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独白

開いてくれてどうもありがとうございます。
という事で私、
星伊香は被写体としての活動を終えました。
それにあたり今回色々と振り返ってみようと
文字書きらしくこうして文章をしたためています。

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さて私が被写体を再開するに至ったのは2018年夏頃。
動機は
「新しい浴衣を買って写真を残したくなったから」
でした。
凄く安直で俗っぽい理由。
まぁ始めるきっかけなんてそんなものです。

云年前、私はアイドル事務所に居ました。
当時は撮影会等で撮られる機会が多かったものの
辞めてからは一切ネット上に姿を出す事なく
一般企業の派遣社員として日々を送っておりました。
まぁ辞め方もあまり良い形では無かったのですし
表舞台なんか二度とやりたくないと思う位キツかったので。
とは言え時間も経ったしほとぼりも冷めた頃かと思い
「写真撮られたい」的なツイートと共にタグ付けし
浴衣の自撮りをあげたのが最初になります。

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まさかのそこで、単発SSRを引きました。
そうです、Kayさんです。

DMを貰った時は何度も偽物じゃないかと思いました。
でもどうやら本物っぽい。
私のガチャ運ここで使い切った感。
しかしこれからいくらソシャゲで爆死したとしても
現実ガチャでSSR引けたなら超勝ち組です。


当日、ビビりながら待ち合わせのスタジオに行きました。
元々Kayさんの事はフォローしていましたが
こんな凄い人に自分が撮ってもらう日が来るなんて
思ってもいませんでしたし
何せ撮る写真がとてもフェティッシュじゃないですか。
全身黒づくめの超寡黙な変態が来ると思うじゃないですか。
しかし来たのは意外にも普通の人。
あ、良い意味です。

予想に反してKayさんはお話が上手な方で
被写体としてブランクがある私でも
とても楽しく撮影して頂けました。

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この時に
「もし良ければ撮影会とかしてみない?」
とお話を頂き、ほんの数回撮影会をしました。

しかし当時の私はフォロワー10人ちょっと。
当然私を知っている人なんて居ません。
そんな超無名のモデルを撮りに来てくれた方々には
感謝しかありません。
今でもリプをくれたり、本を買って下さったり、
リク撮の受付を始めたら依頼をくださったり。
撮影会をやめた星伊香を
見守っていてくれてありがとうございます。
この方々に会えただけで
この時期は無駄ではなかったと思っています。

しかし私には被写体として
有名になりたいという思いはありませんでした。
人並みに承認欲求はあるものの、本職がありますし
何より私にとっては小説や短歌を詠む事の方が大事だったからです。

あとKayさんは最初
私のイメージを崩さないようにと
普段撮るような暗い写真を撮りませんでした。

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もちろんこの時期の写真も可愛いですし、
変な言い方しますが
こういう写真の方がウケが良いのもわかります。

でも私はKayさんの写真に惚れてフォローしていたので、
「私をKayさんの作品の一部にして欲しいです」
とお願いし、撮影会を辞め、広く撮られる事を辞め、
Kayさんの専属のモデルになりました。

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それからはもう、本当に色んな所へ行って、
色んな写真を撮って頂きました。
その色んな写真たちは
被写体を辞める一か月前から始めた
カウントダウンのツリーから
一気見出来るかと思います。

あとはインスタでも見れるかな。
被っている部分もありますが
どちらも好きな写真を厳選して載せてるので
良かったら見てみてください。

そんな中でセミナーのモデルもたくさんやらせて頂き、
常連さんが多かったのもあって
少しづつ顔を覚えてもらいました。

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(モデル:清水麻里さん、ミキティ。さん)

Kayさんの生徒さんは行儀の良い紳士が多く
私の服が乱れていると声を掛けてくれ
下着が見えそうならきちんと指摘してくれました。
生徒さん達に馴れ馴れしく接させたり
セクハラ紛いな事をされた記憶が一切ありません。
皆さん撮影に真摯的に向き合っていましたし
きちんと星伊香というモデルを尊重して下さいました。
カメラマンさん達がどう思っていたのか分かりませんが
私としてはKayさんの写真教室は凄く居心地が良い空間でした。
とても仲良くして頂いた事、本当に感謝しています。

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Kayさんのおかげでニッシンさんを初めとした
色んな企業の方ともお会い出来て
只のOLだった私の日々に彩りが出来ました。

中でも何度も使って下さったニッシンさんには
本当に感謝しております。
最後のニッシンでのお仕事で花束を頂いたんですが
「いかさんは色んな色のイメージがあるから」
と言って色んな色の花が入った花束を頂きました。
ずっと連絡のやり取りをして下さっていた方からの
凄く嬉しい言葉なので、本当によく覚えています。

