Webライターについて 時給を最大化する戦略とテクニック
現在、僕はフリーランスのライターでお金を稼ぎながら生活している。一時期は日本国内をバックパック1つで旅しながら仕事していたこともあった。最近はネット上でフリーランスやノマドで働いている人をよく見かけるが、実際にフリーランスやノマドで働いている人を見かけるのはそう多くないらしい。そう思ったのは、何人かの友人に「どうやったら、そんな働き方ができるの?」と質問されたからだ。特に僕の場合、大学卒業後に新卒フリーランスとして活動していたため、なおさら興味があったようだ。
フリーランスのWebライターを夢見る人は多い。だが、どのようにすればWebライターになれるのか、具体的なイメージを持てていない人も多い。そのため、AmazonのKindleストアで、Webライターを目指す人のための書籍が数多く出版されている。試しに僕も何冊か読んでみたが、それがあまりにもひどかった。Googleで調べればすぐに出てくるような情報が、まとめられていただけだったのである。それどころか、情報商材への流入のために、Kindleを出版しているケースも見受けられた。「これはまずい」と僕は思った。友人に勧められる本が1冊もなかったからだ。だったら、友人に勧められるような本を、僕が書こうと思った。それが本書誕生のきっかけである。
本書はWebライターを目指す人、Webライターのフリーランスとして独立したい人がターゲットだ。これまでKindleで出版されてきたような「Googleでわかる情報がまとめられただけの書籍」とは違い、本書は、僕の具体的な体験に基づいている。Googleで簡単に見られない情報ばかりが、盛り込まれていると思う。
第1章では、僕がライターになるまでの過程を紹介する。参考になるかどうかはわからないが、具体的なイメージを固めてもらえればと思う。
第2章では初心者ライターに向けて、7つの心得を紹介する。僕自身が取り組んでいて良かったと思ったことや、あのときこうすればよかったなぁ、と思ったことを7つ厳選した。
第3章では案件の見極め方を紹介する。絶対に受けてはいけない案件の共通点や、クライアントの見極め方を、私見たっぷりに語っている。
第4章では、フリーランスに必要不可欠な「令和のコミュニケーション術」を紹介する。フリーランスになると、お互いの顔を知らない状態で仕事を進めることが多い。これまで会社でやってきたコミュニケーションが通用しないことが多々ある。令和のコミュニケーション術は、フリーランスのライターにとって必要不可欠なスキルだ。
第5章では、時速5000文字を目標に、執筆速度を上げる方法を紹介する。ちなみに僕は、調子がいいときは時速5000文字で、平均時速が大体3000文字くらいだ。これぐらい早く執筆できれば、文字単価1円でも平均時給3000円は見込める。
第6章ではSEOについて解説する。ライターを目指す際に、最初の壁になるのがSEOだ。そしてSEOは実際のところ、よくわからないものである。僕は検索順位1位を何度も取っているけど、それでもSEOはやっぱりよくわからない。本章を読めばSEOがいかに不明瞭なものか、そしてライターがSEOをそこまで気にする必要がないことがわかる。
第7章では、AIライティングとの向き合い方について解説する。文章生成AIとの向き合い方が、ライター業の運命を左右するのは間違いない。
第8章では、Webライターの未来について語っている。テクノロジーの進化と働き方の変化により、Webライター業がどのように変わっていくのかを私見たっぷりに予測する。それにあわせて、Webライターがどこに向かっていくべきなのかも紹介している。
それでは、私見たっぷりに、Webライターについて語っていこうと思う。
※本記事は、以前Kindleで出版していたものを全文記事化したものです
第1章 僕がライターになるまで
2020年6月 ブログを始めた
