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僕たちのヒーロー トップガン

男の浪漫の詰め合わせ 

エンターテイメントとしての映画というのは視聴者をどれだけ惹きつけて、ワクワクさせ、憧れを抱かせるかがその価値の大小を決める。
トップガンは戦闘機という男なら誰もが憧れる乗り物を巧みに大胆に乗りこなす1人の天才イケメンによる青春群像だ。

戦闘、友情、恋愛、死、別れと青春の酸いも甘いもが全て詰まった不朽の名作でトムクルーズの出世作だ。
満を持して2022年に続編が公開され話題となった。

この作品を小学生の時に初めて見てから何度繰り返し見たかわからないくらい見返し、トムクルーズになりたいと思いながら幼少時代を過ごした。

クールなオープニング

トップガンアンセムという曲が格好良く、オープニングのギターなしバージョンは所々に入る鐘の音と、トップガンとは何なのかのテロップ説明が曲とマッチしていて格好良さをより際立たせている。

そこからの空母でのリアルな戦闘機の整備と離着陸映像が流れてからテーマソングが始まり、緊迫した戦闘機による接敵シーンから物語が始まる。

破天荒なマーヴェリック

主人のマーヴェリックは天才パイロットだがルールや規則をよく破り、上官に怒られるのが常だ。無茶をしようとするマーヴェリックをグースが止めようとするが止められた試しがなく、グース自身呆れと楽しみ半分な対応をしているように見受けられる。その素行の悪さは上官だけではなく、チームメイトからも疎まれ孤立していくこととなる。

トップガンはパイロットNo. 1決定戦を天才パイロットマーヴェリックと同じく天才パイロットアイスマンの競い合いを主軸に物語が進んでいく。

同時に美人教官との恋模様が混ざってくるのだが、バーで絶妙に下手なラブソングを歌ってナンパしてフラれるというダサい出会いが最高にクールだ。ライチャスブラザーズの「ふられた気持ち」を皆で合唱するシーンは個人的に1番好きなシーンと言ってもいいかもしれない。

この出会いの曲をチャーリーがマーヴェリックとの再会時にジュークボックスで流し、そのままエンディング入っていくのも最高に痺れる名場面だ。

グースの死

絶好調からの急転直下は映画をエンターテイメントするためには不可欠だ。グースの死はこの映画にとってなくてはならないもので、マーヴェリックが大人になるためにも乗り越えなければならないものだった。

女教官チャーリーとの恋も成就し、トップガンチャンピオンになるためアイスマンとのシーソーゲームも佳境を迎えた矢先、相棒グースは機械トラブルでコントロール不能になった戦闘機から脱出する際、キャノピーに頭を強くぶつけて不慮の事故で亡くなってしまう。これは操縦者であるマーヴェリックに一切の責任がなかった訳なのだが、責任を深く感じてしまい別人のように大人しくなってしまった。

ライバルのアイスマンや恋人のチャーリー、グースの奥さんと多くの人が励ましてくれたのだが、自暴自棄から脱却できず、以前のような飛行はできなくなってしまう。
このままトップガンチャンピオンはライバルアイスマンに取られてしまう訳だが、直後に有事が発生し、待ちに待った戦闘シーンがいよいよ始まり物語はクライマックスを迎えていく。

ここからはこの作品最大の見所胸熱シーンが盛りだくさんだ。

悲しみを乗り越えて

有事が発生し、マーヴェリックは補欠としてスタンバイしていたが先に出た一機が撃墜され、アイスマンが5機から追われている状況でマーヴェリックが救出に向かうが、いざ戦闘が始まった直後グースが亡くなった事故と同じようなトラブルが発生し、怖気付き逃げてしまうが「勇気をくれグース」の名台詞の直後引き返し、4機撃墜の大活躍でアイスマンを救う。

この緊迫した戦闘シーンと極限状態の中、自分を取り戻すところは最高に感動し、胸が高まる場面だ。
戦闘後、空母のデッキで多くのクルーから祝福され、犬猿の仲だったアイスマンと抱き合う場面でクライマックスを迎え、マーヴェリックは1人甲板でグースのドックタグを海に投げ入れる悲しみとの訣別の場面となる。

時が経ち教官になったマーヴェリックが1人バーにいるとジュークボックスから「ふられた気持ち」が流れチャーリーとの再会、エンディングと物語は終焉となる。

青春、友情、愛、悲しみ、別れという若者が味わう人生の妙味を戦争という闇を背景に明るく、儚く、切なく、格好よく描き、視聴者を最大限に楽しませ、感情移入させる仕組みが所狭しに詰まった最高の作品だった。

大人になるということは悲しみを背負っていくことだが、大きな悲しみを背負える大人になるためには、その大きな悲しみを大きく超える幸せがなくてはならない。
命をかけて必死に生き、悲しみを背負うことのできる大人になろうとこの作品を見るたびに私は思うのであった。

トップガン マーヴェリック

もちろん続編も観た。前作をモチーフしたオープニングから鳥肌が止まらず、こういう映画が観たいんだよの金字塔のような作品だった。

終始トムクルーズ格好が良く、トムクルーズの、トムクルーズによる、ファンのための作品だった。

1番好きな場面は飛行禁止を言い渡され、教官をクビになったマーヴェリックが不可能だと全員が諦めかけている任務が達成可能であることを自ら飛行して実現させるところだ。

最初から最後までずっとワクワクさせてくれるこの作品はマーヴェリックに少しでも近づけるよう格好良く生きたい思わせてくれる効果がある。人生に壁にぶつかった時はいつもマーヴェリックが勇気をくれる。

これからも私はマーヴェリックのようなイケオジを目指し、あらゆる困難に立ち向かっていこうとこの作品を見るたびに固く決意するのであった。


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