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左足の憂うつ

足の形というのは、大きさにしろ、厚みにしろ、自分のワードローブに2割くらいは影響していると思う。

私は左足が右足よりも大きい。
夕方になると大きくなるとかそういう類の話ではなく、左足のサイズが0.5センチほど確実に上回っているのだ。
つまり23.5の靴を買えば左足が痛み、24.0の靴を買えば右足の指先が靴の中でウキウキと遊ぶ。

常々思うのだけれど、どこの靴屋でも左右異なるサイズの靴を売ってはくれないものだろうか。
まぁ、それが難しい理由も当然理解できる。
百歩譲って、私と同じように左右のサイズが異なる人たちが、それぞれの足に合ったサイズの靴を買ってトレードできるようなシステムがあればいいのに。
もしかすると、23.5の左足と23.0の右足を買っていく人がいるかもしれない。
売れ残っている23.5の右足を私が買い求める。
24.0の左足は仕方がないから売れはぐれが出るまで予約待ち。

そんな妄想をしながら、昨夜歩きすぎた左足の小指に残るジンとした痛みをさする。

大きさも幅も個性豊かな足のせいで、流行りのかわいい靴とはすっかり無縁になってしまった。
足先がすっと尖ったパンプスも、つま先でひっかけるミュールも、まるでシンデレラの継姉のごとく私の足から脱落していった。
そういえば中学生の頃、シンデレラの継姉の役をやったことがあったっけ!という不思議な偶然はどうでもよいとして、お洒落は足元からとはよく言ったものだ。
どんなに気合を入れて服を選んだところで、靴がどうにもちぐはぐでもどかしい。
そうなると、最後は靴に服を合わせざるを得ない逆転コーディネートになってくる。
結果として、自分でもなるほどと思うくらい、じつにカジュアルな今の自分に仕立て上がってしまった。

ゴソっとしたスニーカーを履きながら、なんだか左足にケラケラと笑われているような気がしてくる。







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