ニューヨーク州立大学オルバニー校への派遣留学、人生で一番勉強した1年間
今回ご紹介するのは、1年のアメリカ派遣留学で得た教訓や現地での生活について。
語学力向上よりも何よりも自分に負荷をかけられる環境に身を起きたかったので、留学をしようと決めました。
留学中は、生活の全てを吸収しようと努め、1秒たりとも無駄にしないよう必死に考え行動しました。
なぜニューヨーク州立大学?
4年卒業したかった
1つ目の理由は、単位互換制度を利用し、日本の大学を4年で卒業したかったからです。
一般的に、大学で留学する場合は派遣(交換)留学と語学留学の二つの選択肢があると思います。
派遣留学の特徴は単位互換ができること、授業料は日本の大学に納めればOKというところです。
今考えればそんなに焦る必要はなかったのではと思うのですが、当時はせっかくここまでストレートで来たのだから留年せずに卒業したいという気持ちが強かったです。
実際、東京外大で3年次から1年留学に行き、4年卒業をするのは毎年約500人中数人とかなり少ないのですが、なんとか4年で卒業することができました。
ニューヨーク州立大学は気候・環境学でNo.1
もう一つの理由としては、本場で環境学を学びたかったからというのが挙げられます。
実はニューヨークは、環境保全と経済発展を上手く両立している世界でも有数の都市です。
マンハッタンのような超都会のイメージを持たれると思うのですが、オルバニーや州の北のエリアはかなり自然が豊かです(日本でいうと軽井沢が近いと思います)。
中学生の頃から環境問題に興味を持ち、日本の大学でも資源人類学を専攻していた私は、気候学(Climatology)や環境学(Environmental Science)で有名な教授のいるこの大学を選びました。
平日は勉学やスポーツに集中し、週末は往復$10もあればGreyhound(高速バス)でマンハッタンや他の都市に遊びに行くことができたのでとても満足しています。
留学して得たもの2つ!
生産性向上
やりたいことが沢山あったため、どうすれば効率良くできるのか、そればかり考えていました。
その結果、今までに比べ同じ時間でこなせる作業量がかなり増えたのです。
一個が終わったら次に移るのではなく、複数のタスクを同時並行で進める能力も身に付きました。
これの良いところは、一つの作業で行き詰ってしまっても、他の作業をやった後に戻ることで新たなアイデアが出てきたりするのです。
物事に優先順位をつけてこなしていく方法も身に付きました。
今のリーマン生活にもこの考え方は、かなり役に立っています(^^)
時間の使い方については特に下記の二冊が面白いです。同じ時間でできることが増えたおかげで友人によく、一日48時間くらいあるんじゃない?と言われます。
根性が鍛えられた
私は小さい頃からサッカーや野球、テニスをやっていて厳しくときに理不尽な部活動の練習にも耐えてきました。
そのおかげで根性はもともとある方だったのですが、留学で更に強靭なメンタルを得ることができました。
外大の中でも英語科の課題はかなり多いので有名だったので、日本にいる頃はそのキツさの中割と頑張っている方だと思っていたのです。まさに井の中の蛙でした。
しかし!アメリカの大学の課題はその比ではありませんでした。
留学したての頃、各授業で課される膨大な課題の量に途方に暮れました。
日本でひーひー言っていた自分はなんだったのだろう、今まであの程度で苦労していたのかと。
量は遥かに多く、〆切の期日が短いものばかり。
「はい、これ来週までに全部読んで要点をまとめてそれに対してエッセーを書いてくるように」なんてザラです。
アメリカの大学の課題の量がえげつないことは認識しているつもりでしたが、百聞は一見に如かずですね。新しい世界を身をもって知ることができて良かったです。
一見厳しいと思うことでも、諦めずに挑戦し続ければ状況はいつか好転するということを身をもって学びました。
4年の秋学期に外大に復学した時には、なんて課題が楽なのだと思ったものです。
大学3,4年次からどんどん取る授業が少なくなる日本の大学とは対象的に、卒業間近まできちんと勉強してから卒業するアメリカでは学生レベルの差がどんどん開いても不思議ではありません。
ニューヨーク州立大学オルバニー校での経験
ニューヨークというとあのタイムズスクエアの煌びやかなイメージを浮かべる方が多いと思いますが、州都であるオルバニーは、マンハッタンから車で3時間程北上したところにあります。
ニューヨークって実はかなり縦に長いんですよね。行くまで全然知りませんでした。
週末のオルバニーのダウンタウンは賑わってましたね〜クラブに行ってワイワイしたのもいい思い出です。
勉強と遊び、メリハリをつけて楽しんでいる学生が多いのが印象的でした。
寒暖差が激しかったのも驚きでした。2017年9月~2018年5月の滞在期間中、最高気温が39℃・最低気温が-20℃だったのには驚きました(確かに北海道よりも遥かに高緯度)。
留学に2週間遅刻
数週間の留学経験があるとはいえ、英語はネイティブレベルでもない私が既に友達のコミュニティができているところに飛び込むのは想像以上に大変なことでした。
体育会テニス部の最後の大会(インカレ予選)が8月末まであり、主将だった私は周りのみんなを置いて一人留学に行くことはできなかったのです。
教授には、事前に遅れることを伝えていたので課題の事後提出を認められました。
しかし、次々に課される課題に加えてそれらをこなし、オリエンテーションのキャッチアップも全て1人でやったため、最初の1ヶ月はほとんど余裕がありませんでした・・
