花

イギリス旅行記3:ロンドン名所めぐり

昨日オックスフォードを歩きすぎたのか、疲れてこの日は8時にバイロンホテルで朝食をとった後、昼近くまで二人で二度寝してしまいました。ツアーでない旅行のいいところは、休みたいときに好きなだけ休めることですね。

この日はロンドン観光をするつもりで、お昼にホテルを出たのですが、ケンジントンガーデンズを通りがかったら、アートギャラリーが出ていまして。一人の中東系の男性が、たくさんの絵を並べて売っていました。

彼の名前はニコライさんというのですが、本業は似顔絵作家のようで「写真を見せてくれたらそっくりに描いてあげるよ!」とにこにこしていました。似顔絵の絵の見本としてかかっていたのが、エリザベス女王や、何と日本の天皇陛下の肖像。

イギリスで陛下の絵ははたして売れるのでしょうか?ニコライさんは「結婚の記念や、家族が産まれたら描いてあげるから事務所においで」と名刺をくれました。そして、似顔絵とともにたくさんの抽象画や静物画が二十枚ほど並べてありました。その中から、一枚買いたいねという話になって、私と夫は吟味した結果絵を彼から75ポンドで買いました。日本円で約一万円ほどになります。

色合いがとても素敵じゃないですか? 日本に帰って彼の名刺から検索した結果、ニコライさんはシリア出身の方でした。シリアというと、今は厳しい状況下に置かれていることが日本のニュースからは伝わってきます。でも、彼の絵は、すごく何か、伝わってくるものがあるのですね。その思いを大切にしたいなあと思いました。

この日のお昼はクイーンズウェイの近くのタイ料理屋さんに入ってみました。イギリスの食生活に疲れたら、中華かアジア系の料理屋さんに入ったらいいよ、というのは鉄則のようです。日本人にとって。私は牛肉ヌードル、夫はローストチキンヌードルを頼みます。

出て来た麺は、日本ではあまり食べない味でしたが、やっぱり胃に優しかったです。イギリスに来てから、ずっと食べ物をうまく消化できてない感じがしましたが、この日のヌードルでやっと落ち着きました。

食べたあとは、地下鉄に乗って、オックスフォードサーカスへ。オックスフォードサーカスは、ロンドンの中心街です。降りて、その豪奢さに、びっくりしました。日本にも都会のデパート通りはありますが、建物がロンドンの場合どれもクラシカルで統一感があり、めちゃくちゃかっこいいんです。

夫「日本の銀座も、このへんの通りを参考にしたのかもなー」

ブランドもののお店がたくさんあるのですが、夫に連れられて、ファストファッションであるらしい「スーパードライ:極度感想(しなさい)」という謎のお店に足を踏み入れました。イギリスではわりと有名なところらしいです。(しなさい)までブランド名です。

夫「お土産にする?」

私「いいです…それにしても謎の日本語…いや中国語?」

絵をニコライさんから買ったものの、梱包をどうしようね、と相談していた夫と私は、オックスフォードサーカスのギャラリーに入ったとき、お店のお姉さんに相談してみました。

夫「僕らは絵を買ったんだけど、梱包に困っているんだ(英語)」

お姉さん「OK。じゃあ、梱包材(プチプチ)を分けてあげるわ」

イギリスのお姉さんめっちゃ親切!これで絵を持って帰るのも一安心です。

そのあとピカデリーサーカスという街を通り、私と夫はナショナルギャラリーに入ることにしました。ナショナルギャラリーとは、西洋絵画のコレクションが置いてあるイギリス屈指の美術館です。なんと無料で入れるのです。

宗教画もたくさんあって、もちろんどれも素敵なのですが、やっぱり一番見る価値があったのは、ゴッホのひまわりの原画でした。

薄い黄色のバックに、やはり黄色の少し枯れたひまわりが、なんともいえない雰囲気をかもしだしていて、じいっと見入ってしまいました。ほかにもモネやゴーギャンなどの原画があり、どれも素敵でした。

