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わからないという不安、「月」が見せる暗闇の世界

私の例で恐縮ですが、なんだかスッキリせず果てにイライラしてしまうことの原因が”わからないことがある”という状態だから、ということが時々あります。

人間は納得したい生き物。ハッキリした答えや結論を求めてしまうのも、人間という本能がそうさせているのかもしれません。あいまいなもの、わからないものは不安や恐怖と強く結びついているという側面もあるのです。
そんな、よくわからない、見えない、だから不安で怖いという世界を描いているタロットカードがあります。

今回のタロット考察は、大アルカナ18番「月」です。

18月

「月」と聞くとなんだか幻想的でロマンチックな響きですが、タロットの「月」はそんな世界とはちょっと異なります。
タロットの「月」の風景は夜の水辺。月明りだけの暗闇の世界です。
他のカードと大きく違うところは、この「月」のカードには人物が存在せず犬とオオカミとザリガニがいます。恐怖心から月に向かって吠えています。

見えないことの不安や恐怖を表した1枚です。見えないから不安、わからないから恐怖、満ち欠けする月はあいまいさ、不安定さを物語っています。

あくまで私の場合ですが、わからないことがあるとなぜイライラするのか?
それは「月」のカードのように、見えずわからずという状態が不安で安心できないからでしょう。見ていたい、知っていたい、あいまいさを無くしたい、そんな思いが強いのだと思っています。

例えば、「テレビはなぜ映るか?」と聞かれると全く説明できません。説明はできないけれどテレビを認識し、テレビを見ることはできる。理論はわからないけどそういうもの、という納得。この”わからないけどそういうもの”という着地点があるかないかでずいぶんと不安が消える、そういうこともあるのです(テレビに不安は感じないけれどね)。

18月

人の心、意識は、必ずしも明瞭なことばかりではありません。むしろ、手に取って目に見えるものでもないからこそ、あいまいで不確かで不安定。そして、そのあいまいさやいい加減さ、わからなさが大事な時もある。
そう思うと、やはりこのような「月」のカードが必要になりますね。


わかるけど、う~んなんだかな。なんだかスッキリしないな。じゃ「月」は、見えないままで不安なままなの?

18月R

今は夜の暗闇かもしれないけれど、時間が経てば月が沈み太陽が昇るように、だんだん見えてくる、だんだん明るくなってくる、そんな流れや変化も表しています。暗闇で恐怖を感じていても、日が昇り光が差してくれば、「なんだ、ただの暗闇だった。何もなかった」とそう思うこともありそうです。

不安や恐怖や心配は、人間である以上なくなることはありません。うまく付き合っていくべき存在のようです。タロットの「月」のカードをながめるように、「ああ暗闇に吠えている犬なんだな」「ザリガニが這い上がってきてるんだな」と少し俯瞰の視点でいられるかもしれませんね。
「しかし、ザリガニって~?!」と笑えるともっといいですよね。(ザリガニは心の不安が浮上してきた様子、暗闇の中を進む様子を表しているのだそう)


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