今となっては必要な時間だったと思えますが、メンタル的にもかなりきつかったです。
オルバニーでは、思わぬ人に助けられました。
なんと、中学の時に出場した高円宮杯全日本中学校英語弁論大会の同期(お互い違う県代表)が正規生としてオルバニー校に在籍していたのです。
偶然7年ぶりの再会を果たしたその同期が色々教えてくれたのは本当に助かりました。ありがとう。
履修登録した授業+国家総合職の勉強
〈9〜12月〉
履修登録は渡米前に行い、100番台の世界史、300番台の中国史・ニューヨーク史・気候学を履修しました。(授業がそれぞれ100番台から400番台に分けられており、数字が上がるほど専門度が上がります)。
リーディング、スピーキング、ライティングが他の授業よりも多いと言われる歴史の授業を大量にとれば、いち早く3能力が上がり、言語ハンデを克服できると考え履修しました。
が、想像を絶する大変さでした(笑)。
毎週コンスタントに課されるリーディング、ライティング、小テスト、そして時折現れる中間・期末テストを就活と両立するのは今思い返しても本当にクレイジーでした。
学期中総計40本、60,000wordsのレポートを出したのは今となっては良い話のネタですが、流石にもう戻りたくはないです(笑)。
授業に慣れるまで1ヶ月かかりましたが、どのクラスでも最終的に成績が上位であったので当初の予定は達成されたということで😊
〈1月〜5月〉
環境学、シェイクスピア精読、リスクマネジメント、ライティングの授業を履修しました。
春学期はどの授業もやりたいことと一致していたので大満足しています。秋学期の反省を活かし、100番台を多めに取りました。
実は、ボスキャリで国家公務員に惹かれて以降、国家総合職の試験勉強を留学の勉強と並行してやっていました。
参考書・過去問約30冊を全部アマゾンで買い、アメリカの寮の住所に届けました。
授業を毎日午前中で終わるように組み、課題をなるべく早く終わらせ、ピアノを弾いたり、運動をしてから残りの時間の全てを国家総合職の勉強につぎ込みました。
全ての教科を独学で留学中に始め、心が折れそうになったことは何度もありましたが、自分の選択の責任を取れるのは自分しかいないと言い聞かせて乗り切りました。
正直根性ゲーでした。睡眠不足になると効率が悪いなんて言ってられません。
1番遅くまでやっている図書館は朝3時まで開いており、寮もキャンパス内にあったので夜遅くまで籠もっていました(今まで真面目に図書館やカフェで勉強したことがなかったので少なからず机に向かっている自分かっけーと酔っている節もあったのは事実です汗)。
周りも熱心に勉強する環境だったのは大きかったです。自分もやらなければ差が開く一方だとやる気になれました。
4月に一時帰国してまで受験した国家総合職(官僚)の道には結局進みませんでしたが、それを目標に勉強したことはとても良い経験であり、尊い教訓となりました。
中でも、受験期でさえ1日15分も机に向かって勉強できなかった自分が、1日軽く6時間以上勉強できるようになったのは一つの成果だといえます。
授業後には毎回教授の部屋に行き個別指導を受けた
英語ネイティブでもない私がどうやって2週間の遅れを取り戻したのか。
それは、授業後に教授の部屋に行き、分からないところを洗いざらい質問するようにしたのです。
最初は全く論理的に質問できず、自分でも何を聞きたいのかが分からなくなるなどかなり苦労しました。
私の場合は派遣留学で現地の学生と同じ授業を受けていました。
きちんと単位を取らなければ、日本の大学の単位と交換することもできないため必死でした。
質問しに行けば教授にやる気をアピールできるという下心もありました。
結局単位を落とさないどころか成績優秀者として認定してもらえたので良かったです😊
渡米して早々にボスキャリ準備
先述の通り、私が渡米したのは2017年9月3日でした。
ボストンキャリアフォーラム(以下、ボスキャリ)という留学生向けの就活イベントが毎年11月頃に開催されるのですが、あろうことか私はアメリカに行ってから準備すればいいや、と呑気に構えていたのです。
ボスキャリで苦労した経験については別記事で纏めています。
留学中してよかったこと
・留学中したいこと100リスト作成
・日経新聞、Wall Street Journal (WSJ)、Flier購読継続
・和書洋書計100冊読破
・TED talks毎日3つ視聴
・ピアノ(ほぼ毎日)、ジム、テニス(週4程度)
・毎月2本以上映画鑑賞
・ブロードウェイ鑑賞
・美術館巡り
・アメリカ1周1人旅
・スタバカード登録 (アメリカのカード変換効率良すぎて一瞬でゴールドカードに)
・カフェのレジ近くに数時間座って現地の人のやりとりをひたすら聞いて学ぶ
etc.
留学は最高の思い出
いつか留学してみたい!という気持ちがあれば、準備を始めるのは「今」です。是非挑戦を!
実際、入学直後から準備を始め、大学2年から1年間行く同期や後輩も結構いました(3年次で行くよりも4年卒が楽になります)。
ニューヨークでの1年は、楽な事ばかりではありませんでしたが、それも含め全てが良い経験で尊い教訓となりました。
この記事を書いていたら次はマスターを取りに大学院に行きたくなりました・・・
会社の留学制度で絶対行きます。
留学に関し質問等ありましたらTwitterやInstagram等でいつでもご連絡頂ければと思います(^^)
いつも自分の決めた道を応援してくれる両親、祖父母は本当にありがたい存在です。
留学を支えてくださった全ての方々には本当に感謝しています。
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