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TRPG勉強会2024 報告 ver.1.3

2024年5月9日に実施したものの反省です。

今回のテーマとシナリオ選定と演技

今回参加してくださった方には「演技の練習をしたい」とのご要望があり、TRPGと演技というテーマで役作りなどを考えることにしました。
推理ものがいい、というご希望もあって今回はクトゥルフ神話TRPGに決定。
シナリオは書き下ろしの「黒幕」という本格推理が楽しめるものでした。
テーマが「演技」だったので、キャラメイクや動かし方の観点からいろいろお話をしたのですが、やっぱり「お芝居の役者さんの演技」と「TRPGなどで求められる演技」は違うな、という結論になりました。
お芝居だとキャラはある程度脚本を書いている人に指定されていて、そこをどう自分のものにしていくか、が焦点になると思います。
しかし今回はキャラを参加者さんが生み出すところからスタートしたため、参加者さんの「慣れていないために素が出た」というご発言で目が覚めました。

そう、普通の人間は基本的に「キャラをつくる」ということをやらない。
あるいは、意図していてもほぼ無意識にやっている。

キャラを動かすコツ

いろいろなキャラを演じられるようになりたい、とおっしゃっていたので、個人的に習得した「キャラメイクの極意」をお伝えしておきました。
要は「目的意識」だとか「矜持」の部分を固めよう、というやつ。
キャラクターには背景となる情報と、現在の状況、これからやりたいことの3点が大事になります。
たとえば過去に失恋したから女性が苦手、みたいな設定ですね。
これをもとに行動を決定するので、先ほどの子だったら女性に話しかける際抵抗感を抱く描写を入れたほうが「らしく」なります。
これはエモクロアTRPGのプレイヤーセクションに「ロールプレイ」の項目があるのでぜひ見てほしいのですが、「実際の発言に付加情報を入れる」のもかなりTRPGならではだな、とも思ったのです。
怖がっている、喜んでいる、そういった言外の行動もあえて言葉にします。
ここはおそらくお芝居の演技になるとト書きにあたるものなのです。
だからTRPGの演技をお芝居で使うなら「ト書きをじぶんのものにする」……というかト書きにある言語情報を身体で表現しないといけなくなる。
だからあの方にはLARPが向いていたのかも、とちょっと思っています。
目的や向き不向きはあるので、そこも選択肢として教育でも応用したい。

オマケ・演技について

この実践の翌日に、新宿の学問バーKisiさんにてタイムリーな話題が。
「演技ってなんだろう?」というディスカッションがありました。
9日の参加者さんとふたりで行ったのですが、脚本を書き、演出し、つまり「マスター(※司会進行)が総監督」のTRPGと本物のお芝居の大きな違いに、改めて気付かされました。
我々のTRPGは遊びであり、収益化する道が限られていますが、お芝居はそれそのものが「商品」なのでかなり認識の違いを感じました。
ただ、演劇を活用した学びの観点については、小中学校でワークショップの実践が先行研究としてあるという情報を教えてもらい、助かりました。
「似た者同士、仲良しなどの小集団で始める」
「どこまで介入するかはシビアになる」
「心理的安全、全員の合意形成」
このあたりは必須で必要になるのだと感じました。
プレゼンターの佐伯さんが「あまり演じ方を細かく指定されたくない」、とおっしゃっていたのも印象的で、それができるTRPGの強みを活かしたい。

今後の執筆の糧を頂戴できれば幸いです。お気持ちだけで結構です。