でもこれはKayさんが
色んな私を撮って下さったからです。

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よくツイートで言っていましたが
私は別に優秀なモデルではありません。
誰が撮っても可愛く写る訳でも無いし
足は短いし
仕事が忙しいと肌も荒れるし
お酒も甘いものも大好きだし。

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でもKayさんが本来の私よりもずっと綺麗に
色んな表情の私を沢山撮ってくれたから
みんなにそういう印象を持って貰えたんだと思います。

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もちろん被写体という仕事は良い事ばかりではありません。
嫌な事も、嫌な話も沢山聞きます。
自分の短編集でもそういう話、書いたしね。
でも私が殆どそういう目にあわなかったのは
Kayさんという大きな傘の下にいた事が大きかったんだと思います。
どこへ行ってもKayさんのモデルとして
色んな人に良くして貰えました。

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そんな私が何故モデルを辞めるに至ったかの話は
以前ノートにも書きましたが
加えて言うなら仕事が忙しくなった事が理由になります。

丁度コロナが流行り始める前の2020年の頭から
今勤めている会社で正社員になりました。
これもノートで何度か書いてますが
私の最終学歴は中卒。
正社員になるのにそれはもう大変苦労しました。

飲食店のアルバイトしか社会経験がなく
会社での事務経験なんか当然ありません。
23歳の頃に将来の夢に
「会社員になること」
と書く位
私にとってそれは絶望的なまでに夢でした。
それでもどうしても会社員になりたかった私は
何年もかけて実務経験と実績を積み
なんとか職につく事が出来た訳です。

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私は精神的に強い訳ではありません。
強く振る舞えるようになっただけで
相変わらずメンタルは豆腐です。

みんな会社員なので分かってる事だと思いますが
会社員って大変じゃないですか。
しかも私、女だし。
入った会社は古い体制の男社会だし。
少しツイートで漏らした事もありますが
まぁ色々あった訳です。
そうしてコロナが流行りだしたのもあり
2020年は殆ど全ての撮影を断りました。

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しかし曖昧なものをそのままにしておく事が出来ない私は
いっそもう全て辞めてしまえと
「6月で被写体を辞めます」
と区切りをつけました。


色んな人に惜しんでもらいました。
本当に辞めちゃうの?と言ってもらいました。

でも正直、そう言われているうちが華だとも思います。
だって自分でやりだしたことを
人に何かを言われて辞めたくはないですから。

「まだ続けてるの?」
なんて絶対に言われたくない。
「劣化したよな」
なんて死んでも言わせたくない。
自分に自信がない割に
とてつもなくプライドが高いんです。

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だから被写体としての星伊香は、6/30をもって死にました。
自殺です。
もしかしたら何かでひょっこり出てくる事はあるかもしれません。
国家資格の勉強をするので暫く忙しいですが
それが落ち着いたら
「やっぱり被写体やろっかな」
という気になるかもしれません。
そんな先の事、私にも分かりません。
でももし私をどこかで見かけても
どうかそっとしておいて欲しいと思います。

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そして被写体としての星伊香は死にますが
同名義の執筆活動は続けます。
だからTwitterも消しません。

私は被写体を辞めますが、
私の写真は今まで通り、皆さんお好きにアップして下さい。
あ、常識の範囲内で。
RTする事はありませんが、
タグ付とかしてくれたらいいねは押すので
ぜひ皆さんが撮った過去の私を
見せて欲しいと思います。

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写真を見てフォローしてきた人ばかりだと思うので
写真をあげなくなった星伊香になんの価値が残るのか
自分自身疑問ではあります。

それでも私という人間に興味を持ってくれた人が
見守っていこうと思ってくれた人が
少しでもいる事を願って
執筆活動を続けたいと思います。



ここまで読んでくれたあなた、どうもありがとう。
あなたが私の何に興味を持って
これを読んでくれているのかは分かりませんが
こんな長くてまとまりのない文章を読み切ってくれたあなたの為にも
私は私らしく
かっこ良い人間でいたいと思います。

そして最後に。
最後にKayさんを代表する有刺鉄線で撮って頂いて
やっとKayさんのモデルになれたという気がしました。
私が辞めた後、
Kayさんにとって私のようなモデルが出来たらと思うと
正直嫉妬しない事もないです。
そんな事を言っておきながら
勝手にやめる決断をしてすみません。
色々ありましたが、Kayさんのモデルになれて、
私は本当に幸せでした。

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それでは皆様、本当にありがとうございました。


2021.7.1 星伊香
photo:お耽美写真家Kay様

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