの頃ですが、たまたま暖かかったので、新しいおようふくをおろしました。QOLが上がる。どうも星野です。
今回は「小論文の指導について」というお題で執筆していきます。
1日1本プロジェクト進行中。「いいな」と思って頂けたらサポートをお願いします。まだ給料は雀の涙以下です。

小論文指導はほぼすべての教員に求められると、私は考えています。というのも理系分野に詳しくないと書けない小論文も、なかにはあるのです。例えば私が実際に指導して苦心したのは、栄養系・医療看護系でした。
そのあたりの知識が豊富な理系の先生に文章の内容を見てもらってくれ……と思うも、当の理系分野の先生は「僕(私)には文章を添削するなんて無理です」と。
こういう場でも文理分断が起きていて私は個人的に悲しい思いを抱いているのですが、嘆いていても仕方がないので、小論文を指導するために私が気を付けていることを述べていきます。理系の先生に届け。

内容について

内容の充実という観点が小論文では最も重視されるので、論理的になっているか(筋道が立っているか)を確認しながら、その分野に必要な知識を使って文章を書けるように指導します。
論理性に関しては、出発点と結論の矛盾がないか、説明が省かれていないか(説明を省く生徒は結構います)を重点的に確認します。内田樹の言葉を借りれば「情理を尽くして語る」ことが大切なのです。「雨が降ってきた、だから傘を差した」という文をとっても、その傘は持っていたものなのか、盗品なのかとか、そういう重箱の隅をつつくようなところも最終的には端的に書き込めるようになるといいと思います。
大事なのは「端的に」というところです、冗長な文章にする必要はないです。
内容に関しては、事実関係(間違ったことを書いていないか等)や意見の根拠がどれだけしっかりしているかをチェックします。これが専門分野の活かしどころなので、薬学系とか生物系とか、先生自身の知識と照らし合わせながら内容をブラッシュアップしていきます。
最後のほうで文字数制限や漢字の間違いなどを指摘すればいいので、とにかく内容を読みごたえのあるものにしていきましょう。

構成について

構成もかなり大切です。どんなに魅力的な内容を書いていても、順番がめちゃめちゃだと伝わりません。ひとつずつ情報を積み上げるイメージで並べていきましょう。数学の証明問題と同じ要領だと考えてもらえばわかりやすいでしょうか。読んでいてスムーズに論が展開していると思えればOKです。構成をメモするときによく私が使わせるのはこのみっつです。
①マインドマップ
②why-whyツリー
③ピラミッド
順に説明していきます。
マインドマップはよくブレーンストーミングで使われるやつです、キーワードを真ん中に書いて思いつく限りアイデアを出すものです。
Why-whyツリーは見慣れないと思うのですが、出典は読書猿著「問題解決大全」です。「なぜ○○なのか?」→「××だから」→「なぜ××なのか?」というように、どんどん「なぜ?」と問い続けていくのです。実際にツリーの始まりを書いた写真も掲載しておきます。メリット・デメリットなども一緒に考えられるとなおよしです。

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ピラミッドは三段になっていて、一番上に主張を、次に理由を、一番下に根拠を並べて書いてみてスムーズに繋がるか確認するためのツールです。これがあるだけでわりと生徒の頭の中は整理されるようなので、ご紹介しておきます。

おわりに

最後にモチベーション管理の話ですが、最初から赤ペンで「ここダメ」「ここもダメ」と言っていくと萎えてしまいます。最初は誰だってうまくいかないもの、まずはよかったところを褒めてあげるのが大事だと考えます。褒めたそのうえで次はこうしてみようと動機付けしていく必要があります。次はもっと面白いものを書くぞ、という意思を持てるようにしてあげましょう。
また、自分だったらどう書くかも考えてみるのが重要です。型にはまったものを書くのではなく、自由に論述する難しさと楽しさを体感して指導できるといいですね。
小論文のもっと具体的な書き方は、お湯さんのブログにありますのでそちらをご参照ください。


私も小論文書いてみよう。

というところでおしまいです、それでは、また。

今後の執筆の糧を頂戴できれば幸いです。お気持ちだけで結構です。