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「TRIO」展(竹橋) レポ

三都市間の素晴らしき競演。

まずは概要から。東京会場は8月25日まで、東京国立近代美術館にて。
大阪は中之島美術館です。こちらは9月14日から12月8日まで開催。
どちらも10時から17時まで開館、月曜休館です。
東京会場は金・土だと20時まで開館しているので、仕事終わりに行くのも
おすすめです。ゆったり見られます。
また、作品は基本的に撮影OKですが、個人利用のみとなっています。
SNSに投稿する際は、TRIO展をタグ付けして、撮影した作品の所蔵館および作者・タイトルを明記するように、という注意書きがありました。
ルールとマナーを守って楽しく鑑賞しましょうね。

都市と絵画と文化のTRIO

特定のテーマについて、東京・パリ・大阪の各都市を代表する作品が並び、それぞれの似たところや違いを発見できるのが、この展覧会のテーマ。
写真や現代アートなど多様な作品に触れられるので、「お気に入り」が発見できること間違いなしです。
私の「お気に入り」たちはこちら。ぜひ生で鑑賞してほしいし、他の作品や都市のまとう空気、文化的背景を考えてみてほしいです。


安井曽太郎《金蓉》東京国立近代美術館蔵
ルネ・マグリット《レディ・メイドの花束》大阪中之島美術館蔵

他にもたくさんあるのですが、特に感じたことをいくつか。
「各都市の個性と所蔵作品の方向性は似る」
レオナール・フジタ(藤田嗣治)がパリに行ったのは、たぶん日本の閉塞的な空気が嫌だったからなんだろうな、とかつて思ったことがありました。
描きたいものを描く、自分の武器である乳白色で。
だからこそ彼の作品はMAM(パリ市立近代美術館)に所蔵されたのです。
パリの作品は自由闊達、いきいきしています。
自分の貫きたいものを通す人はハマるんだろうなと。
東京の作品はちょっとロマンチックで、線もどことなく柔らかい。
日本の首都という自負のようなものも感じられます。
大阪はおおらかで、それでいてエッジの利いた作品を好んでいる印象。
どのTRIOを見ても、だいぶ方向性の違う収蔵品だと感じました。
それでいて題材は似通っているから、それは構成の上手さなのでしょう。
「共通する近現代」
近代化から戦争、女性の進出やアートに対する新しい考え方。
それらは各地域に根付いた時期の差はあれ、共通の認識として時代を創った思想であり、画家が大事にしたものでした。
それらをじかに感じられる、しかも多角的に、多様に感じられるのは、大変貴重な経験でした。あの空間は何度でも味わいたいと思える。
まだまだ期間はあります、私もおかわりしてしまうかもしれない!

今後の執筆の糧を頂戴できれば幸いです。お気持ちだけで結構です。