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making a bouquet(花束を編んだ日)

ときどき、過去のフィルムを見ると悲しくなる日があったりする。

褪せた青の憂鬱と、それに比例するような愛を確かめるように。
僕はふと、とある季節の1ロールを見せることにした。

季節は2022年、3月の終わり。
会おうと思っていた人に突然ドタキャンされて、ぼっちになってしまったそんな日だった。

フィルムはKodak Gold200、所謂廉価フィルムってやつだ。(これでも当時からずいぶん高くなってしまったが)

旅の始まりは京都水族館。
小さな冒険の、はじまりはじまり。

京都水族館に入ってすぐにこの光のような川がある。
それはまる微睡から差し込む、一筋の光だった。
さかな〜、チンアナゴ〜
(ってリコリス•リコイルは夏やろがい)
海月の実験室。
室内なのにここだけ深い海の底のようだった。
同じく実験室。
水槽に書かれた文字がかわいいよね。
水の重なりが、弧を描くような。
でも不規則で、ちょっぴり不思議だった。
外に出てみたら、もう桜が。
まだ3月なのに()
市バスの日常。
今は人が多すぎて、こんな写真撮れないよね。

場所は変わって、鴨川デルタ。
僕は、ここから南に下ることにした。

デルタはいつでも大盛況。
人と人の、ジャンクションみたいだね。
飛び石何段飛べるかな。
プリズムに溢れる光が、
時折悲しく光るだけでした。
枯れ草の悲しさに、僕は気づかなかったのです。
今ならよくわかる気がするよ。
本の露天商。
河原の石で留めてあるのがかわいいね。
桜の海に潜ったら、
少しだけ春になれた気がした。
鴨川は今日も快晴。
平和な午後の光だったり。
小さな演奏家たち。
この人たちは夢を掴めたのだろうか。
確かパーク•ハイアットの大木。
この樹は幾つもの人生を見てきたのだろうか。
新緑と柔らかな青。
桜も河見したいのだろうか……..
そうだよね、春だもんね。
少し咲いた枝垂れ桜。
春はもうそこまで来ている。

ここからは高瀬川に沿って、四条河原町まで。
路地裏の探検は楽しいなあ〜

一方通行の看板が、これは桜ですよ!!!
って言っているようだったり。
桜の川。
流れる水星は、桜かそれとも。
そろそろ夕暮れ、眩い光が落ちるね。
電燈が光り輝くのを見て、
僕は夜の始まりを知ったのでした。
仏光寺と、木屋町。
二つの街が交差するこの写真で終わり。

これにて小さな冒険を収めた1ロールはおしまいおしまい。
きっと写真の中に写るものたちは、みんなそれぞれをそれぞれの道で生きていることだろう。
僕は時折そんな季節のことを想って悲しくなるが、それもまた愛なのだろうね。
だって写真の愛は無限大だもん!!!!!

おしまい。

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