その後は、イギリスの観光地といえばこれ!のウエストミンスター寺院と、時計塔ビッグベンのあたりにやってきました。このへんはもう、ものすごい混みようです。そこまで歩く途中に、道路をローラースケーターの群れが音楽とともにわたって行って、ああ海外ぽいなと思いました。

ウエストミンスター寺院やビッグベンを見ても、イギリスのほかの見どころを見ても思うのですが、イギリスの人は伝統を重んじ、何世紀も前からの古い建物を大切にして、修復しながら住んでいるのですね。長い年月を経て、風雪に耐えた建物を見るのは、やっぱり感動的でした。

お次は、セントジェイムズパークを通って、バッキンガム宮殿に向かいます。言わずとしれた、エリザベス女王のお住いですよね。一番有名な衛兵式は、朝の11時に行われるそうで見られませんでしたが、遠目に真っ白い建物を拝見しました。

バッキンガム宮殿とほど近いセントジェイムズパークは、たくさんのお花が咲き乱れていてとても素敵でした。女王様のお庭なのですね、きっと。イギリスの公園は、ケンジントンにしても、ここにしても、ほんっとうに広いんです!それで人々も、緑の中でくつろいでいる。とても素晴らしいことだと思いました。

夕方になったので、さあ帰ろうと思い、ビクトリア駅から地下鉄に乗ろうとしたとき、古い教会に目がいきました。その外観のクラシカルな感じに惹かれて、夫と入ってみると、まさに、日曜礼拝のために人々が集まり始めたところでした。

夫「なかなかない機会だし、せっかくだから参加していこうか」

というわけで、飛び入りで礼拝(ミサ)を後ろの席で聞いていくことにしました。教会には、本当にたくさんの人種の人がいました。アジアの人も、アフリカ系の人も、何の違和感もなく、場に溶け込んでいます。現地の人も、私たちのような観光客も、御年を召した方も、タトゥーを入れているような若者もいます。

パイプオルガンが、石造りの教会の中に響き渡りました。讃美歌が始まって、じっと聞き入ってしまいました。パイプオルガンの反響が、とても素敵です。夫が、ここはカソリックだねと耳打ちしてくれました。神父さんがたくさん入って来て、説法をしたり、最近亡くなられた方の紹介をしたりしています。

だいたい30分ほど聞いていたのですが、その間に、神父さんの合図で、十字を切ったり、ひざまずいて祈ったりしなくてはなりません。なんと、前の椅子から、ひざまずくのに痛くないよう、革張りの台をひっぱりだしたりできます。

赤ちゃん連れの家族が何名かいて、礼拝の途中に泣き声が聞こえました。お参り用のろうそくの火が揺れます。ステンドグラスを透かして、午後の光が入ってきます。

私はキリスト教のことはよくわからないけど、雰囲気の荘厳さにやはり胸をうたれました。もっと、他の国の文化や宗教を学びたいなと思いました。礼拝の最後は、前の人や隣の人と、握手して終わりました。

地下鉄でホテルの近くに戻ってくると、夫が「今日は夕ご飯に良いもの食べよう」と言って、ガイドブック「地球の歩き方」に乗っているギリシャ料理の店に行こうと言い出しました。地元の方に人気の、おいしいお店らしく、ラッキーなことに歩いていけるようです。

にぎわう店内で、無事に席をとって、お料理を頼みました。と、そこまではよかったのですが。前菜が出るわ出るわ、サラダと、固いパンに何種類ものフィリングを塗って食べるお料理と、貝のトマト炒めを食べていたら、私たちのお腹はぱんぱんになってしまい、泣く泣くメイン料理のお肉をホテルに持ち帰るはめになってしまいました。

サラダはトマトとズッキーニとオリーブを、オリーブオイルと塩で味付けたもの、パンに塗っていたのは、ガーリック風味のマッシュポテトや、タラモサラダ、香草風味のバターとかでした。

こちらのお料理は、日本のものに比べて、とにかく量が多い場合があるので、頼むときにはどれくらい出て来るか、気を付けることが必要だと言うことがよくわかりました。

メインをテイクアウェイにしてくれたお店の店長さんには本当に感謝です。すみませんでした!

ホテルでのんびりミネラルウォーターを飲みながら、イギリス3日目の夜も就寝時間になりました。

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