2020年4月、新型コロナ感染拡大による緊急事態宣言が発令。当時大学3年生だった僕は、外出自粛を余儀なくされた。それまでは授業、部活動、アルバイト、遊びと、とにかく忙しかった。だが、それらが全てなくなり、一気に暇になる。そこで僕は一足早く就職活動を始めることにした。同時に「いつかフリーランスで働けるようにしよう」と漠然と決意し、WordPressでブログを立ち上げた。なぜ、ブログを立ち上げることにしたのか、あまり覚えていないのだけど、初期費用が想像以上に安かったからというのが決め手になったのは、今でも覚えている。
ブログ立ち上げ当初、僕は就活で学んだことをアウトプットする場として、ブログを活用していた。ただし同時期、外出自粛を機に、深夜アニメにもはまっていたことから、アニメ関連の記事も書くようになった。新規で独自ドメインを取得したため、当初はGoogleからの評価は得られず、PVは伸びなかった(今も微妙だけど)。でもなんとなくアウトプットすることが楽しかったから、特にストレスを感じることなく、ブログを続けることができた。2024年現在もブログを続けている。そう考えると僕は、文章作成に関しては、継続力があるのかもしれない。
2020年10月 ライター案件をゲットした
ブログ開設から数ヶ月が経ったある日、ふとWebライターがアルバイト代わりになるのではないかという考えに至った。というのもちょうどその頃、僕はブログ執筆の際に執筆速度を気にするようにしていて、当時から1時間あたり3000文字は執筆できていたのだ。仮に文字単価が0.5円だとしても、時給1,500円の計算になる。アルバイトよりは良い報酬だ。ブログ執筆の際に構成作成のスキルも身に付けていたので、5000文字程度の長文なら普通に執筆できる。
一般的に、フリーランスで初めて仕事を手に入れるのは、それなりに苦労するものだ。だが僕の場合、既にブログで100記事以上執筆していたので、それをポートフォリオにすることができた。僕の目論見は当たっていた。ランサーズでアカウントを作ってからすぐに文字単価1円の案件を手に入れることができた。とは言え、この案件はそんな大層なものではない。執筆というよりは、データ入力に近いものだった。だが、文字数が5000文字で、それを持ち前の執筆速度で、1時間半で執筆できたので、時給換算で約3,000円だった。この経験で味を占めた僕はクラウドソーシングだけではなく、ツイッターも使って案件を探すことにした。そしてそこで僕は、運命的な出会いをすることになる。
当時、僕はかなりアニメにハマっていて、1クールで30作品以上視聴していた。それを武器にアニメ関連の案件を片っ端から営業していた。その中で「アニメ関連の記事を書ける人を探しています」というツイートを見かけた僕は、TwitterでDMを即座に送信。すると、その案件が超有名動画配信サービスが運営するメディアだったことがわかった。報酬は文字単価5円で、取材記事に関しては、文字単価7.5円という破格の単価だった。その担当者は、アニメ中毒者だった僕を即採用してくれて、僕は素晴らしい条件の中で、アニメ記事を執筆できるようになった。時給が1万円を超えることもあった。好きなことを仕事にするとよく言われていたが、それはこういうことなのかもしれないと思えた経験だった。
2021年1月 ライター業を開業
2021年1月、僕はライター業を開業した。本来であればフリーランスで仕事を手に入れる前に、開業届を出すべきだった。だが当時の僕は、そんなことすら知らなかったのだ。だから、2020年度の確定申告のときは、とても苦労した。所得税を払わなくてもいいけど、住民税を支払わなければいけないくらいに中途半端に稼いでしまっていたのだ。それに当時はまだ学生で、かつアルバイトもやっていたから、なおさら厄介な状況だった。ライター業の収入だけ証明すればいいのか、年末調整とかはどうすればいいのか。とにかく色々と複雑だった。
そして、このときになって青色申告や会計ソフトなど、確定申告関連の知識を軽く勉強した覚えがある。開業届を出したのも青色申告の権利を得るためだった。僕は商業高校在学時に日商簿記検定2級を取得していたので、仕訳、勘定科目などの会計関連の知識には理解があった。だから、今でも確定申告では、そこまで苦労したことがない。
