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TRPG勉強会2024 報告 Ver.1.5

年長者の言うことは聞くものだよ。今年のTRPG勉強会の報告、5回目。

シナリオとキャラクター

今回はジェンダーを扱うシナリオとして。エモクロアの「純情心中」という書き下ろし作品を使用しました。
参加者は2名で、おひとりはTRPGそのものが初体験でした。
キャラクターを見せていただいたところ、なんとW脳筋でした。
好きな言葉はふたりとも「力こそ全て」でした。
外見の特徴はふたりとも「筋骨隆々」でした。
笑っちゃった。鞍馬神流かよ。
「禁断の恋」がテーマだとしても、自分から一番遠い存在を演じるならば、と考えたらこうなったとのこと。
シナリオも葛藤を生むはずが、かなりギャグ寄りになり、ただただ私が終始笑い転げているようなセッションでした。
おふたりとも演技に興味があったり、役者の経験があったりと演じることに関しては一流なので、自由に演じる楽しさを優先してくださいました。

可能性と課題

イロモノキャラを演じると「こいつならきっとやれる」と自信が生まれて、結構自由にはっちゃけられた、と経験者の方はおっしゃっていました。
「自分は慎重派だけれど、キャラは違う。それはキャラに力があるからで、できないことのほうが想像できない。だから自由にやれた」と前回とは違う一面を見せてくれました。
初TRPGを終えた方は「こいつも人間なんだなって……」としみじみ。
「キャラの設定だけでは見えてこなかったが、このキャラにも人間としての悩みがあり、葛藤がある。それがプレイしていくなかで見えた」。
俗に言う「設定が生える」というやつですが、それを人間らしさだと感じてくださったようで、とても嬉しかったです。

TRPGを遊ぶと100%の確率で話題になるのが「当事者意識」と「柔軟性」。
当シナリオは恋愛描写があり、ジェンダーなどのセンシティブな話題を扱う関係で、そのまま中高生が授業で扱っても良い題材ではありません。
それでもやる意味がある、と感じたのは「当事者意識」を感じるからだ、と確信を得ました。
その世代、相手にする児童生徒のニーズや実態に合わせたシナリオ、そしてシステムを決めて「フィクションのなかにくるみこむ」のが良いのかも。
「この世界では○○の人が差別されていたけれど、現実の世界では……」と、架橋していく作戦をとるならば道徳でも使えそうです。
特に人前での演技を嫌がるお年頃には、「完全匿名テキストセッション」がいいんじゃない!? 今はひとり1端末だし! という夢のあるアイデアも。
もうひとつ、「柔軟性」についてはTRPGの持つ自由度の高さもありますが、参加者たちの意識を「柔軟にしていく」という側面を感じたというご意見がありました。
「人生で役割演技をしないことのほうが少ない。だからこそ、接客業や営業など、対人の仕事の研修で使用することも視野に入れられる」という心強いアドバイスも頂きました。
私が想定しているTRPGのメリットはいろいろあるのですが、大きくは2つ。
「相手の立場に立って考える」
「客観視して物語を紡ぐ(正確に読み、的確に伝える)」
これらはどの参加者さんもかなり肯定的にとらえてくれるので、手ごたえがしっかりしてきました。

今後の執筆の糧を頂戴できれば幸いです。お気持ちだけで結構です。