ちなみに、当時は大体平均して、月に10万円弱は稼いでいた。平均時給は3,000円くらいだ。学生のアルバイト代わりにしては上出来だと思う。一方で、この頃から漠然と、新卒フリーランスの道を検討していた。僕の執筆速度であれば、文字単価1円の案件だとしても、一般的な社会人と同等以上の時給を叩き出すことができる。そうなると、あとは営業次第でやっていけるということになる。営業と言えば聞こえはいいが、実際は、各メディアや担当者にメールを送るだけだ。顔を合わせる必要がないどころか、場合によってはWeb会議すら必要ない。当時はリモートワークが活発化していたのも都合がよかった。
結果として、僕は2021年のときに、新卒フリーランスの道を選ぶことにした。
当初、僕はなんとなく就職活動でIT企業を志望していた。だが、色々と調査してみると、本当の意味で活躍できるエンジニアになるには、IT企業に就職するのではなく、独学やスクールなどでプログラミングを勉強して実績を作るか、IT系スタートアップでがむしゃらに働くかの二択であることがわかった。
そこに、僕にとって新たな選択肢である「新卒フリーランスライター」が加わる。この選択肢の中で、僕が選んだのは新卒フリーランスライターだった。
2022年4月 新卒フリーランスライターへ
ということで、2022年3月に大学を卒業したあと、同年4月から新卒フリーランスライターとしての活動を始めた。社会人として生きていく以上、最低でも月15万円以上は稼ぐ必要がある。だから僕は、大学卒業前に営業活動を本格化させた。そこで運良く文字単価5円以上の案件を見つけられたので、新卒フリーランスライターになる前に、月15万円以上の収入源を確保することに成功した。
僕が考えるフリーランスライターの魅力は2つある。1つ目は、自由時間を確保できることだ。当時も、そして今も、僕にはやりたいことがたくさんある。文章だけではなく、写真、映像、音楽などの様々なメディアで、創造性を発揮したいと思う。いろいろな国を見て回りたいとも思う。映画、アニメ、小説など、色々な作品に触れたいとも思う。僕にとって、これらの遊びの優先度は極めて高い。この点で、フリーランスライターは実にいい。一般的な社会人の場合、どれだけ稼ぎたくなくても、最低週40時間は働かなければならない。だが、フリーランスライターであれば、労働時間を自由に決められる。大学卒業直後の僕の場合、月に20万円稼げれば充分だった。仮に、僕の作業効率が時給3,000円だとすると、月に約70時間働けばOKということになる。残りの時間は、自分の好きなことに使えばいい。このような働き方を、すぐに実践できるのが、フリーランスライターの強みである。
そして、もう1つの魅力は、どこでも働けるということだ。「どこでも」と言われると、カフェや自宅を想像する人が多い。だが、実際はそんなものじゃない。ライターは、文章を生成できれば成り立つ職業だ。だから、スマホでも充分に仕事できる。公共交通機関での移動や待ち合わせ場所でのスキマ時間で、仕事できてしまう。それこそ、世界中のどこででも仕事できる。この魅力を活かして、僕はライターで働きながら日本中を旅することにした。日本最南端最西端を回るなど、充実した旅になった。もちろん、その際の費用はすべてライター業で賄った。
2024年6月現在
本書を執筆している2024年6月現在、僕は同世代のサラリーマンと同等の収入を、同世代のサラリーマンの半分以下の労働時間で得ている。そこで余った膨大な時間は、自分の好きなことや新しいことにチャレンジする時間として使っている。具体的な1日のルーティーンはこんな感じだ。
基本的には午前中に仕事を済ませる。遅くても日中までには仕事を完了させ、夜は絶対に仕事しない。1日で集中力を維持できる時間は「6時間」だと僕は考えているので。それを超え始めたら、仕事をやめるようにしている。
このようにルーティーンを紹介したが、実際のところ、僕はルーティーンが大嫌いだ。1ヶ月のうち20日ぐらいは自分のやりたいことをやっている。そして残りの10日間で、一気に案件を片付ける。また、移動時間などのスキマ時間を活用して仕事することも珍しくない
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